「Death of a Samurai」感想 | 未来に向かって ~旅立ちの朝~

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ゲキバカ

「Death of a Samurai」


先日、Aチームの千秋楽を観てきました。

水原さん、今回のお目当て。

観るのは半年振りになっちゃいましたが、

水原欲とでもいう?すっかり空腹になっていたものを、

一気におナカパンパンにしてくれてしまいました。

こういう役柄、今の水原さんには絶好なのではないかなあ。



この脚本は元々は外国でやるための作品だったそうで、

言葉が分からないということがないように?

セリフなどとても少なくて脚本が17ページしかないのだとか。

それを、ゲキバカの柿ノ木さんが、少し書きくわえたそうです。


すごく楽しくて笑えたのですけれど、

それ以上にもう、なんかもう、

心の持って行き場が分からなくなるくらい、

切なくて悲しくて、

何度も観るのはとてもダメだー!!!

と思えてしまうような作品でした。

素晴らしいのですけど素晴らし過ぎて辛い><

まあそれでも何度かやっぱり観たかったですが(笑)



お話自体はシンプルで時間も短く、

人物とかお話の掘り下げはあまり多くはない感じ。

多くは語られません。

だから深く考えずに目の前に見えるものだけを受け止めて、

そしてその要素だけでそれはもうコテンパンになれました。

この舞台でキャスト陣が表現してくれたものはあまりに素晴らしく、

楽しくてそして、切なすぎました。


それと、お話が深くないからこそ、

描かれるエピソードが短くシンプルだからこそ、

心へのダメージがこの程度で済んでいるのかもしれない。

これを、あのキャスト陣の力量で、深く、描かれていたら、


目と鼻から流れ出る液体で呼吸できなくなって

客席で窒息したかも知れん!!



そんな舞台でした。




○おはなしのあらすじ


主人公は、木の股から生まれたという、キノコ。

彼女の唇にキスをしたものは永遠の命を得ることができ、

しかし代わりに彼女は死んでしまう。

そんな彼女を守る使命を持つ人狼のヨサク。

2人は何だか親子のような間柄。


そしてキノコの唇を狙って襲い来る3人の者たちと、

キノコが森で出会い仲良くなった妖怪ミツメ。


キノコを中心に、

襲い来る3人と、守るヨサクと、

付いて回るミツメと、、

血で血を洗うようなお話・・・・と思いきや


無邪気でとにかく明るいキノコの人柄のため?

不思議と皆がどこか、真剣に命を奪うことをためらうような、

そんな展開になっていきます。

互いの戦いもそうであるだけでなく、

キノコのことも、捕えても殺さずキスせず、

他のライバルからキノコを連れて一緒に逃げるなど。

またこのような展開になるには妖怪ミツメの力の影響も?

額の3つめの目から流れる涙をシャボン玉にして吹きかけると、

吹きかけられた相手は、最初に目にしたものに恋をしてしまう…。

仲良くなったキノコを守ろうと使ったこの力、

そのために生まれる、

・ジャキはイズナに恋をして

・イズナはキリヒトに恋をして

という図式と、

さらにキリヒトは、無邪気なキノコに対して非情になれず、

キノコもキノコで、キリヒトに対してどこか惹かれて???

といったように、戦いながらも奇妙な交流が生まれて行きます。


# まあそもそも戦いが、すごい殺陣にもかかわらず、

# コミカルでとてもおもしろくなっている部分が多いのもあるかもです。



そしてヨサクとミツメも仲良しに。

ミツメはどうやら額の目を気持ち悪がられていじめられ、

いつも涙を流してはそれを術の源のように持っていた感じ?

ところがキノコとヨサクだけはその目がカッコイイと言う。

だから2人とは仲良くなるのですが、

さらにヨサクは、友達になると言ったことで、

それはミツメにとって初めてできた友達になるのです。

気持ちの出し方を上手く出来なかったミツメに、

初めて良い笑い方を教えたのもヨサクでした。



ところが、それでも争いは続いてしまいました。

一方通行が重なる恋の話は、かわいさ余って憎さ百倍?

手に入らないのならいっそ自分の手でその命を…となり、

再び4者の巴戦は激化していきます。


キノコを連れて逃げるキリヒトと、それを追う他の皆。

イズナとジャキは、キリヒトとの戦いで命を落とします。

さらにキノコを助けようと追って来たヨサクとミツメでしたが、

キノコは何と、助けるヨサクの手を拒み、

イズナ達との戦いで重傷を負ったキリヒトを助けて逃げ出します。


キリヒトは死に瀕していながら、

永遠の命・・・キノコにキスしようともせずに、

死を受け入れるかのようにヨサクの元に戻るように告げます。

キスをすればキノコが死んでしまうから。


そこに2人を探して追ってきたミツメが…

キリヒトを責めるミツメ、

そのミツメをキリヒトは斬ってしまいます。


倒れ、残されたミツメを、遅れてやってきたヨサクが見つけます。

友達になったミツメを殺され怒り狂うヨサクは、キリヒトを追います。


そして出会った2人は戦いへ。

激しく怒るヨサクからキリヒトを守ろうとしたキノコが2人の間に…

ヨサクの武器は、キノコを貫いてしまいました。。。

嘆き悲しむヨサクと、怒るキリヒト。

2人はボロボロになるまで戦い続け、そして共に斃れてしまいました。



皆が倒れた中、、キノコが意識を取り戻します。

その目の前でヨサクは亡くなり、

そして泣きながらキリヒトを援け起こしたキノコは、

その唇にキスをします。

永遠の命を手に入れたキリヒトは蘇りますが、

彼の目の前で、微笑んだキノコは、そのまま息を引き取るのでした…




と、なんとか書いてみたものの

クライマックスはかなり視界がボヤケていたもので←

シーン描写はどこまで正確だったか若干あやしいですはい、申し訳。




○ここから感想


この作品を観て自分にとって大きかったポイントは、

キノコとミツメの、変化、でしょうか。

どの登場人物も心の変化があってそれもすごく良いですが、

特筆がこの2人ですかね。

その変化をもたらしたストーリーもですし、

もちろんその変化自体の表現もですね。

お話もキャストさんもすごいってことですね結局。


まず、ミツメ。

なんか変な子です。

そしてとっても弱そうです。

確実に戦闘タイプじゃないしw、心も弱い。

いじめられて泣いてて、涙を胸に下げた筒に溜めていて。

でもその涙をシャボン玉で吹きかけると、

その相手は最初に目にした人物に恋をする、

そんな妖怪のすごい力を持ってますけどもね。


でもとにかく、変な子です。

それが、キノコやヨサクとの出会いによって、変わっていく。

目がカッコイイって言われて喜んだり、

なんかネガティブなこと言われると悲しんだり泣いたり。

泣いてるのは好きじゃないから笑おうって、

キノコやヨサクに言われたりして。


そしてヨサクと友達になる。

そのヨサクの言葉で、変な笑い方しかできなかったのが、

ちゃんと笑えるようになる。

変な笑い方…気持ち悪っ!!とさんざん、

キノコやヨサクにいじられるその笑い方。

笑うのもいじるのも、その場その場では、

客席の大きな笑いに繋がるものです。

それを何度も見せられることで印象は刻まれますが、、、

そのミツメが、ヨサクの言葉によって、

普通に笑うことができるようになる・・・


この変化がすごく胸打つのですよね~><

いじめられっこで笑ったりとかきっとあんまりできない?

もしかしたら笑い方気持ち悪いから余計いじめられてた?

そういう背景があったんじゃないか…

でも、大きな優しさを持つヨサクによって、変わることができた!


しかも、その笑顔も笑い声も、すっごく良かったんです。

一緒に笑い合うヨサクもすっごく良かったんです。

ミツメ、良かったね、ってとても思えるような姿。

この変化がすごくいい。


なのに、キリヒトによって、命を失ってしまう。

ここの変化もまたもう悲し過ぎる上に、

ミツメを亡くしたヨサクの怒りへの共感なのか何なのか、

その怒りはものすごく納得できる!そんな感じ。

あんなに楽しそうに笑うことができるようになれたのに!!

その命を奪ってしまうなんて!!!!とね。



そして、キノコ。

とにかく無垢で無邪気で純粋まっすぐな子。

笑って、父ちゃんにいたずらして、エネルギーいっぱい。

襲われてもその相手の心までおどおどさせちゃうような、

なんかこう真っ直ぐどーんと気持ちがぶつかって来るような子。

劇中、キノコが「ボンバー!!」って、なんか技出しますがw

そのボンバーが本当に観客の心にどかーんとまっすぐ直撃した?

そんな魅力を持った子でした。


奔放で、極めて良く動く顔と、全身で常に動くような、あらゆる挙動。

それをおおき~~~く受け止めるようなあったかい父ちゃんがいて、

そんな魅力にどこか惹かれて行く敵?たちがいて、

そんな彼らの姿もまた、キノコの姿と一緒になって、

観ているこちらの心を打つのですね。


キリヒトにつかまって押し倒されてキスされそうになって、

全力で泣くキノコ。

戸惑って離れるキリヒト。

しめしめとばかりに逃げ出そうとするキノコ(狡猾か!ww)

気付いてまた襲うキリヒト。

全力で泣くキノコ…以下無限ループw

こんなのとか、

いろいろやり取りを経て、

キノコの姿に思わず笑みをこぼしてしまうキリヒト。

ずっっっとクールに、何なら怖く、引き締めているキリヒトが、

一瞬見せた、気持ちの紐を緩めた笑顔。

この笑顔が反則志村さん反則←

キノコによって変わる皆の姿を見てこちらの気持ちも変わる。


で、そんなキノコの良い方向の表情がね、

最後には、良くない方の表情に、悲しいとかのネガティブな方の…

変わって行ってしまうのです。

命を奪い合うヨサクとキリヒトの間で心を痛める姿。

みんなで一緒に仲良くしていたいと願う姿。


こういう変化がとてもとても大きかったのでした。


今流行の某映画にあるセリフじゃないんだけどさ、

気持ちを、出してる、のではなくて、出てるって感じ。

顔のパーツのひとつひとつから、

頭のてっぺんから、手の、足の、先まで、

キノコの気持ちそのものの人物がそこにいた感じ。

ま~~~っすぐに気持ちがぶつかってきました。




開演前にね、ざっくりあらすじを理解したとき、

この話、やばいな・・・最後絶対号泣パターンだろ・・・

とそれはもう嫌な予感(褒め言葉)しかありませんでしたが、

予感はすっかり的中でした・・・泣けたなあ><


キノコ、ヨサク、ミツメ、キリヒト、

それぞれの行動に、泣かされる要素が詰まりまくっていました。

イズナとジャキは、泣き要素は自分はなかったものの、

コミカルさと真剣な戦いの魅力で、

彼らの行動に対して大いに影響を与えてくれましたしね。


本当に、出演されていた皆さんが、素晴らしかったです。




笑いというところでもすごかったですけどね。


ジャキにまつわる所はあらゆるものが面白かった!

すごい殺陣を見せて頂いてたのですけどね。

なのに、それを上回る面白さと、

怪しさ…そう怪演と言って良いと思う。

初めて観た方ですが、山咲和也さん、面白かった^^

友人が注目だと教えてくれた通りでした!


それとゲキバカさんだと良くあるかな?

メタ要素と言えば良いのか、

話から離れて観ながら現世に戻ってきてしまうやりとりw


なんすか町長さんってwww

それを素晴らしく楽しくやりきるからやっぱりすごい^^

伊藤さん、そんなにたくさん見たことあるわけじゃないけど、

観るたびに、すごく良いなあっていつも思わされます。

それはおもしろいところだけでなくね。


そして、千秋楽という一番辛いところで、

一番負荷のでかいムチャ振りを叩き込む水原ゆき!

オニだ!!!wwww

咳き込んじゃってる店長とかなんとか…

それに全力で応えた伊藤さんはすごいんだけど、

あれはもう呼吸器系のかなり大変な体調になってるときの咳だ!

伊藤さんあとで大丈夫だったのかなあww




一度しか行けなかったけど、

もう一度行くのはきっと気持ち的にかなり辛いけどw

でもやっぱり観たかったなあ…

今回DVDにはならないそうですからね。


ホントに良い作品を観られました^^

皆さまに感謝ですね!!


カーテンコールで憔悴しきった志村さんの姿もまた印象的で、

皆さま本当にお疲れ様でした!!