From:ななころ
プライベートオフィスより
◆借金に対する恐怖感
「借金はなるべく少ない方がいい」
「借金は早く返すべきだ」
学校教育のせいなのでしょうか。それとも親からの教えのせいなのでしょうか。私たちは借金に対してある種の恐怖感がありますよね。(私も借金は少ない方が良いと思う派です。今でも)
また、「借りたお金は返すべき」という倫理観が常に頭によぎります。真面目に生きてきた人ほど傾向が強いです。
一般的に不動産投資は多額の借金を負いますので、いくら家賃収入があっても精神的に楽にならない方も多いようです。(返済比率が高くて実際に収支が苦しい人もいますが・・・)
そうなると、資金に余裕がある時ほど、なるべく「繰り上げ返済をするべき」といった考え方をしがちです。住宅ローンなんかも繰り上げ返済している家庭も多いようです。
繰り上げ返済はすべきなのでしょうか?
◆繰り上げ返済のデメリット
繰り上げ返済すべきかどうかは、当然ながらケースバイケースにはなりますが、繰り上げ返済するメリットだけを見がちですが、繰り上げ返済するデメリットもおさえておかなければなりません。
繰り上げ返済するデメリットとはどんなものがあるでしょうか?
デメリット1.手元資金が薄くなる
「10年で9割の会社が倒産する。」と言われています。
その倒産原因の1つとして多いのが「黒字倒産」です。利益は出ているのに手元にお金が無くて倒産する会社が結構多いのです。
不動産投資でも十分にありえます。たとえば、毎月の収支は黒字なのに、忘れたころに突如として降り掛かってきた「取得税」が払えなくて倒産してしまう人がいるのですが、その最たるものです。
手元資金があれば突発的な支出にも対応できてリスク回避できるところが、繰り上げ返済することによって一時的に手元資金が薄くなって起こったりもします。
デメリット2.金融機関とのパイプがなくなるリスク
銀行にとっては、私たちが払っている金利が儲けの源泉です。
どこからどのぐらいの期間金利収入が入るかを計算しながら融資を実行しています。
そのため、 一般的に銀行は繰り上げを嫌がります。繰り上げ返済ウェルカムの銀行もありますが違約金を高く設定しています。
私たちが繰り上げ返済することによって、銀行の計画が狂ってしまうからです。私たちが払っている金利など大したことがありませんので銀行の経営を揺るがすなんてことはないですが、それでも銀行としては好ましいことではないのです。
そのため、繰り上げ返済することによって、銀行とのパイプを失ってしまうリスクもあります。
デメリット3.月々の負担額は変わらない
また、一気に全額繰り上げ返済できるのであればいいのですが、一部繰り上げ返済などはもっとやめた方が良いかもしれません。
繰り上げ返済したところで、毎月の返済額は変わりません。
たしかに完済までの期間は短くなるかもしれませんが、繰り上げ返済したところで、数年短くなる程度です。期間30年→10年といった感じで劇的に短くなるわけでもありません。
リスクを回避して経営を安定させるには、返済期間よりも返済比率の方が重要だからです。
◆結論
以上、結論は「繰り上げ返済はしない」が正解となります。
当然ながら繰り上げ返済した方が良いケースもありますが、基本的には繰り上げ返済はしない方が良いケースの方が多いです。住宅ローンも同じです。
返すのは簡単ですが、借りるのは難しいです。借金が多いことが必ずしもマイナス評価ではありません。
「借金は悪」といった先入観によって、繰り上げ返済のデメリットも考えもせずにいきなり繰り上げ返済するのは反対ですし、決算書をしっかり読み解ける力が必要だと考えている次第です。
◆編集後記
友人知人からの借金は当然繰り上げ返済すべきですが、こんなこと言ったら怒られちゃうかもしれませんが、親への借金は繰り上げ返済していない私です(笑)
大学費用、家購入時のリフォーム費用、いろいろと借りています。
唯一、最初の1棟目の物件を購入したときに父から支援してもらった500万円はすぐに返済しました!
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