宅録ミュージシャン3月3日 映画 「旅の重さ」  | 脱腸亭日常 ~MY TESTAMENT of trifling beetle~

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基本毎日更新。名誉も金も、素晴らしい音楽を作り人々を感動させようという気持ちもない、極めて不心得なアマチュアミュージシャンであり、アマチュアアーチストtrifling beetleの遺書。
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川崎で起きた中一の殺害事件は、映画「リリィ・シュシュのすべて」を地で行くような事件で、なんか戦慄を禁じえない。

少年の凶悪犯罪は相当減っているというのが定説だが、その数少ない事件のひとつひとつの持つ「内容の残虐性、凶悪性」が減っているとは、まったく思えない限り。





「旅の重さ」は何度観てもグッと来る映画だ。

人間の業とか、あるいは欲深さ、至らなさ、ダメっぷり、情けなさなんかが満載で、懶惰に耽っている時に観たりすると、背筋がしゃんとするような、情けなさに自己嫌悪するやら(笑)。

音楽がとてもいい。

拓郎の「今日までそして明日から」はフォークながらも見事に「ロック」している。



音楽をバックに(映像をバックにではなく、あえて)流れる国鉄時代の名残の古い電車の横をヒロインが歩いているシーン、ただただ緑深い田園風景のシーン、などは見事な映像美で目の保養になることこの上ない。

昭和50年前後頃には、こういう景色はいたるところにあった気がする。

都市部のやや郊外においてもだ。

その頃は当然であって、あえてそれを特別視していなかっただけなのだろう。

まことに「緑色」って本当に素敵なカラーなのだなと、つくづく思う。

チョイ役で秋吉久美子が出ている。



斉藤耕一監督。

高橋洋子主演。

悪魔の手毬唄で「枡ではかって漏斗で飲まされた」由良の泰っちゃんこと高橋洋子は新人だったが、当時からかなり演技能力が高かったことが散見できる。

しかし多方面で才能溢れて、かつ器用貧乏性だったようで、その後大成することもなく、ひっそりと作家に転身され、現在に至るそうだ。

著作には「雨が好き」「ひとり遊びをときどき」「雨を待ちながら」などがあり、「雨が好き」は映画化されてもいる。

高橋洋子監督脚本主演でだ。

ちなみに歌手としてレコードも出されている。




何度もいうが、この映画のツボはやはり拓郎の音楽と、そして鮮やかな緑を貴重とした映像美なのである。