http://www.bk1.jp/product/01027183
ミツゴ評価 ☆☆☆☆
<書評>今と大して変わらなかった 大正時代
さて 鈴木商店を扱った本である
鈴木商店といえば第一次世界大戦にて莫大な輸出をし、一時は日本の総生産の1割にあたる金額を取り扱った総合商社である
その総合商社が大正時代のコメ騒動にて焼き打ちにあった、そういうお話
まず 時代を確認してみよう
時は大正時代 日本は空前の好景気に沸いていた
第一次世界大戦で莫大な物資を輸出し 貿易黒字が流れ込んで来た
オマケにドイツが通商破壊作戦を行った為 船腹が不足、ソレが船賃の高騰と造船産業の成長に繋がる訳だ
鈴木商店はそんな中で世界中にモノを売る、いや国産品だけではなく 第3国取引もしていた
一時期はスエズ運河を通る船の1割は鈴木商店絡みとまで言われた
莫大な貿易黒字は金余りとインフレを招く
特に大戦の影響で輸送船が不足した為 流通に支障が出ていたコメの価格は大きく上昇した
これに値上がり期待による売り惜しみや好景気によるアルコール需要の増加、シベリア出兵絡みの需要増等が加わり米価は短期間に4倍にまで値上がりした
当時の新聞によれば 職工が1日13時間働いても 2升5合(=3.75kg)のコメしか買えない程に値上がりしていた
当然 市民は不満に思う、誰かが買い占めているに違いない、海外に輸出して不当に利益をあげているに違いない と思い始める
槍玉に上がったのが当時 日本最大の商社たる鈴木商店だ
だが 実際はどうだったのだろうが?
実ははっきりした事はわかっていない
いや「買い占めていた」という証言はあるにはあるが 証拠能力の弱いモノである
つまり この件に関しては「証拠不十分」だと言ってもいいだろう
なら何故槍玉に上げられたのだろうか?
ソレは大阪朝日新聞による
大企業の常として鈴木商店は政府と繋がりがあった
米騒動に対しても朝鮮米の移入という形での貢献を求められていた
さて 大正時代は政治的混乱の時代でもある、マスコミはこぞって政府を批判した
つまり鈴木商店は政府と繋がりがあるから叩かれた訳だ
またこのアサヒはいやらしい
「関係者の話によると」「詳しくはわかっていないが」「○○という意見がある」と断定を避けつつ 鈴木商店があたかもコメの買い占めや輸出で莫大な利益を上げているかの如く書く
ソレを見た大衆の怒りは鈴木商店へ向かう
当時の投書を見ているとまんま 2ちゃんねる なノリだ
曰く
・標準価格を復活すべし(無名氏)
・米を専売に(一労働者)
・市内白米商の暴利密議(田辺生)
名無し、かよ(笑)
いや 第二世宗五郎なる人物がまた アレだ、意訳すると
・オレ大企業に勤めているんだけど、このまま買い占めしてると 誰か天誅くだせよ!
バカだ・・・・テメーでしろよ!
いやバカにしちゃいけない 大正時代はテロの時代でもある、実際大臣クラスが暗殺されたりしている
まぁアレだ 大正時代の底辺層は現代の底辺層と大して変わらないと言える
ロクな根拠も無しに「大企業ガー」「財務省ガー」「経団連ガー」と言っているあたりは特にそうだ
ただ鈴木商店の在り方にも(道義的にはともかく)問題はある
例えば 現在の大企業はマスコミに広告料を払う事で口止めしている部分はある
善悪の問題ではなく風評リスクを抑える意味だ
大企業ならそういう管理は大切であり、実行するシステムも持っている
だが鈴木商店はそういうシステムは無かった
大正でこそ大企業であったが所詮は大きな個人商店であったからだ
ぶっちゃけ株式会社ですらなく 本書の主人公の金子直吉も「社長」ではなく「番頭」であった
その金子の性格も災いした
この人「寄付」が嫌いなんだ 特に「匿名ではない寄付」が、ね
三井や三菱は100万円を寄付する、今日で十数億円だろうか?
実はこいつらがコメを海外に輸出してたりするんだがな
バカがはしゃぎ立てる「鈴木も早く寄付をしろ」と
震災に関してこういう奴はネットにいたな、取りあえずテメーもしろよw
まぁ結果は鈴木商店は寄付をするんだが
城山の特徴には 主人公をやたら持ち上げる傾向があるのは事実
だがそこに出て来る暴徒は 現代の貧民とあんまし違いはなかった
某blogをみていると既視感を禁じ得なかった
ミツゴ評価 ☆☆☆☆
<書評>今と大して変わらなかった 大正時代
さて 鈴木商店を扱った本である
鈴木商店といえば第一次世界大戦にて莫大な輸出をし、一時は日本の総生産の1割にあたる金額を取り扱った総合商社である
その総合商社が大正時代のコメ騒動にて焼き打ちにあった、そういうお話
まず 時代を確認してみよう
時は大正時代 日本は空前の好景気に沸いていた
第一次世界大戦で莫大な物資を輸出し 貿易黒字が流れ込んで来た
オマケにドイツが通商破壊作戦を行った為 船腹が不足、ソレが船賃の高騰と造船産業の成長に繋がる訳だ
鈴木商店はそんな中で世界中にモノを売る、いや国産品だけではなく 第3国取引もしていた
一時期はスエズ運河を通る船の1割は鈴木商店絡みとまで言われた
莫大な貿易黒字は金余りとインフレを招く
特に大戦の影響で輸送船が不足した為 流通に支障が出ていたコメの価格は大きく上昇した
これに値上がり期待による売り惜しみや好景気によるアルコール需要の増加、シベリア出兵絡みの需要増等が加わり米価は短期間に4倍にまで値上がりした
当時の新聞によれば 職工が1日13時間働いても 2升5合(=3.75kg)のコメしか買えない程に値上がりしていた
当然 市民は不満に思う、誰かが買い占めているに違いない、海外に輸出して不当に利益をあげているに違いない と思い始める
槍玉に上がったのが当時 日本最大の商社たる鈴木商店だ
だが 実際はどうだったのだろうが?
実ははっきりした事はわかっていない
いや「買い占めていた」という証言はあるにはあるが 証拠能力の弱いモノである
つまり この件に関しては「証拠不十分」だと言ってもいいだろう
なら何故槍玉に上げられたのだろうか?
ソレは大阪朝日新聞による
大企業の常として鈴木商店は政府と繋がりがあった
米騒動に対しても朝鮮米の移入という形での貢献を求められていた
さて 大正時代は政治的混乱の時代でもある、マスコミはこぞって政府を批判した
つまり鈴木商店は政府と繋がりがあるから叩かれた訳だ
またこのアサヒはいやらしい
「関係者の話によると」「詳しくはわかっていないが」「○○という意見がある」と断定を避けつつ 鈴木商店があたかもコメの買い占めや輸出で莫大な利益を上げているかの如く書く
ソレを見た大衆の怒りは鈴木商店へ向かう
当時の投書を見ているとまんま 2ちゃんねる なノリだ
曰く
・標準価格を復活すべし(無名氏)
・米を専売に(一労働者)
・市内白米商の暴利密議(田辺生)
名無し、かよ(笑)
いや 第二世宗五郎なる人物がまた アレだ、意訳すると
・オレ大企業に勤めているんだけど、このまま買い占めしてると 誰か天誅くだせよ!
バカだ・・・・テメーでしろよ!
いやバカにしちゃいけない 大正時代はテロの時代でもある、実際大臣クラスが暗殺されたりしている
まぁアレだ 大正時代の底辺層は現代の底辺層と大して変わらないと言える
ロクな根拠も無しに「大企業ガー」「財務省ガー」「経団連ガー」と言っているあたりは特にそうだ
ただ鈴木商店の在り方にも(道義的にはともかく)問題はある
例えば 現在の大企業はマスコミに広告料を払う事で口止めしている部分はある
善悪の問題ではなく風評リスクを抑える意味だ
大企業ならそういう管理は大切であり、実行するシステムも持っている
だが鈴木商店はそういうシステムは無かった
大正でこそ大企業であったが所詮は大きな個人商店であったからだ
ぶっちゃけ株式会社ですらなく 本書の主人公の金子直吉も「社長」ではなく「番頭」であった
その金子の性格も災いした
この人「寄付」が嫌いなんだ 特に「匿名ではない寄付」が、ね
三井や三菱は100万円を寄付する、今日で十数億円だろうか?
実はこいつらがコメを海外に輸出してたりするんだがな
バカがはしゃぎ立てる「鈴木も早く寄付をしろ」と
震災に関してこういう奴はネットにいたな、取りあえずテメーもしろよw
まぁ結果は鈴木商店は寄付をするんだが
城山の特徴には 主人公をやたら持ち上げる傾向があるのは事実
だがそこに出て来る暴徒は 現代の貧民とあんまし違いはなかった
某blogをみていると既視感を禁じ得なかった



