債務超過に陥ったレオパレス、再建は厳しいか・・・? | 不動産投資で人生を自由に豊かに描く!「ライフデザイン実践会」

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わたしはど素人からスタートとして5年で家賃収入1500万円を達成し、2012年9月サラリーマンを卒業しました。ライフデザインの手段として不動産投資は最適です。不動産投資のノウハウや有益な情報や人生を豊かに描く方法をどんどんシェアしていきます。

From:ななころ
プライベートオフィスより

 
◆悲惨な決算

「決算業務に従事する従業員が想定以上に退職」によって、決算発表の遅れていたレオパレス社。

債務超過に陥っているという報道も先行でされていました。

まさに、前回の記事で「会社が倒産する前によく見られる兆候」通りの状況になっています。


そして、ようやく9月30日決算が発表。

ドキドキしながら決算内容を確認すると、予想以上に悲惨なものでした。。。汗


=== 記事一部抜粋 ===

レオパレスの4~6月期、141億円の最終赤字 賃貸振るわず、特損も


 レオパレス21は30日、延期していた2020年4~6月期の連結決算を発表した。同期間の最終損益は141億円の赤字(前年同期は57億円の赤字)だった。主力の賃貸事業が振るわなかったほか、施工不良物件の補修工事費や希望退職者の募集に伴う特別損失も重荷となった。6月末時点で同社は118億円の債務超過に陥っていた。

(2020/9/30 日経新聞記事より)

=== ここまで ===



◆「債務超過」は不動産投資家にも重要な数字

「債務超過」とは、私たち不動産投資にとっても重要な用語です。


なぜなら、私たち不動産投資家は、債務超過状態に陥っていないかを常に意識しておく必要があるからです。


また、サラリーマンの属性で融資を受けられる時代は終わりました。

決算書の内容で融資を受ける時代になっているからです。


たとえば、1億円の1棟マンションを、1.1億円のオーバーローンの融資を受けて購入したとします。

この場合、物件単体でみると、購入時点で1000万円の債務超過(1億円 - 1.1億円 = -0.1億円)となってしまいます。

(オーバーローンで手元に1000万円の現金が残っていれば、実際には債務超過ではありませんが・・・)


さらに、売却しようとしたら7000万円でしか売れないとなれば、4000万円の債務超過状態ということになります。

この債務超過分を補うだけの預貯金や金融資産が無い場合、金融機関からは「危険な状態」とランク付けされて、融資を受けることは不可能となります。


しかも、ちょっとでも運営が狂えば、「売却できない」「融資も受けられない」かなり悲惨な状態なのです。



◆レオパレスの自己資本比率も急降下

まさに、レオパレスがこの状態です。


こちらが、2017年12月末にTV番組「ガイアの夜明け」に刺さされる前の、絶好調だった時の純資産。

1588億円も純資産があります。

すごいですね!

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(2017年3月期  決算短信〔日本基準〕(連結)より)



そして、こちらが今回の決算の純資産。

マイナス118億円へ急降下して、債務超過状態になっていることが分かります。


つまり、レオパレス社の持っている不動産などの資産をすべて売却しても、債務を返済できない危険な状態になってしまっているということです。


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(2021年3月期  第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)より)


さらに、レオパレス社のホームページを見ると、悲惨な事態になっていることは一目瞭然です。


かなりの優良企業だった自己資本比率は急降下。


なんとっ!?

0.7%まで自己資本比率が低下してしまっています。

いよいよという感じになってきています。


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◆レオパレス社の今後は?

それでは、今後レオパレスはどうなるのでしょうか?


決算発表時のプレゼン資料では、かなりバラ色の回復を描いています。

入居率が順調に回復していくシナリオです。

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(「2021年3月期 第1四半期決算概要」より)


ただ、ちょっとこれは甘すぎる計画と言わざるおえないです。。。


違法建築で改修工事が必要なっているアパートの数があまりにも多すぎます。

そして、コロナで外国人入居も法人入居も減っていて、いつ回復するかも分からない状況。

ちょっと厳しいです。。。


そんな危機的な状況の中、ソフトバンクグループの投資会社「フォートレス・インベストメント・グループ」が支援に乗り出した報じられました。


=== 記事一部抜粋 ===

「レオパレス21」ソフトバンクグループ傘下のファンドが支援へ


 アパートなどの施工不備が相次いで発覚して経営が悪化した「レオパレス21」は、ソフトバンクグループ傘下のファンドから総額570億円余りの出資と融資を受けて経営の立て直しを図ることなり、負債が資産を上回る債務超過は解消される見通しになったと発表しました。


 フォートレスからことし11月2日までに出資と融資で総額572億円程度の拠出を受けて債務超過を解消するとしています。


(2020年9月30日 NHK記事より)

=== ここまで ===


この支援によって、債務超過は解消されたとしていますが果たして・・・

今後もレオパレス社の動向に目が話せません。


◆お知らせ

1.レポート「スルガ銀融資売却手順書」を期間限定公開中

スルガ銀融資で苦しんでいるサラリーマン投資家のために、ななころが得た情報をまとめたものをレポート「スルガ銀融資売却手順書」として、期間限定(2020年10月10日まで)で公開しています。

※貴重な情報もあるためダウロードするには名前登録は必須としています。ご了承ください。

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◆編集後記

レオパレスオーナーも気が気でないはずです。。。

レオパレス物件が売りに出されているのを目にする機会も増えてきました。


大手不動産会社での取扱物件数が増えているようで、軒並み15%以上の高利回りで売りに出されています。

(この写真が伏せられていて高利回りの物件は、だいたいレオパレス物件です)

スクリーンショット 2020-10-01 16.31.04


ななころは、レオパレス物件であっても利回り次第では検討しても良いと思っています。

それでも購入前の建物調査を行い、融資承諾を得て、購入に持っていくには、かなりのハードルです。


(レオパレスと分からないように目隠ししている物件もあり注意が必要です。)


債務超過に陥ったレオパレス社ですが、裏には「売却できない」「融資も受けられない」の債務超過状態に陥っているレオパレスオーナーが大勢います。

 

レオパレス社の命運は、レオパレスオーナーの命運もかかっているのです。