From:ななころ
都内図書館より
◆私が現地調査で実施していること
現地で物件調査のポイントとして私が心がけているのは、建物を調査する前に、まずは周辺をざっと調査するようにしています。
先に周辺を確認するのは、私の性格上、最初に部屋を確認して予想以上に状態が良かったりして「ほしい」モードに入ってしまって、冷静な判断ができなくなるのを防ぐためです。
主なチェック項目は以下の通りです。
1.接道状況の確認
2.境界と標識の確認
3.駐車場の確認(台数、車種など)
4.近隣の競合アパートの入居状況や建物の状態
5.周辺環境の確認
そして、周辺調査が終わると、建物の外観を建物をぐるっと一周して調査していくようにしています。
主なチェック項目は以下の通りです。
6.基礎のクラックの確認
7.壁のクラックや塗装状態の確認
8.カーテンの確認
9.集合ポストの確認
10.屋根の確認
部屋は状態が多少ひどくてもリフォームで何とでもなりますが、周辺状況や建物に致命的な欠陥があったりした場合は致命傷になりかねません。
◆女性ターゲットなのに、近くに◯◯が・・・
以前調査したかぼちゃの馬車物件でこんなことがありました。
建物は新築ですし、見た目はおしゃれです。
部屋も、1室7㎡で狭いとはいえキレイですし、女性が好む家具が設置されています。
かぼちゃの馬車は、ちゃんと入居募集をすれば、そこそこ埋まります。
満室稼働している物件も少なくありません。
(収支が合うかどうかは別ですが・・・)
しかし、このかぼちゃの馬車物件だけは、どうしても埋まらなかったのです。。。
その理由は、現地を見て一発で分かりました。
物件すぐ横に古い工場があったのです。
昼間は騒音もありますし、朝と夜は労働者の方が出入りします。
部屋の窓からこそ工場は見えないものの、女性が住みたいと思えるような環境ではなかったのです。。。
◆現地調査の実践
そして、先日にはこんなことがありました。
ライフデザイン実践個別指導プログラムの2期生と一緒に、現地調査をしていたときのことです。
プログラムの詳細についてはリンクしておきますので説明を省きますが、全8回4ヶ月間の講座の中には、現地調査の実践の回があります。
すでに学んだ現地調査のポイントを実践するために、受講生が課題でピックアップした物件を、朝から車で現地を見に行きます。
この日は群馬のとある物件をチェックしに行きました。
ピックアップした物件は数字的には悪くはありません。
むしろ入居重要が確かであれば、十分に購入検討対象となります。
== 物件概要 ==
売値:3000万円
満室想定家賃年収:480万円
満室時利回り:15%弱
築年:30年超
構造:木造
===========
◆単純手残りは月24万円!
現地に到着してさっそく調査をしていきます。
工場がそばにあり少し雑然としていますが、致命傷とまでは言えません。
地方には必須の駐車場も台数分あり、間口も広くて停めやすそうです。
その証拠に空室は全8室中1室のみの状況。
家賃は1部屋4万円以上取れているので、入居需要も問題なさそうです。
建物の状態は築30年超ということもあり古さを感じますが、外壁塗装をしたばかりで状態は良さそうです。
満室で毎月40万円の収入に対して、金利3.9%・期間30年で借りたとして月の返済は14万円程度。
単純な手残りは毎月26万円あります。
返済比率は35%程度ですので申し分ありません。
しかし、現地調査を進めていくと、とんでもない欠陥があったのです・・・
◆ドローンを飛ばしてみると・・・
第1期の受講生の一人にサポート役として入ってもらっているのですが、彼はドローンを飛ばす資格を持っています。
そこで、ドローンを飛ばして屋根をチェックすることにしたのです。
キュイーン
もの凄い音を立てて、上空に登っていきます。
勢い良く建物上空まで行くと、建物の真上に停止。
屋根を右、左と移動しながら、屋根の状態を撮影していきます。
屋根の状態は修繕したということもあってキレイです。
あっ!?
なんだ、これはっ!?
操縦しているiPadの映像を見ると、屋根に何か傷のようなものが見えます。
もう少しドローンを近づけて見ると・・・
なんとっ!
屋根に5cmほどでしょうか!?
穴が空いているのを発見したのです!
現地案内をしてくれていた不動産業者もこれにはびっくり。
この物件は購入検討内から、一気に検討外になりました。
あらためて現地調査の重要性を理解する機会となったのです。
※映像は以下をクリックすると見れます。
◆屋根のチェックは必須
屋根の欠陥を購入後に発見して、トラブルになったケースも少なくありません。
私が以前相談を受けいていたケースでは、購入後に最上階の屋根裏に雨漏りを発見。
躯体が腐ってしまっており、瑕疵を追求したものの、のらりくらりとかわされて、結局自腹で修繕したというケースもありました。
ですから、現地に行った際には必ず屋根を確認するようにしています。
ドローンを飛ばせればいいですが禁止されているエリアもありますので、業者さんと一緒に行って、屋根に登ってもらってチェックしてもらうようにするといいでしょう。
購入前の現地調査は慎重かつ丁寧にいきたいものですね!
◆編集後記
先週の土曜日に第2期のプログラムは、全8回を無事終了しました。
受講生が1棟を購入するまでがフルサポート対象のため、まだまだ気が抜けませんが、テキストづくりだけでも相当な時間を費やすため、今はホッとしています。
第2期の受講生6名みな素晴らしい人達ばかりで、本当に楽しく講座を開催できて、あっという間の4ヶ月間でした。
あとは、受講生がライフデザイン実現に向けて、経済基盤を確立するための物件を購入できることを願っております!