井上富雄 2024.05.02 祐天寺FJ's | triste1980のブログ

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好きな音楽や行ったライブについて書いてます。

それでは5/2に祐天寺FJ'sまで井上富雄さんの弾き語りライブを見に行ってきたので、いつものように感想等書いておきたい。

この日は井上さんが定期的に行っているPEACEVILLE という弾き語りライブのシリーズのVOL.12。
またこの日は"TROPICAL DUST NIGHT"と銘打たれ、4/5の下北沢BAR?CCOでの"FOLKY MOON NIGHT"と二ヶ月連続となる企画ライブということで、1回目も良かったのでこの日も楽しみにしていた。
さらに直前の井上さんのSNSで、「このライブのためにガットギター買いました。ライブはこのギター一本でやります」や「急きょパーカッションの西岡ヒデロー君の参加が決まりました」といったアナウンスが流され、期待は高まるばかり。
開場時刻には間に合わなかったが、それでもなんとか前から1列目のポジションを確保し、開演を待つ。

開演時刻ちょうどくらいに井上さんと西岡ヒデローさんが登場。この日は二人とも黒のスーツ姿で、すごいスタイリッシュでかっこいい。
1曲目は「BACK TO THE SUNSHINE」だった。

井上さんのガットギターはいつものアコギとは奏法を変えていて全部指弾き。なるほど。ガットギターだとそういう奏法になるのか、とギターに詳しくない私には目からウロコ。そこにパーカッションで西岡さんが加わると一気にリズミックかつムーディーな雰囲気になり、すごいいい感じ。

その後ブルートニックの「PARADISE」「ORANGE FLOWER」をやってくれて感激。また「PARADISE」では、ネタ元はジャック・ケルアックの「路上」で、その主人公の名前がサル・パラダイスで歌詞にも「路上」が出てくる、なんてネタばらしがご本人から聞けたのも嬉しかった。「当時は誰も突っ込んでくれなかったけど、30何年ぶりに自分から話せた」とのこと。

この後曲は「土曜の夜と日曜の朝」「虹のかけら」と続き、「ACROSS THE CITY」では「この曲はサブタイトルを年ごとに変えてるんだけど、今日は先日やった時とまたアレンジ変えたので2024 Ver.2になります」と言っていて、井上さんのこだわりが窺えて面白かった。
その後「あの丘の上」をやって第1部終了。約45分くらいでした。

それで、いつもなら1部終了後井上さんはステージから引っ込むのだが、「前回ここでやったRolling Peddler Tourで安齋肇さんが1部と2部の間の休憩時間中ずっとここで飲んで喋っていたのが面白かったので」ということで、井上さんと西岡さんはステージに残ったままでトークタイムとなる。
これがまた面白かった。井上さんのMCはいつも面白いが、この日は西岡さんという聞き手というか相方がいてくれたおかげで井上さんも一層饒舌になり、ここでは書けないことも含めいろいろ話してくれたのだが、それがまた面白かった。

その中で書いてもよさそうな話としては、ルースターズのシングルのサブスク解禁に合わせてインタビューを受けたそうで、「ガールフレンドのシングルヴァージョンのアレンジはゴダイゴのタケカワユキヒデ氏」というのが非常に興味深かった。「メンバーの中でも俺しか憶えてないんじゃないか」とのことだが、アルバムヴァージョンとシングルヴァージョンで大きく違うのはそういう訳だったのか、というルースターズの謎の一つに答えが得られためちゃくちゃ貴重な情報でした。
また「よくルースターズからブルートニックというと振り幅が広いと言われるけど、それは初期と比べるからであって、中期頃と比べると自分の中でそんな離れている訳ではない」というのが興味深かった。
確かに「DIS」あたりのサウンドとブルートニックのサウンドはそれほど離れていないと思う。
それと「細野(晴臣)さんは信頼している数少ないミュージシャン」という話もあり、ブルートニックがテイチクのノンスタンダードからデビューしたのもそのへんが要因だったのかも、と思う。

それで休憩時間を15分くらいはさんで2部開始。2部は私の大好きな「夜間飛行」からスタート。ここからやはり大好きな「澄んだ冬空の日も」に続けてくれたのがまた嬉しかった。
その後「Let's go to the other side」では実家の檀家の坊さんの話になり、そこから話が飛んで「現代語訳の般若心経のラップが面白い」という話になるなど、井上さんのMCが冴えまくっていて面白かった。また西岡さんが聴き上手なんだ。

そこから「羊歯の葉の裏」「Silky sky blue night」と続くが、曲が終わった後「今カポ付けて演奏したんだけど、この曲実はカポつけない方がイントロは簡単。でもそうするとサビが大変になる」というのを実演しながら説明してくれたのも嬉しかった。

その後「蜃気楼の彼方」に続けて私の大好きな「赤茶けた街の太陽」をやってくれたのだが、かなりアレンジを変えていて驚いた。このアレンジもまた良し。
最後に「シーラカンスの憂鬱」をやって2部終了。2部は50分くらいだっただろうか。

その後「今日は(ステージから)はけないんで」と言って残ったままで、アンコールの拍手にこたえて「Diamond Planet」をやってくれてライブ終了。
という訳で休憩のトークタイム含めて約2時間の素晴らしいライブでした。面白かったMCのことばかり書いてしまったが、もちろん演奏も素晴らしく、西岡さんのパーカッションもすごい良かった。スーツできめた衣装のとおり、アダルトでスタイリッシュな演奏でした。曲もギターの奏法に合わせてかアレンジ変えてきた曲も多く、井上さんの本気度が伝わってきた。

また西岡さんは檜原村に引っ越されたそうで、「猫放し飼いにしてる」「天気が良い日は外でご飯食べてる」という話のくだりが面白く、ライブ終了後に片付けで戻られた時にいろいろ詳しい話をお伺いし、一緒に写真も撮っていただいた。ありがとうございます>西岡さん。
また井上さんもライブ終了後にサイン会を開いてくださり、私もTシャツと1stソロを買って1stソロにサインいただいた(このCDは1枚しか持ってなかったので)。
また残ってくれた人からアコギとガットギターの違いについて質問を受けた際にわざわざギターを持ってきて説明してくれたり、ついでに「禁じられた遊び」を弾いたりしてくれた。ありがとうございます>井上さん。

次回の井上さんのライブは5/24の双子玉川ジェミニシアターでのバンドセットでのFlat Jam #4となる。同じメンバーで1/21にやっていて、そのライブもすごく良かったが、井上さんがMCで「前回よりもっとジャムっぽくやりたい」と言っていたので、期待は膨らむばかり。次回も楽しみにしていますよ。


井上富雄 2024.05.02 祐天寺FJ's
(GUEST=西岡ヒデロー)
(第1部)
01.BACK TO THE SUNSHINE
02.PARADISE
03.ORANGE FLOWER
04.土曜の夜と日曜の朝
05.虹のかけら
06.ACROSS THE CITY 2024 Vre.2
07.あの丘の上
(第2部)
08.夜間飛行
09.澄んだ冬空の日も
10.Let's go to the other side
11.羊歯の葉の裏
12.Silky sky blue night
13.蜃気楼の彼方
14.赤茶けた街の太陽
15.シーラカンスの憂鬱
(アンコール)
16.Diamond Planet