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ミツゴ評価 ☆☆☆+☆×0.5(☆3.5コ)

<書評>あまりにも狙いすぎ・・・・

・バグマンを当てこする内容
・明らかに『もしドラ』を意識した表紙(サブタイが『もし出版不況のなか女子高生がマンガ家をめざしたら』だ、言い逃れはできまい)
・どうみても『けい○ん!』のキャラクター(特にアノBL作家)
・ノリは嫌韓流(ま、同じ作者だし)
・内容は竹熊健太郎

明らかに狙いすぎ、思わず手にとってしまった

まず流れ
マンガ業界は構造的不況産業だ
読者である若年層の小子化、その若者の消費離れ、ケータイやネット等 競合相手の台頭・・・・・
ポーターのファイブパワーなんかで分析したら凄まじいことになりそう
とにかく、(輸出に目を向けない限りは)なかなか成長の見込めない業種だ
じゃあ、出版社はいかに立ち向かうのか?
一番手っ取り早いのは 既存客の囲い込みだ
わかりやすく言えば 長期連載で読者を縛り付けるワケやね
ナ○ト、ブリー○、ワ○ピース、コナ○・・・・まだあるだろ?(こち亀はいいだろう)
参考にいえば 2010年ジャンプ作品21作中、長期連載(5年以上)は8作なそうだ

何が問題か?
まず、読者の新規参入が出来ない
そりゃ既巻50冊読まないと最新巻が理解できないようじゃ話にならない
小学生とか ○ルトわかるんだろうか?
そして さらに問題なのが 新人漫画家が参入できない事だ
いつまでも大御所が粘られたら、業界の新陳代謝がはかれないわけだ(注:私は手塚治虫様や藤子不二雄閣下のような将来現役なのはいいと思うよ、ただ1作にしがみつくのはダメだと思うが、尾田栄一郎はワンピース以外もう書かないそうだ)
なんかお笑い業界もそーいう所があるそうだ、ナイナイの岡村がタケシかシンスケに「アンタラだ居座るから、ウチらに席が廻ってこない」といったそうな

漫画業界は実力社会というものの、既存の固定客を掴んでいる大御所サマが有能な新人より有利な立場にあるのは明白だ(逆に言えば惰性で有名マンガを買うことが新人の首を絞めているわけだ)

では、それでいいのか?と本書は続く
まずあげられるのは 電子書籍だ
だが ネット文化には 「コンテンツはタダ」という価値観が根付いてしまった為 課金はうまくいくの?という疑問が出る
さらに、ではそのマンガをどこで知り合うの?となる
通常は雑誌だが 電子書籍にはあまり馴染んでいないと思われる(欲しいコンテンツしか買わないから)
でもドラマやアニメなら ケータイ小説の前例があるからうまくいくかもしれない(映像化までが大変だろうが)

オチになるが作者はタイアップを主張する
これは様々なメディアで知名度を高めて行くやり口だ
作者は「ブラック★ロックシューター」をあげている、どーでもいいが私の知り合いにもねんどろいど(だったかな)を買った人はいる

なんか重くなったな
まぁマンガ業界は転換期にあるという事がわかればそれでいいかと

すべての日本のアニメはあの男から始まった
彼は既存のやり方を覆し 自分で会社まで作った
彼が生きていたら、きっと新しい道を歩いていただろう
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ミツゴ評価 ☆☆☆☆

<書評>受難の大地

皆さんは「シャンパン」なる飲み物はご存知だと思う
が、「シャンパーニュ」が何処ら辺にあるか 意外と知らないのではないだろうか?
地図で言えばフランス北東部、ドイツやベルギーとの国境付近なんだけど、国境地帯の常として、歴史的に戦火に晒されて来た土地でもあった
さてシャンパン、なる飲み物が発展したのは17世紀、ルイ14世の時代だ
ルイ14世は今日でいうファッションリーダー的な存在であり、彼のライフスタイルは全欧州のモデルとなった
そんな彼はシャンパンを愛した為 全欧州の王侯貴族がそれにならい シャンパンは爆発的にヒットした
時は流れ、フランス革命 そしてナポレオン戦争
王侯貴族というマーケットを失ったシャンパン業界は奇策に走る
当時ナポレオンは全欧州を手に入れようとしていた
つまり欧州のアチコチにフランス兵がいた訳やね
彼等にシャンパンを売り込んだ訳だ
戦勝に酔うフランス兵達は景気よくワインを飲み、この戦略は大ヒットを納める
オマケにこの戦略は全欧州へシャンパンの宣伝としての効果を発揮した、欧州各地への輸出の道が開けた
やがて革命の混乱も落ち着き 1830年代頃から フランスにも産業革命が及ぶ
そしてナポレオン3世による帝政期、フランス経済は絶頂を迎えた
当然シャンパンは売れる、日本のバブルと同じやね

だが 繁栄はあんまり長くは続かない
フランス経済の低迷と隣国プロイセンとの戦争が始まったからだ
国境地帯のシャンパーニュは当然戦場になり、占領された
かつてフランスに占領されたドイツ人達は、まぁ飲むわ 飲むわ
オマケに占領された事で流通や販売がマヒ、当然シャンパーニュはしんどくなる
それでも戦後何とか、立ち直るシャンパーニュ、だが次なる試練が襲い掛かる
実はシャンパンは世界的に大ヒット
ロシア皇帝(とロシア貴族達)に気に入られたし、19世紀終わりにはアメリカという成長市場も参入して来た
要はシャンパンはよく売れた

だが何故かシャンパーニュの葡萄の生産が増えていない、何故に?
答えは一部の大生産者と販売業者(ネゴシエ)が結託して、海外の安いブドウの混ぜ物をしていたからだ
当時の規制ではシャンパンのブドウは51%以上はシャンパーニュ産を使うべし、とある
つまり49%までなら外国産のブドウだろうがリンゴ汁だろうが使っても構わないという訳だわさ
零細農民(一般にフランスのブドウ農家は零細的)のワインは買い叩かれ、ネゴシエの買い付け人には賄賂まで要求される始末
困り果てた農民達は 当時流行りのストライキを起こす
問題なのがシャンパーニュが国境地帯だということ
農民達の不満がフランス国家への反抗となり、やがて(何を血迷ったのか)「ドイツ万歳」となった
当然 当時の国際情勢的にマズい訳で(当時のドイツは今の中国に似ていて、爆発的な国力増強と領土拡張熱があった)
軍隊を派遣するフランス政府、まぁグダグダモードに突入した20世紀初頭

すべてをひっくり返したのは第一次世界大戦だ
案の定戦場と化すシャンパーニュ
大砲が炸裂し、畑もインフラもグチャグチャ、辺りには死体が散乱 毒ガスまで使われる
当然土壌は激しく汚染される罠
ワインを作ろうにも人手は徴兵されるし、砲弾が飛び交う中じゃ畑の手入れは出来ない

やっと戦争が終われば、ロシア革命 ドイツ革命 ハプスブルク帝国解体とお得意先は未払いの売掛金と共に綺麗に消滅
オマケにブドウの疫病までくる始末
最後の巨大市場たるアメリカに売ろうとしたら、、、、、、禁酒法
ここまで来るか?フツー

まぁ禁酒法はやがでうやむやになり 解禁されるんだけどね
こんなグダグダぶりを抱えて フランスは第二次世界大戦に突入する
そこではやはり色々物語があるわけだが また別の機会に

本書を読んで思ったのは シャンパンはグローバルな商品である という事
意外かもしれないがフランス人はあまりシャンパンを飲まない、例えばボルドーの人間はボルドーを ブルゴーニュの人間はブルゴーニュを飲むからだ
さらにシャンパンを作るには(今は知らないが)昔は砂糖を利用していた
19世紀になるまで砂糖はヨーロッパでは作れない、カリブのプランテーションでサトウキビから作っていた(それをイギリス船が運ぶわけだ)
余談になるがナポレオン戦争で砂糖の輸入が出来なくなったフランスの対策が砂糖大根(甜菜)だったりする

販路も全欧米世界に渡っているし、万博でハデな売込もしている
例えば日本酒なりが 伝統的に外国の材料に依存したり 海外販売が主力だったりした事があっただろうか?

いや 事の善し悪しは問わないけどね
私も機会があれば飲んでみます そうオモタ
資産デフレネタ
1989年当時、日本の国富はGDPの8倍に上った
07年当時のアメリカが5倍と考えれば高い水準と言えよう
この数値は 一般に好景気程高くなる
何故なら 好景気時は GDPの上昇率<資産価格の上昇率 となりやすいからだ
特に株や不動産がそうだ
みんな「将来もっと高くなるだろうから」と資産を購入する事でより価格が高くなるからだ
では ソレでいいのかといえばよくない
例えば不動産
大家さんは不動産を誰かに貸して家賃を得るし 家賃収入のため不動産を保有している
当たり前だが家賃とGDPは正の相関関係だ、何故なら ある地域のGDPとは 「その地域の住人の所得水準×地域の人口」とも言えるからだ
人口と住人の経済力は家賃にモロに反映される、都会は両方とも高い水準だから 家賃も高いでしょ?(逆に家賃が高いと低所得層が追い出される)

閑話休題、とにかく家賃収入とGDPは比例する
そして GDPの上昇(≒家賃収入上昇)<資産価格上昇 なら 資産に対するリターン率は低下する
つまり「不動産を持つより、銀行にでも預けた方が得」という力が働く

結果不動産を手放す人は増え 資産価格は低下、損をする人が増える
これが バランスシート不況 という訳だ

嫌ならどうするか?
GDPの上昇>資産価格上昇 として なんとか 資産価格/GDP を適正値にしたい

では適正値とは?となる
アメリカが5倍、とかいた
だが アメリカは人口増加国でその分経済成長率は高く 値上がり期待がある

日本で考えると まぁ4倍 が、まぁ適正だろうか?

では見てみる
・資産価格/GDP比率を 4倍にしたい
・ そのために ある程度のGDP成長を実現し、かつ資産価格上昇を抑えたい

仮に GDP成長を3%、資産価格上昇を1%とおく

GDP×8×(1.01)^n=GDP×4×(1.03)^n

でnを出したい
まぁ計算結果が35年だ
コレは「GDP年率成長を3%、資産価格上昇を年率1%にすれば、35年でバブル経済をソフトランディング出来る」というモノ
逆にいえばソフトランディングのためには3%成長を35年連続させなければならない、しかも資産価格上昇(によるプラス効果、たとえば恒常所得の増大)は抑えつつ、だ

この1件を見れば「バブルをソフトランディングさせる」とはいかに難しいか、という事がよくわかる
よく「歴史上、バブルのソフトランディングに成功した事例はない」というのも(真偽はともかく)決して伊達ではない
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ミツゴ評価 ☆☆☆

<書評>若干グダグダ気味

若干グダグダ気味、読者を引き込む魅力はやや弱し

なんか書くか
我々はヴェルサイユ条約といえば「第一次大戦後の連合国によるドイツへのリンチ、やり過ぎ結果がナチの台頭と第二次大戦」と認識していないか
勿論 ソレはある

だが本書を読むと別の見方も出て来る
「世界平和(≒大国による世界の安定的支配)」と言う問題に対する第1次大戦前の解答が「勢力均衡」だ
つまり、複雑な同盟関係を結んだ結果、小規模な戦争が「とても割に合わないだろう」世界大戦に直結する、故に各国はなるべく暴力の使用を躊躇するだろう、という話だ

だが、実際に戦争が起きてしまったら?
実は第一次大戦の動機よくわかっていない
セルビアのバカがオーストリア皇太子を殺害→オーストリア、セルビアに宣戦布告→セルビアの同盟国ロシア 脅しのつもりで軍に動員をかける→ドイツ、ロシアが攻めてくると勘違いし ロシアとロシアの同盟国フランスに先制攻撃→ドイツ 対仏戦で(仏の警戒の薄い)ベルギーから侵攻→ベルギーに関心のあるイギリス参戦→日英同盟に基づき日本参戦→英仏にカネを貸していたアメリカ、貸倒防止の為参戦・・・・・
ほら グダグダだ、正直 第一次大戦で流された血は誰の責任?といって誰も断言は出来ないでしょう
我々は「ドイツが悪い」といいがちかも知れないが、ドイツからすれば 欧州に野心のあるロシアを先制攻撃で黙らせる為 と答えられる

とにかく、勢力均衡による安全保障は挫折した
欧州列強が衰退する世界に高まる民族自決運動とボルシェキズムの脅威
欧州に早急に求められる復興と新たな安全保障
これへの解答が平和14箇条の原則と 国際連盟(集団安全保障)であり、ヴェルサイユ条約とは 欧州、ドイツにおける戦後世界秩序の1ピースな訳だ

もうちょい見てみる
実はフランスとドイツは常に互いを脅威と捉えている
フランスからすればドイツとパリは近い、仮にライン川(独仏国境付近)にドイツ軍が展開していて先制攻撃をかけられれば フランス軍が稼動する前にパリが陥落する位に近い
逆に言えばドイツ経済の心臓部ルール工業地帯もフランスにすぐに占領されやすい と言える
結果、両国は相手の弱体化と国境を遠くへ延ばす力が働く
その結果がラインラントの非武装化、当初は(おそらく仏傀儡政権だろう)独立国をつくるプランすらあった