From:ななころ
プライベートオフィスより
◆不動産投資専門の税理士、捕まる?
サラリーマン不動産投資家などに「消費税還付による節税」を指南していた、不動産投資家専門の税理士が、国税局に「所得隠し」で告発されました。
=== 記事一部抜粋 ===
「最強節税法」著者が脱税 8億円超 所得隠し
「最強節税法」と自らの著書で紹介していた税理士などが、2億円余りを脱税した疑いで東京国税局から告発された。
税理士の志賀公斗氏(38)と自らが実質的に経営する2つのコンサルティング会社は、不動産投資をめぐる消費税還付や、節税のコンサルタント業などで得た報酬について、架空の支払手数料を計上するといった手口で、およそ8億2,700万円の所得を隠し、法人税など、2億1,200万円を脱税した疑いが持たれている。
(2020年5月21日 FNN記事より)
=== ここまで ===
志賀公斗税理士は、大家塾や不動産業者のセミナーで講演するなどして顧客を増やしていました。
著書も3冊出していますね。
「およそ8億2,700万円の所得を隠し」とありますから、すごい儲かっていたんですね!?驚
昨年、わひこの創業者が脱税で逮捕された事件がありましたが、その時の金額が「4億円あまり」。
今回はその倍の金額ですから恐ろしい。。。
2019年10月23日「速報・不動産業者(株)わひこ創業者が脱税容疑で逮捕!」
(志賀公斗税理士事務所ホームページより)
◆消費税還付が問題だったわけではない
今回の国税庁の告発は脱税によるものですが、「消費税還付」が問題だったわけではありません。
あくまでも「所得隠し」だということです。
(しかもまだ逮捕もされていません。)
私たち不動産投資家が収益物件を購入する際、多額の消費税を支払っていることになります。
土地には消費税はかかりませんが、建物には消費税がかかっているからです。
建物代 5000万円 × 10% = 500万円 ← 消費税
これだけの消費税を支払っていることになるのですから、「支払った消費税分を何とか取り返したい」という気持ちは分からなくもありません。
そこで、「自動販売機スキーム」などのスキームが編み出されては、封じられてきた歴史があります。
今回の事件の志賀公斗税理士が行ってきたスキームが「金の売買を利用した消費税還付スキーム」でしたが、これはまだ封じられていません。
(今年度の税制改正でこのスキームも封じられるようですが)
ですから、報道を見る限り、この「金の売買を利用した消費税還付スキーム」を指南したことによって、告発されたということではありません。
一連の報道には悪意を感じますし、この報道の仕方はちょっとどうなのかなと思うところもあります。
ななころは志賀税理士にはお会いしたことはありません。
全面的にこの税理士を庇いたいわけでもありません。
ましてや消費税還付を積極的に推進する立場でもありません。
ですが、コロナ関連の報道といい、報道の姿勢には疑問を感じました。
◆消費税還付のリスク
とはいえ、不動産投資家自身が「消費税還付のリスクを理解しているのかなぁ???」と疑問に感じることもあります。
消費税還付のリスクは細かくは調べれば分かることなので省きますが、特に「3年間は物件の売却も購入も難しくなる」のは結構痛いと思います。
(必然的に他法人スキームとなり、結局は税理士が儲かるようにできている)
そして、消費税還付を狙ったような物件購入をしているサラリーマン投資家は、不動産業者やエセコンサルにはめ込まれている例も多く見受けられます。
消費税還付ありきで、物件の収支がカツカツだったりします。
消費税還付で多額のお金は得たけれど、「不動産業者や税理士やエセコンサルを儲けさせているだけで、自分はあんまり儲かっていない」という人も結構いるのです。
「えっ?それって、借金とリスクを背負ってるでけでは?」
「利益を前借りしているだけでは・・・」
これではいつまで経っても枕を高くして寝れません。
そんなことをしなくても不動産投資は確実に儲けることができます。
法や税の隙間を付くことは好きにやればいいのですが、本末転倒にならないように注意が必要だなと感じている次第です。
私たちが不動産投資をする目的は、
「経済基盤を確立して、人生を豊かに描く!」
ことなのですから。
◆編集後記
緊急事態宣言が解除され、学校が次々と再開。
我が子たちも今日から学校です。
次男は今年4月入学でしたが、8時頃まで布団でゴロゴロしています。
せっかく買ったランドセルも眠ったまま。
本人はあまり小学生になった自覚もありませんでした。
それが、今朝は7時に起床。
トーストを自分で焼き、一人でお着替え。
「行ってくるー!」
元気に登校していきました。
その顔は、少し緊張気味の幼さの残る顔ではありましたが、勇ましい顔になっていました。
そんな次男を見送りながら、子供はどんどん成長するんだなとしみじみと感じました。
「孟母三遷の教え(もうぼさんせんのおしえ)」という言葉がありますが、その通り環境が大きく人を育ていってくれるんですね。