From:ななころ
プライベートオフィスより
◆地方高利回り投資は融資が壁
前回は「地方高利回り投資で利用した銀行(1)」をお伝えしましたが、今回は2つ目の金融機関です。
2つの銀行は、ご存知の方も多いかと思いますが、「三井住友トラストローン&ファイナンス」です。通称「三井住友トラストL&F」ですね。地方高利回り投資家の強い味方です!
基本情報に加えて、最後にあまり知られていない三井住友トラストL&Fの「銀行提携ローン」について触れていきたいと思います。
三井住友トラストL&Fは、「ライフ住宅ローン」という名称のノンバンクでした。この頃から知っている人はかなり融資オタクですね!笑
いつの間にか三井住友信託銀行の傘下となり、「三井住友」という名前が良かったのか、サラリーマン不動産投資家の間で一気に広がりました。
ノンバンクと聞くと、「信用毀損になるんじゃないか」とか、「取り立てが厳しいんじゃないか」とか、高利貸しのイメージが払拭できないですもんね。正直言うと、私も「ライフ住宅ローン」の時には抵抗がありましたよ。
(ちなみに三井住友銀行とは資本提携など無い別会社です)
◆三井住友トラストL&F融資の特徴①「融資期間」
三井住友トラストL&Fの融資の特徴は、何と言っても、柔軟な融資期間ですよね!
新築物件は最長35年、中古でも最長30年の融資を受けることができますし、耐用年数オーバーの物件でも融資の出る可能性があります。
・新築 最長35年
・中古RC 60年 ー 築年数
・それ以外の中古 50年 ー 築年数
ほとんどの銀行が横並びで、築年数が古いとか耐用年数内といった規定がある中、耐用年数超えの物件にも融資を検討してくれます。これは嬉しい!
高利回り物件というのは、ほとんどの場合が古いですから、古くても20年30年と融資をしてくれるのはとてもありがたい銀行です。
◆三井住友トラストL&F融資の特徴②「エリア」
そして、何とも言っても対象エリアの広さです。無敵の「全国対応」です。
居住地がどこにあっても、購入物件がどこであっても対応してくれます。(ただし、共同担保として評価してくれるエリアは主に都心エリアとなります。)
地方高利回り投資の一番の悩みである「エリア制限」を見事にクリアしてくれる銀行の1つです。
よく三井住友トラストL&Fは「金利が高い(3.9%)」と避ける人もいますが、それは本質を良く分かってない人です。結局は利回りとの差です(イールドギャップ)からね。
都内で利回り7%の物件に金利1%で融資を受けて買うよりも、地方で利回り15%の物件に金利3.9%で融資を受けて買った方が、単純計算で約2倍儲かることになります。リスク許容度が2倍の差があると言い換えることもできます。
さらに、三井住友トラストL&Fは借り換えしたところ出禁になったりはしません(繰上げ手数料はかかります)。そのため、とりあえず三井住友トラストL&Fで融資を受けて物件を買い、後から金利の安い銀行に借り換えすることもできます。
実際にわたしは、三井住友トラストL&Fよりも金利の高い当時のスルガ銀行(金利4.5%)で購入し、あとから地銀に借り換え(金利1.4%)をしました。
※三井住友トラストL&Fの解約金:繰上げ返済する元金の2.00%(最低20,000円)
◆三井住友トラストL&F融資の特徴③「柔軟さ」
そして、何とも言っても素晴らしいのは「柔軟さ」です。
査定評価は落ちる可能性がありますが、既存不適格、再建築不可、旧耐震、借地権、全空などの、ちょっとクセのある物件でも融資をしてくれます。
私は「ほとんどのリスクは利回りでカバーできる」という考えなので、たとえば利回り30%取れるのであれば、既存不適格、再建築不可、旧耐震、借地権、全空であっても買います。特に全空物件は面白いです!
しかし、そんなクセのある物件に融資をしてくれるのは、三井住友トラストL&Fぐらいしかないのではないでしょうか。
◆三井住友トラストL&F融資の気になる点
一方で、いくつか気になる情報も入っています。
1つ目は、最近「1都3県および都心以外の物件に対して、融資上限額が下がっている(5000万円以下)」という情報も聞いていますので、注意が必要です。(わたしが聞いた担当者の回答は「そんなことは無い」と言っていましたが)
たとえば、地方の1棟物件に3000万円の融資を受けて購入したとします。すると、地方物件を買い増ししようとすると、上限は2000万円となってしまうということです。
2つ目は、共同担保の評価についてです。自己資金は通常2割という規定になっており、共同担保を入れることでフルローンも可能になってくるのですが、その共同担保の評価が渋くなっているというのを聞いています。
以前は、担保価値のある安いボロ戸建てを現金で買って、その戸建てを共同担保に入れて、フルローン融資につなげるという手法が流行りました。
ところが、その共同担保となる物件の評価が渋くなっているのです。担保価値ではなく、「購入金額 == 担保価値」になっているとも聞きます。(たとえば、500万円の担保価値のある戸建てを100万円で買ったら、担保価値は100万円)
担当者によっても回答が異なっているところもあり、内容の真偽は定かではありませんが、共同担保を考えている場合は、事前に担当者に確認することをオススメします。
◆あまり知られていない銀行提携ローン
最後に、あまり知られていない三井住友トラストL&Fの銀行提携ローンについてです。
三井住友トラストL&Fは、2023年6月現在5つの銀行と提携して、融資商品を提供しています。融資契約は各銀行と行い、保証を三井住友トラストL&Fが受け持つことになります。
ですから、たとえば新設法人で地銀から融資を受けようと思ってもなかなか融資を受けられませんが、この銀行提携ローンで融資を受けて地銀と取引を開始。やがてプロパーにつなげることも可能になります。
(銀行提携ローンの5行)
・住信SBIネット銀行
・きらぼし銀行
・武蔵野銀行
・紀陽銀行
・十六銀行
◆三井住友トラストL&F融資条件まとめ※2023年6月時点
以上、地方高利回り投資で利用したい銀行の1つ「三井住友トラストL&F」を紹介しました。
三井住友トラストL&Fは、個人でも法人でも融資をしてくれますので、新設法人の一発目の融資としても利用したい銀行の1つですね。
新設法人に融資をしてくれる銀行が皆無になってきている今、まずは三井住友トラストL&Fで融資を受けて物件を購入して実績を作ることで、次の戦略の幅を広げることもできます。最初に収支の出る物件を買うことができれば、地銀のプロパー融資につなげていくことだって可能です。
また、融資額合計5000万円以上であれば、金利は3.9%→2.9%に下がりますので、三井住友トラストL&Fで融資を受けて買い進めていくのもありです。
地方高利回り投資家は、どこかのタイミングで利用したい銀行の1つなんです!
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