私は 老人病院に勤務していた時の話です。
80歳後半の男性が転院してきました。
老衰です。もう 自分で食べられず 胃ろうもしない方針のため
点滴で経過をみて 看取る方針です。意識ももうろうとしています。
その方には 息子さんがいました。
息子さんは、ほぼ毎日見舞いにいらっしゃいました。
息子さんは 話しかけるわけでもなく じっと 患者さんを見つめ
そして 帰っていきます。
そのまなざしが 何というか 本当に穏やかなのです。
患者さんをみつめながら お元気だった時の思い出にでも
ひたっているのでしょうか。 感謝を心の中でしているのでしょうか。
息子さんに伺ったことはないので 実際どんなことを考えていたのかは
わかりませんが。。
でも直観なのですが、 患者さん ご本人 ともに言葉を使わないで
何かを交換しあっていたのではないかと思います。
看取りとは 本来 見て取る であると何かの本で読んだことあります。
この息子さんが行ったのは まさに 看取り 見取りだったのかもしれないですね。