スルガ銀行の貸出内容は本当に大丈夫?預貸率90%超と延滞率 | 不動産投資で人生を自由に豊かに描く!「ライフデザイン実践会」

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わたしはど素人からスタートとして5年で家賃収入1500万円を達成し、2012年9月サラリーマンを卒業しました。ライフデザインの手段として不動産投資は最適です。不動産投資のノウハウや有益な情報や人生を豊かに描く方法をどんどんシェアしていきます。


◆前回までのあらすじ

前回の記事では、

・預金流出によって自己資本比率が急激に低下

・貸出残高も減っている

・貸出残高の減少以上に、預金が流出していっているため、

 預貸率は跳ね上がっている


ということをお伝えしていきました。

 

 

預貸率と聞いても、

金融関係に勤めた経験の私達にとって、
馴染みのない言葉ですよね。

ピンと来ません。
 


しかし、この預貸率と、

引当金の中身をみていくと、

スルガ銀行の危うさが分かってきたのです。



◆預貸率とは?


そもそも「預貸率(よたいりつ)」とはなんでしょうか?

 

預貸率とは、

 

「銀行が集めた預金を、どれだけ貸し出し(融資)に回しているか」

 

という指標なわけですが、

 


たとえば、100の預金を集め、
70の貸し出しをしているのであれば、
預貸率は70%になります。



預貸率が100%を超えると、
預金以上に貸出を行っていることになります。


逆に、預貸率が10%になりますと、
預金に対してほとんど貸出を行っていない、
ということなります。


そのため、預貸率が高ければ、
預金以上の貸出を行っており危険度が高く、

預貸率が低ければ、
預金の範囲内で貸出を行っているため、
危険性は低くなってきます。

(預貸率が低ければ良いという話しでもありませんが)


都銀、地銀、第2地銀の預貸率の推移を見ると、
以下の通りです。

・第2地銀:76.23%

・地銀:73.33%

・都銀:59.07%



20180608yotai2


◆スルガ銀行の預貸率は?


それではスルガ銀行の預貸率はどうかというと、
預貸率は「80%」から「90%」へと、
10ポイントも急上昇しているのです。


しかも地銀平均の73.33%と比べても高めです。


(2018年3月期第2四半期決算説明資料より)
スクリーンショット 2018-11-15 13.56.13

 ↓

(2019年3月期第2四半期決算説明資料より)
スクリーンショット 2018-11-15 13.50.16



前述の通り、預貸率が低ければいいというわけでも、
「預貸率が高いから危険」というわけでもないのですが、

スルガ銀行の貸出の中身を考えると、
かなり心配になってきます。

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◆信用創造というマジック

というのも、銀行は「信用創造」という考えの元、
預金を元手に貸出を行ってきます。


その「信用創造」の仕組みを知ると、
スルガ銀行の危うさが分かってきます。


まず信用創造の仕組みですが、
簡単な図に示すと以下の通りとなります。

(この辺は僕より詳しい方も多いと思いますが)


信用創造


 

  1. Aさんが銀行に、\100の預金をする
  2. 銀行は手元に \20を残して、Bさんに \80を貸し出す
  3. Bさんは銀行から借りた \80をCさんに払う(商品仕入や設備投資などの支払)
  4. CさんはBさんから受け取った \80を、銀行に預金をする
  5. 銀行は手元に \16を残して、Dさんに \64を貸し出す
  6. Dさんは銀行から借りた \64をEさんに払う(商品仕入や設備投資などの支払)
  7. EさんはDさんから受け取った \64を、銀行に預金をする
  8. 銀行は手元に \13を残して、\51を貸し出す

以下、同様に続きます。


 

そもそものAさんからの預金 \100を元手にして、
銀行はどんどん貸し出しを増やしていくことができました。


これが大まかな信用創造の仕組みの図解です。


信用創造は、銀行に与えられた重要な役割です。

信用によってどんどんお金を生み出せるのですから。

銀行すごいですね。。。


 

便宜的に手元に残す割合を「20%」としましたが、
これは預金の引き出しに備えているお金です。


 

銀行に対する信用が低下すると、
「引き出し騒動(取り付け騒ぎ)」が起きます。

そうなれば、手元に20%ではまったく足りません。


(ペイオフ制度のより、1人につき元本1000万円とその利息までは保証される


 

手元に残すおカネを抑えて貸し出しができるのは、
銀行に信用があるからこそなんですね。


 

◆本当に貸出の中身は大丈夫なのか?
 

信用創造の考えのもと、預金を元手にして、
銀行はどんどん貸し出しを、
増やしていけることが分かりました。


でもちょっと待ってください!


1つ重要なことに気が付きますよね!?


もともと預金者の預金を元手に、
どんどん銀行は貸出を増やしているワケですが、

スルガ銀行から融資を受けて物件を購入したBさんは、
不動産投資で儲かっているのでしょうか・・・。

果たして収支は回っているでしょうか・・・。


つまり、預金を元手にどんどん貸出できる仕組みは、
逆に、その貸出の中身が危うければ、
銀行に大打撃を与えかねないということになってきます。


スルガ銀行の貸出の中身は大丈夫なのでしょうか?



延滞率が低いから大丈夫?

スルガ銀行の決算発表によると、
「大丈夫」という会見でした。


シェアハウス投資については、
返済が滞った時に備えて引当金は十分に積んでおり、
実際に返済が滞っても大丈夫だという発表でした。


また、シェアハウス投資オーナーの延滞率は「30%」に対し、
シェアハウス投資以外の投資では、
延滞率はわずか「0.5%」と低いから大丈夫としています。


~ 記事一部抜粋 ~

赤字転落のスルガ銀、新規貸し出し難しく 厳しい先行き

 有国三知男社長は会見で「かなり保守的に見積もった。(シェアハウス関連は)ほぼフル保全だ」と語った。だがシェアハウス以外の中古1棟マンション向け融資などでも不正が指摘されている。延滞率が低いことなどから「影響はかなり限定的ではないか」

(2018年11月15日朝日新聞記事より)

~ ここまで ~

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果たして本当に大丈夫なのでしょうか・・・。


次回は、スルガ銀行の決算より、
「貸倒引当金」の中身を見ていきます。

(つづく)


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