10年前の話です。
私は、60歳台のすい臓がんの男性患者さんを担当していました。手術不能で、緩和治療をしていました。
痛みもあり、モルヒネも使用中です。
もう長くはない状況でした。
そんな時 初孫が産まれることになりました。
遠方での出産のため そちらに向かいたいという希望があり、かなり危険ありましたが、
行って頂きました。
無事帰ってきて、すぐに病状が急に悪化し
患者さんが、最後に日本酒を一杯やりたいと
希望あったので、入院中に飲酒は基本ダメですが、特別に許可しました。
その時の患者さんの表情が印象的でした。
お孫さんの顔も見れた満足感と
人生が終わるさみしさ そんないろんな感情がいりまじったお顔をなさっていました。
それから、数日後に亡くなられました。
あの表情は、忘れないです。