【マンガ感想】夕凪の街 | トリュフ・ラボ-アクマで4コマ-

トリュフ・ラボ-アクマで4コマ-

イラスト描き、マンガ描きが趣味のトリュフのブログ。

こんばんは!

今回は公式ジャンル対応記事をアップします。

 

このブログはアメブロ公式ジャンル「アニメ・マンガ好き」に登録しています。

 

 おっと、今は「アニメ・マンガレビュー」ってジャンル名に変わったんです。

 と言っても、このジャンルに求められるテーマは変わりません。

 

 

 今回ご紹介する本は

 

「夕凪の街 桜の国」

著者:こうの史代

出版:双葉社

※A5版と文庫版があります。いずれも現在も入手しやすいと思われます。

 

 当ブログでも度々話題にしている「この世界の片隅に」の、こうの史代さんの作品です。

 「この世界の片隅に」の連載開始(2006年)に遡ること2年、2004年に発行されました。

 

 この作品がなければ「この世界の片隅に」も生まれなかったんじゃないかな?と思っています。

 また私ごとですが、個人的には初見の時の衝撃は「夕凪の街 桜の国」の方が大きかったのです。

 

 この本は「夕凪の街」という作品と「桜の国」という作品で一つの物語となっています。


 この記事では「夕凪の街」を主に話題にします。

 

 

 「夕凪の街」の舞台は昭和30年の広島市。

 皆実(みなみ)という女性が主人公。

 10年前に原子爆弾に被爆しています。

 

 作中では被爆者の心の傷(と簡単に言えるようなものじゃないんですが)、そして原爆症などが描写されます。

 

 

(1)戦争漫画に対する疑問から生まれた作品・・・とのこと

 

 こうの史代さんの作品をより知るために、よい本があります。

 「平凡倶楽部(平凡社刊)」という書籍でして、こうの史代さんの手によるエッセイ集です。

 と言っても、ただのエッセイ集ではなくて、こうの史代さんの非凡な才能と発想がこれでもかと詰め込まれています。

 

 この「平凡倶楽部」で、こうのさんが「夕凪の街 桜の国」について述べているのですが、いわゆる「戦争漫画」に対して疑問を呈していた、とのことです。

 そして、その疑問に対する答えを丁寧に探っていったのでしょう。

 主人公の一部のセリフからは諦観を伴った自己否定とか、呪詛ともとれるような感情を感じました。

 

 

(2)答えが、次の疑問を生み、次の答えを考えさせる

 

 前述の「平凡倶楽部」によれば、こうのさんは「夕凪の街 桜の国」が「戦争もの」、「反戦もの」として予想外に評価されたことに驚いたと述べているのですが、そのくだりには、どことなくその評価を不本意とするような雰囲気も感じました。

 

 また、これは想像なのですが日に影に賛否両論の反響があり、作り手も、いろいろと思うところがあったのではないか?と感じています。

 

 その不本意あるいは賛否両論の反響に対する、さらなる答えが「この世界の片隅に」に連なっている・・・そのように感じます。

 

 

 ・・・ここで手前味噌な話題をしてしまって恐縮ですが、僕個人もまた、世の中で話題になった作品を賞賛し、あるいは疑問も感じ、それらに刺激を受けて作品を作っております。

 僕も僕なりの答えを探し、それを世の中に問いたい、そして次の答えが返ってくることに期待したい・・・って感じです。

 

 昨年、こうの史代さんと、おざわゆきさんのトークイベントを拝見したのですが、その際に、こうのさんは「戦争漫画」を描くことに是非挑戦してみて下さい「何かが変わりますよ」ということをおっしゃっていました。

 この言葉は僕の励みですし、自信のようなものを与えてくれています。

 

 

<関連記事>

・【マンガ感想】この世界の片隅に(1)

 

・おざわゆき、こうの史代トークイベント「『はだしのゲン』をたのしむ」

 

 

 
にほんブログ村 
ランキングに参加しています、ぜひクリックをお願いします!!