超高金利書評子、三つ子のキャットシットワンのブログ-03334816.JPG

http://www.bk1.jp/product/03334816

ミツゴ評価 ☆☆☆☆

<書評>正義と正義がぶつかり合う時のお話

「すべての正義は差別を内包する」これはアリストテレスの言葉だ
差別=不公平 と置き換えても構わないだろう
例えばアメリカにはアファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)という言葉がある
これは 白人と有色人種(アフリカ系、南米系等)との格差是正の為 大学入試や公務員試験で有色人種に対して有利にするシステムだ

ここに白人女性のAさんがいたとする
彼女は貧乏だ 働きながら高校を出 大学に進学したいとする
だが 大学入試で良い点数をとっても入学できない、貴方は白人だから有色人種を優先して入学させます、と
彼女は恵まれていない ただ肌が白いだけで寧ろ救済されるべき存在だ

さて、この場合の積極的差別是正措置は正しいだろうか?

まず、正しい という意見
・有色人種が貧しいのは白人による差別や弾圧によるモノ(具体的には奴隷制など)があった
積極的差別是正措置は白人による彼等への償いでもある
・また、大学とは多様な人材を社会へ提供する機関でもある
故に、特定の階層(例えば裕福な白人層)に偏るのではなく 様々な人種や階層を含むのが望ましい

次に間違いという意見
・肌の色は当人の努力ではどうにもならない、ソレによる差別は間違っている
・仮に「祖先の罪」とやらを問うなら、祖先が借金で奴隷になった人間は やはり奴隷なのか?

という事

ポイントは
・学力以外の要素を盛り込む事の是非
→例えば「容姿」なんてカテゴリーがあれば真面目で有能でも人並の容姿の人が蹴られ アイドルしか選ばれないという可能性がある
でも人間の魅力は学力のみでは測れないし、多様な人材が交じり合う事が学生に有意義なのも事実だ

・その要素が先天性がある事の是非
→つまり当人でどうにか出来るかどうか
肌の色や性別 民族なんかはどうにも出来ない
だが言語(例えば英語話せる人優先)なら勉強次第でどうにかなる

さあ どーだ?
答えは各人が持っていればいい
因みに私は是正措置に反対だ
実際にあった話だが 肌の色のおかげで医者になれた人間が、医療ミスを犯したり そのせいで有能な黒人医師にまで「黒人医師は是正措置のお陰で医者になれた」なんて言われるハメになったからだ

高い地位とは高いレベルの責任と能力が要求されるんだ
故に能力は何より重視されるべきでもある
まぁ「能力」の概念が恣意的なのは認める、裕福な家庭出身の弁護士がゲットーの生活に精通しているか?という事だ

もうちょい書くか
貴方は様々な顔(ペルソナ)を持つ
人間であり、日本人であり、○○市民であり △△会社の××課の社員であり、□□家の一員である
いや 場合に因っては○○教の信者であったり、××サークルのメンバーや△△のファンクラブ会員だったりもする

この中で正義と正義が対立したらどうだろうか
例えば貴方の家では悪魔崇拝が行われたとする
別にヤハウェでもルシファーでも構わないが まぁ子供をいけにえに捧げていたとする(ヤハウェも子供をいけにえを要求したことがある)
日本国憲法は宗教活動の外部性は認めていない、つまり「儀式だから」といって反社会的行為(例えばいけにえや殺人等)は認められないんだ(さもなきゃ、サリンを撒くのが儀式です、なんて連中が出て来る)

さて「家族の1員」と「日本国民」 貴方はどちらをとるかな?

ふざけている?でもね 世の中にはトンデモな家庭はいっぱいあるんだよ

1つの解は「より関係の近い方を優先する」ということがある
例えば募金をする時 遠いアフリカではなく近くの東北にするでしょ?
だが 例えば悪魔崇拝者の家族を選べば警察との摩擦は避けられない へたすりゃ仲良くム所暮らしだ
それは家族というコミュニティには幸福だろうか?

まぁそういう話
まぁ東電ネタ
一応 ウチも株主なんで1言あってもいいよね?

まずは賠償問題
具体的にどれだけになるかはわからない
が なるべく国の存在をちらつかせるでしょう

というのも 東電は莫大な負債がある、社債だけで5兆円だ
つまり毎年莫大な金利を払っている訳だ、営業利益の3割から5割と記憶している
なぜ 債務がデカいかといえば装置産業だから つまり多量の資産があるから その分負債も大きい
でも会社が廻っていた理由は 1)安定した利益 それもキャッシュフローがあったから 2)1)のおかげで高い信用と安い金利でお金が借りられた からなんだ

今回の震災は2)について壊滅的な打撃を与えた
莫大な賠償金がさらに拍車をかけるだろう
つまりだ 東電の支払い金利が激増する可能性が高い
具体的には まぁいろいろあるだろうが ロール(借換)時にリスクプレミアムが要求されるだろう
ソレがさらに東電の経営を圧迫する・・・・ここに負のスパイラルが発生する余地がある

結果 国が1枚かむ事でなんとかリスクプレミアムを抑えたい と動くだろう

次に株の話
ウチも弱小ながら東電株を持っている
実は電力会社の株式配当は 定額配当が売りなんだ
つまり額面の○%、ってやり方
余程の事がない限り 配当は同じ
配当が安定している から高齢者に人気の商品なのでもある、高齢者にとり配当が第2の年金なんだ
確か配当利回りが税引後で2%と記憶している
2000万円持っていれば 年間40万円程か、定期預金や国債より余程美味しい
多分証券マンもそういう切り口で売っていたと思う 学生時代に就活した某証券会社も 東電株(とJR西日本の株)を組み込んだ金融商品売っていたな

まぁソレが吹っ飛んだ 高齢者達からすれば 年金が吹っ飛んだようなモノだな
株も値下がりしまくりだし、おそらく株主訴訟に発展すると思うよ
ターゲットは東電並びに取締役会、取締役員達は報酬カットとか言っているが 場合によっては身ぐるみ剥がされる訳だな
そもそも 報酬がある事自体がおかしいんだよ 役員報酬とは利益処分と言う性格がある、つまり生み出した利益に対する成功報酬だ(だから利益を上げることが役員の収入に繋がるし、役員のヘマによる利益ダウンが役員の収入へと跳ね返る)

まぁ もう少し落ち着けば 社会福祉の問題がクローズアップされると思う
ひょっとしたら金商法なんか緩い時代に株買った人から「絶対下がらないと聞いて買ったんだぞー」的な怨嗟の声が吹き出すかもしれない

賠償問題に対して送電インフラの売却等で賄うという話もある
だが 誰が買うんだろうか?そもそも誰かのモノになるという事は東電の独占的な使用を認めない となる
特に国の資産になれば「国有資産を1企業が独占する事の是非」となる(賠償金捻出の為、と特例としてあるかも知れないが)
つまり他企業への参入を認めれば、独占が崩れ東電的には経営が苦しくなる
何故なら東電には賠償金という重しがあるから電気料金を負ける訳には行かないんだな

最終的には国がケツを持つと思うよ、まぁ例えば政策銀が優先株の購入とか
財投債バカバカ発行するとか

そしたら参入他企業から「民業圧迫」とか来るだろう
では参入を認めない といえば難しい
リスクマネジメント的には1企業へのインフラ依存のまずさを露見させたようなモノだ

結論 これから魔女の釜をひっくり返したような騒ぎになるだろう
まぁエッセイなんで
超高金利書評子、三つ子のキャットシットワンのブログ-03226371.JPG

http://www.bk1.jp/product/03226371

ミツゴ評価 ☆☆☆☆☆

<書評>パンツを質に入れてでも読め!

詳しい内容はウィキペディアにあるよ

断トツに面白い、なんでだろう?
読み出したら止まらなくなります、テンポがいい 毎月読むのが楽しみだ、いい意味でムダがないんでスゥーと頭に入っていきます、ダレません
ここは手放しに褒めたいと思っています

話の筋は バルトライン帝国という大国の脅威に晒されているトルキエ将国の若き将軍(パシャ、軍人兼高級官僚)のマフムートが 様々な試練を経て経験をつみ バルトラインの陰謀に立ち向かう というモノ

圧倒的な面白さ!

おそらく 本書の魅力はその世界観にあると思う
バルトラインにしても悪の帝国 という訳ではなく 経済的な構造から侵略による拡大を余儀なくされていたり、かなり練り込まれています

普通は世界観を見せるには 作品に情報量を持たせる
つまり 台詞が多くなる傾向がある、結果ダレる

アルタイルは台詞ではなく 構図で読ませる つまり絵による情報提供だ
作者のカトウコトノさんは新人だそうだが 新人とは思えない華麗で美麗 かつ 丁寧な絵を描く
その絵をもって 魅力的な世界観を流し込む・・・・・たまんねーな ちきしょー!

出来れば古書店で買わないで欲しい 作者は金銭を受け取るに十分以上の働きをしている
とにかく読め
超高金利書評子、三つ子のキャットシットワンのブログ-ttt112.JPG

言葉は概念を表す
言葉をしれば概念を知り 理解を助けるだろう

アンサイクロペディア風だ、気楽にやろう
超高金利書評子、三つ子のキャットシットワンのブログ-01702891.JPG

http://www.bk1.jp/product/01702891

ミツゴ評価 ☆☆☆☆

<書評>現代人への遺言状

現在 今まで語られなかった 戦争中の出来事が語られ始めている
戦争を「記憶」として知っている人達にとり ここ数年が最後の機会になるだろう
やがて 誰もあの戦争(太平洋戦争でも大東亜戦争でも15年戦争でも構わない)を記憶しなくなるだろう、あるのは「記録」だけだ

時代が代わり語り部達も確実にいなくなる コレは仕方ない事だ
本書は戦前、特に大正・昭和を生きた都市部インテリ層の数少ない語り部が現代人に宛てた遺言状だと私には写った

さて本書には、「戦前は真っ暗だったのは大嘘、実際はラジオや映画、洋食にカフェ、テレビ以外は現代の娯楽はたいていあった」とある
コレを見て 戦前は素晴らしい、というのは早計である
何故なら その恩恵にあやかれたのは一部の都市中間層だけだからである
戦前は現代の中国なぞ比較にならない程の格差社会だ、ジニ係数が0.573とかあった
農村じゃ白米を食べられるのは祭の時だけ 普段は麦飯、飢饉になれば娘売りが多発する世界だ
その辺を勘違いすると、こんな風になるhttp://www21.tok2.com/home/tokorozawa/faq/faq08n03.html#was-rich

さて私は「戦前に既にテレビ以外の現代の娯楽が既にあった」と書いた
だが1つ 現代と戦前には違いがある

映画にしろ カフェにしろ 少なくとも80年代生まれの私が子供の頃には既にあった
5~60年代生まれの私の両親が生まれた頃にも既にあっただろう
だが19年生まれの山本氏が生まれた時にはソレはなかった、少なくともまだ定着はしていなかっただろう
我々が当たり前として享受する娯楽は彼にとり 当たり前ではなく既存の文化との攻めぎあいでもあったのだろう
戦前を生きた人々の価値観はそこにある

例えば映画
映画と演劇の根本的な違いはわかるだろうか?
演劇とは多くは旧作である、私たちは「ヴェニスの商人」でも「ちはやふる」でも粗筋は知っている
だが 新作の映画の粗筋は見ない人にはわからない、観客は粗筋を知らないモノを見るわけだ
山本氏は故に映画は程度が低いという、客が常に新鮮さを味わえる分、演技が下手なのも隠せるからだ
だからどう、という訳ではない ただ現代と戦前では物事の捉え方が違う

前回に比べて☆を落としたのは 審査が厳しくなった為

にしても 軽くムカつくおじさんだな

あと本書は別に「戦前は素晴らしい、現代はダメだ」なんて内容ではない
まず前提に「戦前は暗黒時代」という認識が現代人にはある
この認識は後天的なモノ、つまり学校等で教えられたモノであり現代人が目の当たりにしたモノではない
山本氏は、当時を生きた人間の1人として後天的な認識の否定を訴えている訳だ
実際本書を読めば「戦前にも楽しい事はあった」という流れだが「戦前は楽しい事ばかり」という流れではないし 戦前マンセーでもない
その辺注意されたし