赤い迷路
何度見ても、その展開の速さに目が回る。
いや、ま、それはそれでいいとは思うけど、何というか、無理やり感が否めない部分も多々ある。
なんか昭和50年前後のあのもっさりとした感覚が、本当に懐かしい。
ファッションにしても、家電のデザインや色使い、街の喫茶店のあの垢ぬけない野暮ったい感じ。
すべての記憶が、子どもの頃のまんまによみがえらせてくれる。
だからすごくこそばくなるのだ、どことはうまく言い表せないけど。
やはりこれは松田優作と宇津井健のドラマだと思う。
山口百恵はなんか存在感が薄いな。
悪くはないんだけど、端がキャラが立ちすぎていて、なんか気の毒だ。
もっとも、その後の赤いシリーズでの百恵ちゃんはさすがなんだけどね。
中野良子と優作の例のキスシーンは、ドラマラブシーン史上屈指の名シーンだと思う。
あの時のサングラスが取れたときの優作の目とか。
忘れられない。
墓場まで持っていくんだろうな(笑)。
あと、小山明子が早々に退場したのが惜しまれる。
というか、大島渚にパンチを食らわせた野坂昭如を笑いながらいさめたときのあのお姿が懐かしい。
そう考えるとあまり変わっていないな、明子さん!