超高金利書評子、三つ子のキャットシットワンのブログ-02549924.JPG

http://www.bk1.jp/product/02549924

ミツゴ評価 ☆☆☆☆

<書評>文明観というよりも経済観

文明とはある意味では自然から富を捻出するプロセスである
山を切り開き 鉱山を作り 木を燃やして金属を作る
森を開拓し、河を堤防で囲んで農地を作る
都市は莫大な資源を浪費し、活発な経済活動を行う

本書のテーマは環境と文明と経済活動をに対する諸氏百家達の比較である

著者の浅野氏は「孔子神話」にて孔子の事をコキ卸しているそうだ(私は未読)
本書に置いても孔子はかなり批判的に書かれている

春秋戦国時代は競争の時代であり、各国は富国強兵に奔走した時代でもある
結果 優秀な人材なら身分問わず採用する機運が高まる
諸侯が求めたのは、まず殷や周時代の儀礼を司る人材である
当時は祭事=政事 というように宗教の力が強かったからだ
だが何百年も前の儀礼を知っている人間等なかなかいない
孔子は、自分なら古代の儀礼をすべて知っている、という
だが変な話だ、中原(中華世界の中心地:ここでは周王朝の都、洛陽の事)から遠く離れた魯国(山東半島の付け根)の下級貴族に過ぎない孔子が何故 中央の儀礼を知っている?と
要は聞きかじりを でっちあげた訳だ
「オレの言うことを聞けば各国に仕官出来る」と若者を騙したという

ここまでいうか・・・・

そんな孔子はいう
もし王や貴族が贅沢や虚礼を行えば、天下の財産が無くなり人民の生活が脅かされるか?と
因みに当時は上流貴族の埋葬には車5台分の財宝が埋められたという そういう財宝を作るにも当然資源や人手はいる
孔子は答える「資源は足りなくならない」と
天は人間社会に序列という秩序があることを望んでいる、身分の高い人間が浪費をする事は 秩序の表れである
故に天はそのための資源を与えることは惜しまないだろう、と

また続く

天とはなにか?何故天が序列を望むのか?そんなこと人間風情が考えても仕方のない事だ、と

私には儒家の価値観が傲慢に見えてならない
要するに、身分の高い人間は贅沢して 下々の人間に見せ付けろ
ソレこそ天の道だ、天とは何か?考えるな

はっきりいえば人間をおちょくっているとしか思えない

さてお次は墨子
こちらは「節用」つまり資源の節約を訴える
何故贅沢はいけないのだろうか?
1つの解答は「誰かが贅沢は別の誰かの犠牲に繋がる」からだろう
墨子の答えはまさしくそれ

墨子の前提にあるのは「資源が有限である」という事実
なら有限な資源をなるべくムダなく使う事が人民の生活向上と国家の繁栄に繋がるという思想だ

はっきりいえば儒家と墨家は仲が悪い
以前も書いたが墨子は孔子に対して「ヤツは生きるためなら追いはぎや盗みを平気でする癖に、礼儀がどうだなぞ吐かすペテン師だ」なんて言っている

儒家も墨子を「天の理を知ろうとする愚か者」何て言っている

次は荘子だ
こちらは文明≒富 そのものの否定だ
墨子の浪費批判が「資源の有効活用」とすれば コチラは「贅沢による堕落」だ
贅沢な食事や音楽は人間本来の感覚をマヒさせる
家畜が人間により歪められるように 人間も文明によって歪められる
人は便利なモノを求めるが、山をみれば 真っすぐな木程刈り取られ 曲がった木 人間の役に立たない木こそ生き残っている
人間もまた 便利さを追究せずに自然のままに生きるがよろしい となる


この3者に共通するのが自然にたいする観察と帰納と演繹だ
孔子は天を 墨子は鬼神(≒霊魂)を 荘子は自然を使っている
ぶっちゃければ かなり主観的な見方をしているとおもう

なぜ比喩を多用するか?おそらく説得の技術だろう
つまりこの頃の思想は「人に説く」事を前提にしているのだろう
超高金利書評子、三つ子のキャットシットワンのブログ-03366388.JPG

http://www.bk1.jp/product/03366388

ミツゴ評価 ☆☆☆+☆×0.5(☆3.5コ)

<書評>テイラー論争

まず「テイラー論争」とはご存知か?
1950年代までは「第二次世界大戦は何故起きたか」という問いへの解答は「ヒトラーとナチスの個人的な野望」とされてきた

これは大変都合がイイ、西側諸国には第二次世界大戦後の冷戦と欧州復興においてドイツは必要不可欠なパートナーであり、過去のしがらみは「ヒトラーやナチスが悪い、ドイツ国民もまた被害者だ」と言えば良いのだから
そこにテイラーの本書「第二次世界大戦の起源」が風穴を開ける形になる
ドイツが第二次大戦「開戦」に踏み切ったのはヒトラーやナチの「暴走」のみの責任に非ず、第一次大戦にて喪失した栄光の回復であり、それはドイツ国民に支持された「政策」である、と

本書はセンセーショナリズムを巻き起こす
まず本書を支持したのはネオナチである、ヒトラーやナチは悪くは無かったと
次にその反発がおきる、テイラーは資料の選択が恣意的だ、外交面ばかりに焦点を当てている、と
後者については私も思う点がある
当時のドイツ経済は軍需を中心とした公共事業の内需拡大の結果 輸出減と輸入増を迎えていた
工業国で人口大国であるドイツを動かすには資源が不足していた
資源を獲得するために東方への野心自身は確実にあったと思う

閑話休題、とにかく本書はかなり話題をよんだ、テイラーも歴史修正主義なるレッテルを貼られる事になる
だが変な話だ、ドイツの犯罪の大半は人道に対する罪、例えばユダヤ人やスラブ諸民族への迫害や虐殺だ
だが本書は触れていない、当たり前だ本書のテーマがタイトル通り第二次大戦の開戦プロセスにあたるからだ
仮に本書がドイツの弁護としてもユダヤ人やスラブへの迫害自体は一切弁護していないんだな

なんか書くか
物語はヴェルサイユ条約に遡る
この条約(他の様々な条約もあるが)の結果、ドイツ、オーストリア、ロシアといった大国がひしめいていた東欧にぽっかり力の空白地帯が生まれた
つまりこれら大国の領土を削減、民族自決の名の許に東欧に小国家群が成立した
ポーランドやチェコスロバキア ハンガリー バルト3国 ユーゴスラビア等だ

東欧、コレが本書のカギとなると私は思う
第一次大戦後のヨーロッパの4大国(ソ連、ドイツ、フランス、イギリス)の東欧への立ち位置をまとめると
・ソ連
→スラブ民族のリーダーとして、また西側との防護壁(防疫線)として東欧を勢力圏に治めたい
・ドイツ
→過去の勢力圏(ナワバリ)であり、多くのドイツ系住人が住む土地なので 何等かの形で勢力下に治めたい
・フランス
→別に勢力下に治めたくはない
しかし、単純な国力が独ソに劣る以上、東欧諸国が親仏であれば フランス+東欧 同盟で独ソに軍事的な対抗が可能になるので好都合
・イギリス
→ぶっちゃけ、あまり欧州大陸には関わりたくはない
だが東欧のパワーバランスが乱れれば、欧州大陸の不安定化という形でイギリスの安全保障に響く
結論としては現状維持が望ましい

さてこの中で特にドイツの要求が強かった
当時は東欧に多くのドイツ人が住んでおり、チェコのズデーテン地方やポーランドのダンツィヒ等ではドイツ人が歴史的にも多数派を占めていた
同じ民族が1つの国で団結したい、という欲求が生まれる

当然 ドイツは東方へ進出を諮る、イギリスやフランスは阻止をしたい となる
だが問題が出た

当時 イタリアがエチオピアを侵略した
英仏は反対する立場なんだが、結局は何もしなかった アフリカの小国のために戦争をするのはバカらしかった訳だ
これがドイツに確信を与えた、アフリカの小国を見捨てる連中なら東欧の小国も見捨てるハズだ、と
結論から言えば見捨てた訳だ
当時は第一次大戦で多くの犠牲を出した
若者が大量に戦死した結果 急速な高齢化が進んだ、次に戦争があれば ガチで民族が滅びるかも、とすら言われていた
英仏の腰抜けぶりにドイツは次々と要求を繰り出す
これが ラインラント進駐 オーストリア併合 ズデーテン割譲 チェコ併合 そしてポーラント侵略 第二次世界大戦と相成る訳だ

つまり テイラーは第二次世界大戦の原因をヴェルサイユ条約でドイツ人エリアを分断した事と それに不満を持つドイツに対する英仏の外交的なミステイク(今日では宥和政策とよばれる)によるモノとしている訳だ

会計ネタ

さっそく本題
「売上に対しての資産が過大な会社」

当たり前だが 会社の売上と資産は相関関係がある
トヨタが多大な利益を上げているのは、世界一の自動車販売量があるからだ
つまり世界一の自動車生産をしているからであり、ソレを可能とするだけの工場やインフラがあるからに外ならない

つまりだ、売上と資産には一定の関連がある
業種や経営状態にもよるがだいたい 売上=資産 と思ってくれればいい、つまり売上が1億円の会社は資産も1億円プラマイだ

例えば売上に対して資産が過大だという事は 有効活用されていない資産があるという事だ
さらに言えば資産を買うにもお金がいる、そのお金を銀行から借りていれば当然支払い金利が発生する
さらに言えばムダな資産がありムダな負債があればいざという時にお金が借りにくくなる

さて本題
「サンビシ」という会社がある、明治から続く東海地方の醤油会社だ
この会社は資産が売上の2~3倍あった、はっきりいえば多すぎだ
当然 銀行からの借り入れだ これは明治以来という伝統が担保になっている

さてこのサンビシ、具体的に資産を何に使っていたのだろうか?
答えは財テク、金融商品に使っていた訳だ
具体的にはマレーシア石油公団やコロンビアの円建債だ、はっきり言えば醤油とはあまり関係がない

投資をすればリターンが来る
リターンは売上には貢献しないが営業外収益という形で経常利益には貢献する

つまりだ この会社は本業の利益減を財テクでカバーしている形になる
普通はあまり褒められた話ではない、要は本業がうまくいっていないからだ、当然 銀行はあまりカネを貸したくはない
だが明治以来 という老舗の伝統がモノを言った、信用と履歴はだいたいリンクするからだ

だが問題がある
財テクは必ずうまくいくとは限らない、時には損をするだろう
だから普通は貸倒引当金を設定する、つまり利益のいくばくかはマイナスとなる

だがこの会社はしていなかったんだな

具体的に見てみる
1)サンビシはサンビシ商事なる子会社をつくる
2)この子会社にサンビシは多額の貸付けを行う
3)子会社がソレを元手に投資を行う
4)その利益をサンビシが吸収する、リスクはサンビシ商事に押し付ける
さて何処に問題があろうか?

答え、サンビシ商事は多額の投資の結果、多額のリスクを背負っている
そこへの貸付け金にもリスクがあるハズだ(要は不安定な会社への貸付けだからだ)
当然 貸倒引当金を設定しなければならない

が 設定していなかった

まてよ?普通はこういう構造なら誰かが気付くハズ
そう 監査法人もグルなんだ
酷い話だ

だがバレる、貸倒引当金を設定する、結果利益が激減 大赤字だ
信用が落ち 倒産となる訳だ

今回の事件のポイントは
1)多額の投資と貸倒引当金のごまかし
2)財務に関わらず「老舗」という理由で貸付をする銀行の甘さ
3)監査法人のアレコレ
でしょう

まぁこの話は
財務諸表を読む→おかしな点がある→調べてみる
ことの大切さを書いている訳だな

そういう話をちらほら書いていきたいなと思う

追伸:財務分析は難しい
そして銀行は小さな所でも数百億単位の貸付がある
結論 どうしても手が廻らない所は「確実に」存在する、「確実に」だ
はっきりいえば何処も大小の爆弾を抱えていると思ってもいいだろう

http://www.bk1.jp/product/02405801

ミツゴ評価 ☆☆☆

<書評>シベリア鉄道の車窓から・・・

基本は旧ソ連エリアのルポタージュ
まぁ読み物感覚

ソビエトなるユーラシア大陸にドヤ顔をしていたロクでもない国が滅んだ結果、ユーラシアのあちこちに力の空白地帯が生まれた
中央アジアや東ヨーロッパがそうだ
これらの地域には資源に恵まれていたり、地政学的に重要な土地が多い
そこで周辺国 中国やインド等が進出する
EUやアメリカも進出をしようとするし、ロシアも勢力を取り戻そうとする
国だけではない ある意味では世界最大最古のビジネスである宗教、特にイスラム教にとってこれらの土地はまさしく未開拓市場なんでバシバシ進出しだす
トルコやイランも民族等を梃子に進出する

要は、ソ連崩壊後の遺産争いだ

まぁそんだけ
超高金利書評子、三つ子のキャットシットワンのブログ-a0087957_11375441.JPG

言葉は概念を示現する
言葉をなくして概念は有り得ず 故に他者を理解できない
なので 用語集(アンサイクロペディア風)