添加剤は目的別に選ぶ

毎月出店しているエクスチェンジマートでは様々な質問を受ける事があります。

以前、マジ軽ナットファミリー(ヘビーユーザー)の Hさんとオイルの話になり、私が使っているオイル Kendall(ケンドル)をお勧めしたところ、早速購入。「オイル交換をしたら、エンジン音が静かになりました」と喜ばれました。

2月のエクスチェンジマートで初来店された Nさんが、愛車のCD90にマジ軽ナット+ミッション用マジ軽ボルトダウンを、ものは試しと取り付けたら、私の説明通りいい走りとシフトフィーリングが格段に向上。

4月に再来店され、インシュレーター用とシリンダーヘッド用のマジ軽ボルトを追加購入されました。その話の中でオイルについての知識をお伝えしました。整備の知識がある人はオイルや添加剤にも興味があるはず。ただ単にどの添加剤が良いかという話ではなく、掘り下げてみたいと思います。

エンジン付きの乗り物には必ずオイルが使われています。オイルは潤滑、冷却しながら摺動抵抗を減らし、汚れを取って部品の寿命を延ばします。「俺はエンジンオイルは交換しない派」と自慢している人がいましたが、問題外ですね。

人間で言えば血液ですから、とても重要。定期的に交換するだけで日本のエンジンならかなり長持ちします。更にオイルに機能を付加するのが添加剤になります。

添加剤の効果を認識したのは学生の時。大手自動車用品店でバイトをしていたら、オイル交換とフロンティアという名前だったかな、ロータリーの雨宮氏を宣伝に使っていたテフロン系の添加剤だったと思いますが、ピットでやっているのを見ていました。

オイル交換をし、その添加剤を注入すると明らかにエンジン音が静かになりました。

「おお、静かになったぞ、効果があるんだ」と感心しました。

なぜ静かになるかと言えば、様々な部品の摺動・摩擦抵抗が減る=少ない力で滑らかに動くからです。理屈から言えば、それでアクセルのツキが良くなったり、吹け上がりが良くなったり振動が減ったりするはずです。どこかで聞いたような効果ですが、要はフリクションロスが減った訳です。

この効果を目の当たりにして、ミッションの摺動抵抗を減らそうと、その添加剤を早速オートバイに入れました。当時は2ストローク車の湿式クラッチです。そうしたら、クラッチが滑っちゃった。当時はまだ知識が浅く、少し位なら滑らないだろうと思ったのですが、甘かった。クラッチを全バラして洗浄、フリクションプレートは交換となりました。(笑)

その後テストドライバーとなりましたが、自動車メーカーでは添加剤のテストはしません。ディーラーでは、製造元のデータを貰って販売しているはずです。

自分の経験に基づく基本知識とお勧めの添加剤と注意点を書きたいと思います。

まずなぜ添加剤を入れるかという基本中の基ですが、前述の通りフリクションロスを減らして部品の寿命を延ばす、性能を向上させる目的、劣化したゴム部品のシーリングを取り戻してオイルリークを防止する、エンジン内に付着したカーボンやスラッジを溶かして減らす等の目的があります。複合的な目的の物もあります。

中には効果が懐疑的な物も存在します。

まず、基本は定期的なオイル交換です。オイルについてはRED LINEのような高価なオイルもありますが、一般の方のサイフで賄える程度にします。

私はエンジンオイルの交換で車の場合は3,000km、オートバイは1,000kmを目安にオイル交換をしています。添加剤はもちろんその時に入れます。どの説明書にも「オイル交換と同時に入れて下さい」と書いてあるはずです。例外は2ストロークの分離給油位でしょう。

ちなみに、メーカー指定で交換時期”1万キロごと”などと書いてある車が増えましたが、私はそれを良しとはみません。一般的なオイル(メーカー純正のような)ならば、もっと短いスパンで交換するべきという考えです。

近年の低燃費エンジンはフリクションロスを減らして燃費を改善しようと、0W-15とかのオイルが指定となっている車が多い。このようなオイルには粘度が低く潤滑を補うために様々な添加剤が混合されています。エンジンオイルを抜くと水のような粘度のオイルが出て来ます。

潤滑を保つ為に特にスポーツ志向のエンジンは粘度の高いオイルが指定。もちろん暖気してから乗るのですが、今の世の中では暖気は悪とみなされてしまっています。

私は必ず暖気してから乗ります。ピストンがちゃんと膨張してから乗るのは当たり前ですよね。

前の車に使っていたオイルシーリング材(漏れ止め)はピットワークのNC81。評価が高いNUTEC NC-81 PlusのOEMと聞いています。オイル漏れはしていませんが、転ばぬ先の杖として入れていました。

先日友人から聞かれ、私なりの意見をお伝えしました。国産車ならば、おおよそ8万㎞位まで、年式なら7~8年落ち位までは添加剤は入れなくても大丈夫。ただし、適正なオイル管理をしているのが条件です。

フリクションロスを減らしたい、シビアコンディションの使用条件ならばシーリング材入りでなく、摩擦を減らす目的の添加剤でまずはOK。この位までならば、国産エンジンであればオイル漏れの症状はまず出ません。

もっと距離や経年が進むとオイル漏れや部品の摩耗も考慮に入れます。漏れやすいのは負荷がかかり、ベルトを回すクランクプーリー、クラッチやトルコンを回すクランク後部、位置的に低い事もあり漏れやすいポイントです。それから、カムシャフトのオイルシールも結構漏れが多い所です。

違う原因で漏れが発生した対策ではダウンを使いました。詳しくは以前書いた記事ダウンをお読み下さい。NC81でも良かったのかも知れませんが、良い噂を聞いていたPLUS91を使ってみたかったのです。

 

知らない人は静電気なんてフリクションロスに影響する筈ないと思うでしょうが、悪影響は結構あります。部品の動きの抵抗になる要因はいくつもありますが、そのうちの一つである静電気を除電する事で、フリクションロスが減って動きが良くなる。

動きが良くなるから効率が良くなり、部品が長持ちする、良い添加剤を入れるのと似ていますね。

実際にタイヤ∔ミッションを除電して、カブのミッションの動きが良くなった生インプレッションも記事ダウンで書いています。ご本人から感謝されてこちらも嬉しく思います。

マジ軽ナットのご注文はネットショップでどうぞ。オートバイならタイヤ∔ミッション(チェンジペダル)∔チェーンも除電すると相乗作用で効果が大きい。パワーロスが減ってスムースに走れます。

特注のマジ軽ナット・ボルトを付けると「オイル交換したばかりのようになった」という報告もよくあります。それはまた後で書きます。