映画「カムイ外伝」 | 脱腸亭日常 ~MY TESTAMENT of trifling beetle~

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名誉も金も、素晴らしい音楽を作り人々を感動させようという気持ちもない、極めて不心得なアマチュアミュージシャンであり、アマチュアアーチストtrifling beetleの遺書。
HP https://www.music-scene.jp/triflingbeetle/

 

 

降る雪や明治は遠くなりにけり

昭和6年

中村草田男

時代の移り変わりを、自分も切々と感じる今日この頃。

 

 

 

映画「カムイ外伝」の原作は『カムイ外伝〜スガルの島〜編』

 

まず1969年にTVアニメーションとしてオリジナル先行発表されたもの
それを再編集・再構成して仕上げた劇場版アニメ カムイ外伝・月日貝の巻]』も1971年に一般公開。
その後、1982年には『ビッグコミック』で連載開始

ところが、である。2009年に公開された実写版映画は、はっきり言って失敗作である。

マニア以外、ストーリーがわかりにくいうえに、海・鳥・鮫等の自然描写のCGにも違和感があり過ぎる。

ロケ地沖縄、よって画面に南国情緒が介入してもはや“スガルの島”ではな

 

ただ、大後寿々花がカムイに月日貝を渡して告白する場面は鳥肌ものだ。

1969年版アニメでのシーンをうまく再現している。

全裸はいらない。

あの場面はかなりぐっと来た。

それと、カムイが「十文字霞くづし」で不動の両腕を切り落とすシーンもうまくCGを使っている。

 

 

 

 

巻末にある“鼎談”で、白土三平さんが「初めて生身の、本物のカムイと会ったような気がする。」と書いているのは実写版映画を観ての感想ではないという
 

それは、主演の役者が極限状態でのロケ撮影でも頑張って役を演じたという趣旨の話をしたことを受けての、正に“労い”の言葉だったという。

 

この“労い”の言葉が映画の宣伝に“都合良く”使われてしまったという後味の悪さ。

 

ところで、サヤカ役・大後寿々花SAYURI」で子役として、ハリウッドデビューもしているそうだ。

ペットが好きすぎてペット看護士の資格を持っているとか、大学は慶応で、サイバー犯罪対策研究会に所属していたとか、かなり個性的である。

「桐島、...」にも出ていたな。

 

 

なんにしても、大物俳優がたくさん出ているB級映画という評判が高いことに自分も納得。

 

それにしても、佐藤浩市は、意外なところに出ている大物である。

「天然コケッコー」に出ているのを見たときには、ほんまにたまげたけどね。