6カ国協議 日本「蚊帳の外」 拉致重視に中韓はけん制
【北京11日志村治】北朝鮮の核放棄に向けた「初期段階措置」と、見返りのエネルギー支援をめぐり、ぎりぎりの協議が続く六カ国協議で、核問題に拉致問題を連動させる日本が「蚊帳の外」に置かれている。韓国や中国は、拉致問題で進展がなければ北朝鮮への直接支援をしないとする日本の方針をけん制し始めている。
四日間を通じ中朝、米中、中ロ、米朝、韓ロなどの二国間協議が活発に行われたが、日本の出番は少なかった。
とりわけ、韓国は「北朝鮮の考えをきちんと聞き出すことができるのはわが国だけ」(政府当局者)と胸を張り、ロシアも「半島非核化の目標のため何でもする用意がある」(ロシュコフ外務次官)と強調。議長国・中国とともに、精力的な調整作業を展開した。
これに対し、日本の動きは停滞。佐々江賢一郎外務省アジア大洋州局長と金桂冠(キムゲグァン)外務次官による日朝の「直接対話」も、初日の夕食会での短時間の接触だけ。北朝鮮へのエネルギー支援問題ばかりに焦点が当たり、日本は論議に積極的に関与しにくくなっている。
麻生太郎外相は十一日のテレビ番組で「協力はしますけど、お金を出すことはしない」と述べ、たとえ核問題で一定の成果があっても、拉致問題が進展しない限り、直接支援には踏み込まず、北朝鮮国内のエネルギー需要調査などへの協力にとどめる考えを示した。
だが、韓国は「参加六カ国は負担も共同で責任を負うべきだ」、中国も「日本が拉致と核を結びつけるのにこだわれば、具体的成果が得られなくなるかもしれない」(新華社通信)とけん制。日本を取り巻く状況は厳しさを増してきた。
北海道新聞 国際