Don't Worry, Be Happy! -19ページ目

Don't Worry, Be Happy!

この宇宙の神秘、地球の歴史ってどうなっているんだろう。

気が向いたときに、気になったことを書きとめています。

ブルーハート  グリーンハート  ブルーハート  グリーンハート

 

 


「ねえ、マヤちゃん・・・まんマルは、どうして龍になったと思う?」

「たった一人で、退屈だったからよ」

 なんの迷いもなく、少女は即答するのだった。

「そうね、きっと、宇宙だって、一人はつまらないんだよね。
・・・ねえ、あの男の子、本当はマヤちゃんと一緒に粘土したいんじゃない?
一緒にやろうよって、言ってみたら?」

「いいの別に」

「二人で作ったら、また別の宇宙ができるかもしれないよ」



「・・・ねえ、お姉ちゃん。よく覚えておいて。
ひっくり返っている子は、こっちから誘っても無駄なのよ」

 少女は大人びた表情をする。

「それじゃあ、マヤちゃんは、誘われるのを待っているの?」

「ううん、ぜんぜん違う。ひっくり返っている子の仕組みはこう。
たとえば、自分がやりたいと思っていることを、誰かから誘われたら、絶対に断るの。
それは、100パーセントの確率なのよ。
もし、ひっくり返っている子が、だれかに誘われて、なにかしてたら、
それは、本当はやりたくないことなの」

「随分めんどくさい子ね。最短距離を進めないじゃない?」



「それだけじゃないわ。
ひっくり返っている子は、だれかがいいものをつくれば、破壊しようとするのよ。
だけど、本当にやりたいことを、自分からはやりたいとは絶対に言わない。
だからね、ひっくり返っている子が、本当に粘土をやりたいとしたら、誘っても無駄だし、向こうから誘ってくることも絶対にないの。
以上。これが仕組みよ」

「マヤちゃん、すごい分析力だね。それなら永遠にあの子と一緒に粘土できないじゃない」

 とても幼稚園児の発言とは思えない人間分析力だった。少女は黙々と粘土をやりながら、人間の動きを観察し続けていたのだろう。

 

 

 

 

 

(続く)

 

 

宇宙の羅針盤<上>ー22を超えてゆけ 3ー より

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「・・・わたしは、わたし。わたしは、未来のあなた自身よ」

「そう・・・時計を巻き戻してここにきたわけね」

 全く驚きもせず、さも当たり前のことのように少女は言う。



「マヤちゃんには、どうして、それがわかるの?」

「時計だって正面から見れば時計回りだけれど、裏から時計を見れば反対に回っているから。時間を巻き戻すのって、これと同じ原理を使うのでしょ?」

 少女はどこまでも透明な声を発している。



「ねえ、マヤちゃん、お姉ちゃんも粘土を一緒にやってもいい?」

「いいよ」

 こうして二人は、しばらく一緒に粘土で遊んでいた。教室にいる先生も、子供たちも、未来からやってきたマヤの姿が見えないようだった。しかし、粘土を破壊した少年だけが、未来のマヤのことをジッと見つめいている。逆回転の少年には、未来からきた人が見えるのだろうか?

 時間を逆回転してここに来たのだから、逆回転の少年にはその姿が見えてもおかしくはないのかもしれない。もしかしたら、あの少年も未来の時空から・・・?

 そんな疑問がよぎった瞬間に、少年は慌てて後ろを向くと、奇声を張り上げながら駆けて行ってしまった。

 

 

 

 

 

(続く)

 

 

宇宙の羅針盤<上>ー22を超えてゆけ 3ー より

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「ね・・・見たでしょ。ひっくり返っている子」



「見た見た。でも、マヤちゃん、粘土を壊されて、どうして黙っているの?」

「みんな子供だから仕方ないのよ。そういう年頃なんだから。
それに、また新しい宇宙を作ればいいだけだから」

 少女はどこか大人びた表情を浮かべている。

「ねえ、マヤちゃん、悲しいことがあったら我慢しないで、泣いたって、怒ったっていいんだよ」

「別に、これは悲しいことじゃないから」



「マヤちゃん聞いて。地球で生きていくには、いろんな人と関わらなくてはいけないの。あなたが幼稚園を出てからもずっとそれは続くの。だから、今、この年頃でしかできないことをしようよ」

「わかっている。だからわたしは、粘土をしているの。
だから、幼稚園の二年間は、ずっと粘土をしているって、わたし決めたの。

ひっくり返ってる子は、周りをみんな負のスパイラルに巻き込んでゆく。
大切な人を苦しめてしまう。
きっと、これから先もずっとそう。だって反対まわりなんだから。
きれいなもの、大事なものを壊してしまうでしょ。

でも、壊されても壊されても、またつくればいいの。ただ、それだけのことよ。
だって、ひっくり返っていることに、本人が気づくしか方法はないの。
だれも真実を教えてあげることはできないのよ。
ねえ、大人になるって、ひっくり返っていることに気づくことでしょ?」

 少女のまっすぐな目に射抜かれて、マヤはしばらく言葉を失っていた。

「ねえ、お姉ちゃんはひっくり返っていることに気づいている?
あなたはだれ?」


 

 

 

 

 

(続く)

 

 

宇宙の羅針盤<上>ー22を超えてゆけ 3ー より