インフレが望ましいと、しばしば言われる
何故ならデフレ下では実質金利が高くなり 投資が減少しやすいからだ。

では具体的には ナンボ?という訳で計算してみた。

テイラールール、という言葉がある
コレはアメリカのテイラーさん(スタンフォード大教授)の考案したモデルで、政策金利をだす時に使う

まぁ 当人自体が"簡単過ぎる"というモノなんだけど

こんな感じ

政策金利=均衡名目金利+α(インフレギャップ)+β(需給ギャップ)

均衡名目金利:2
α:1.5
β:0.5
が基本

インフレギャップ=実際のインフレ率-目標インフレ率
なので
実際インフレ率:0
目標インフレ率x
とすれば、
インフレギャップ=0-x
とおける

需給ギャップは1.4(日本の経済成長率2.4-潜在成長率1)

仮に 政策金利を0とおく

0=2+1.5(0-x)+0.5×1.4
これを xについて整理する
1.5x=2+0.7=2.7
x=1.8

つまり"ゼロ金利政策下での望ましい目標インフレ率は1.8%"となる

仮に政策金利を0.2%とすれば、年2%の物価上昇が目標です、となろうか?

果たしてコレは高いのか低いのか 私には判断が着かない
ただし、コレをみて 即"日本はインフレ政策を進めるべき"というのは些か早計である

社会では"やりたい事"、"すべき事"、"出来る事"の区別をしなければならないが、例えば インフレ手段の代表である量的緩和はソレなりにリスクはある
またインフレ自体にも貧富の差の拡大効果がしばしば指摘されている(例えば、食料・エネルギー価格高騰は、逆進性が極めて高い)

目標インフレ率1.8%とはあくまで理論値にすぎない

本当に重要なのは潜在経済成長力を高める事、だと思う

じゃあどーするか?
いろいろ言われている
移民の導入みたいに副作用が大きいもの
或いは国民の技能向上や社会システムの変革、産業構造の変化等だ

コレらを総称して 構造改革 という

ここで私見を1つ
仮にどうしてもインフレにしたいとする
私はこの2つの事をクリアすべきと思う。
1)日銀 市中銀の内部留保の蓄積

インフレによる資産毀損リスクを耐えるため
耐えられなければ金融危機が再び起きるだろう

2)日銀と政府の緊密化
例えば 日銀の資本毀損を政府が穴埋めするようなスキーム
『通貨で読み解く世界経済』によれば英米にはそういうスキームがあるそうな

何故インフレの話をしたかというと、実質金利高は投資を減らす
投資が減れば潜在成長力も減らすからだ

現在の日本は、固定資本減耗が投資を上回る、つまりどんどん固定資本が減少している形になる(純投資がマイナス)
ならば 純投資を増やすためにも『しっかりと対策した上で』『節度ある』量的緩和を となるのではないか?

勿論積み上がった国債の圧縮も必要だろうね
構造改革にしろ 本気でするには長い年月が必要だと思われる。

コレはある意味じゃ戦争と同じ
作戦前には事前のプランニングと物資の蓄積がどうしても必要となる

逆にいうとプランも物資もないのに 突撃を主張するヤツがいれば いかに愚かなんだろうか!!
だが 突撃の重要さを強調するあまり手持ちの物資とのバランスを理解しない人間がなんと多いことか!
ついでに言えば"物資なんていらない""そんな事を言うのは敗北主義者だ"なんていうのと同じである
三つ子のキャットシットワンの超高金利書評録-02509812.JPG

http://www.bk1.jp/product/02509812

ミツゴ評価 ☆☆+☆×0.5(☆2.5コ)

【書評】大枠ではわかるがディテールには「独自研究」感がアリ

その筋では有名な岡田英弘氏の本
どう有名かと言えば この人の専門はモンゴル史でそちらの評価は高いけど 中国史の研究にも首を突っ込んで、まぁ、かなり独自な内容、ぶっちゃけ反主流な内容だったりする。

本書をみてもディテールには割と怪しい部分が見られる。
例えば
・賈、価、牙(商人の意味)、これらは皆、"カ(ka)"と読むから、古代中国の(商業)共通語は夏(ka)人の言葉だ
・三国時代の紛争で漢民族が10分の1になり 漢民族は事実上滅び 異民族国家になった

あたり
前者はただのゴロ合わせだし 後者も"10分の1"は大袈裟である
この場合の人口とは"政府が把握している人口"であり流民(難民)や政府の統治の及ばない地域民は当然カウントされない。

また、"秦は西戎で、中原風の言い伝えは後世の借り物"まで言っている

少なくともディテールに関してはかなり怪しい、というのが私の印象だ。

では何か書くか
中国とは何か?
ユーラシア大陸南東部の肥沃な大地に、各地からやって来た人々が文明を起こし、都市を築いた
これが中原である。
國、という文字が
口→城壁
口→人口、つまり市民
戈→武器と兵隊
を会意した通り 本来、國=都市 とは"城壁に囲まれた兵隊と市民"という意味であった
つまり、中国=中原とは 『都市文明を共有する多民族地帯』という意味であり本質的に 多民族社会であった。

が 世の中は戦国時代に入る
富国強兵策の下で人口は増加し、都市から溢れた人間達は それまで夷狄の土地を鉄製品で開発、併合していった
最終的には秦が統一するが、これまでのバラバラな支配から 混じり合った支配へと変わり これが中国の統一となった。

やがて秦が滅び 漢が栄え やがて衰退する
増えすぎた人口を土地が養い切れなくなった訳だ。

ここで黄巾党の乱→3国時代となる
戦乱は人口減少を招き(湯浅赳によれば25%程度にまでなった) それが外部からの人口流入に繋がった
これにより中国はまた 変質を遂げる訳だ

だいたいでいえば 華北の方が異民族(五胡)の流入が多く、華南には古くからの漢民族が残る形となった。

ここに中国は南北に分裂する形になる
隋唐の時代の大運河には分裂した南北の経済圏の統合という意味があった(1面でみれば貧しい華北が豊かな華南の富を吸い上げる1面があるが)

まぁそんな感じ
正直 面白い話程 "ソースあんの"と聞きたくなる



ミツゴ評価 ☆☆☆☆☆

【書評】 黙ってみるよろし

 黙って見ろ、レベルの傑作
 F先生がうまいのは、話をはしょる能力だと思う
 つまり、最低限の2歩手前の、コマで言いたいことを伝える能力やね。
たまには実社会向けの話を

グループディスカッション(以下、GD)をした人はいるだろうか?
ひょっとしてコレからする人もいるかも知れない
そこで私からの入れ知恵
ぶっちゃけ「話とちゃいまんがな」といわれても 責任は負えないよ、愚痴くらいは聞くけど

まずアタイの経験から
アタイは2回やった
某メガバンクと故郷の役所だ。
興味のある人は聞いてくれ

1)圧倒的に時間がない事

メガバンク時は 7人で20分
役所時は 13人で30分

まずそれぞれの意見を簡単に言わせる訳だから、1人1分ちょいとして ソレで5~6割、時間を消耗する
まとめやバッファー時間が2割程度(5分)欲しければ 純粋な議論は全体の3~4割をメドにすればいい
つまり10~12分程だ

当たり前だがそんな時間で本来は議論なんざ出来ない
その辺は意識してほしい。

2)でしゃばらない事
議論タイムが10分程度しかないと書いた
つまりバカがでしゃばると他の人間が話せない
すると 独断専行が激しく目立つ
だから 他の人間も手頃に喋らせるのが吉だ
怖いのが 廻りが変に牽制しまくって議論がとまる事
止まっている時間なんざはっきり言って存在しない
そういう時は なんかしらのきっかけを作ってやるのが吉
ぶっちゃけ 当面は顔を合わせない連中だからw

3)他人をバカにしない

地方モノならわかるが 県庁といえば地方ではそれなりに格がある
私も機会があってGDに混ぜてもらったが、はっきりいって議論はモノ足りない
当たり前だが議論のテーマはアボリア(答えるのが難しい問題)だ
100人いて100人が同じ答えの問題だと議論にならないからだ
だが、必ず 八方美人的な事を言うヤツがいる
例えば社会問題に対して「人手をふやすべき」と言うヤツ
いや 県がリストラっているの知ってる?という話だが、ここで「地方債を発行して予算作れ、地域通貨刷りまくれ、藩札だ」なんて言おうモノならアウト(だと思う)

ならば、どーするか?
「人手が必要だと思うが、はっきり言えば人手を確保するのは難しいと思います」
「ですから、警察や郵便等と協力し、データベース化を進めるのが吉だと思います」
私はこう答えた

間違っても「その人手をどーする!」と詰ってはイケナイ
何故こう書くかって?
詰りたくなるような答えが結構あるからだ
なるべく議論を前に進める方向で

4)時間を大切に
はい時間は大切だよ
5)その他
・とにかくメモをとる
・名札は支給されるから名前を覚える必要なし
・ぶっちゃけ司会やTKは決めていない、最初に審判から「そんなの決めなくていいから気楽に」と言われた


まぁ私なんかよりちゃんとした教材を使うことをオススメする

実はこの話も「こーいうネタ受けるかな」的な世論調査目的もある
アクセス数が激増したら やってみようと思う所
超高金利書評子、三つ子のキャットシットワンの間-220px-西藏七年.JPG

http://www.bk1.jp/product/00026268

ミツゴ評価 ☆☆☆

【書評】奥さん、知ってました? ブラット・ピットは中国に入国できないんですって!

はい、ホント
本作が"反中的"という理由で 主演のブラピと監督は中国に入国出来なかったりする

話の筋は 第二次世界大戦前後
オーストリア人のハリンリヒ・ハラーはエベレスト頂上を目指して (当時イギリスの植民地の)インドにいた。
が、ドイツのオーストリア併合と第二次世界大戦により、ハラー一味はイギリス官憲に捕まってしまう。
なんとか収容所から脱出したハラーはドイツの同盟国日本の勢力エリアの中国へ逃げようと"神秘の国"チベットへ密入国をはたす
そこで 7年に渡りチベット人と交流し、やがては幼年のダライラマ14世の家庭教師を勤める
が、やがて戦争が終わり 中国では中華人民共和国が成立
そして中国が本格的にチベットへ侵攻して来た!
ダライラマ政権は崩壊し、ハラーもまたチベットを離れる、、、、、
というお話

本書を読んでいくつか

1)チベットは鎖国をしていない

いや鎖国の定義にもよるが。。。。
少なくとも"チベットが他国と一切交流を持たない閉ざされた国"というのが誤りである。
まず 当時のインドがイギリス領という事もあり、インド経由で英語文化がドシドシ流れて来た
富裕層はインドへ留学したりするから英語が話せるし、日が遅れるならインドの新聞や「Life」すら読めた。
また 当時はちょうどラジオが普及しだした頃なんで 短波放送で世界の放送を聞いていたりもした。
ついでにいえば チベット名物のバター茶も 茶葉は中国からの輸入品だったりする。

2)チベットは普通に軍隊を持っていた
が、はっきりいえば貧弱だったらしいが
もともとのチベット人の栄養事情が芳しくない事と、チベット自体が前近代的な小国であった為 大規模な軍隊を持てなかったりする。
が 軍隊は一応あった。

後は映画だとハラーがダライラマの家庭教師をしていたシーンがあるけど 実は家庭教師のくだりは本編ではあまりなく、ハラーの仕事といえば電気製品の修理や土木工事の監督だったりする。

なんか書くか。
何故中国がチベットにこだわるのか
1つには水資源の問題
確かアジアの大河の殆どがチベット高原の雪解け水を源流に持つ
つまりチベットを抑えれば アジアの水資源を抑え 農業や工業に対して強い立場を得られる訳だ。
2つ目は地政学的な理由
チベットはある意味19世紀李朝に似ていて、戦略的に重要な土地でありながら国力的に自立出来ない
ならば 中国がチベットを手放す≒インドやロシアが押さえに入る となる訳だ
中国としては非常にまずい 背中ががら空きになる訳だから。
3つ目は本作にも関連するが 中国共産党のある種の神話性だ
つまり "中国共産党は何故 中国を支配できるか?"の答えが"共産党が欧米日の帝国主義者を中国から追い出したから"という一種の神話的な権威に基づく
逆にいえばチベットを手放す=チベット支配が不当と認める=共産党も所詮帝国主義者と認める となる訳だ。

まぁ他にも資源や人口の問題もあるんだけどね

では?と思う。
中国がチベットを武力侵攻したのば事実だ
だがアメリカの西漸運動やハワイ併合、日本の琉球処分等も武力を背景にしているではないか?と主に左派と中国関係者から出て来る
ぶっちゃけこの時点で "中国は他国の帝国主義と同じ穴のムジナです"と認めているわけなんだが、、、、

だが 少なくとも現在の先進国は先住民への選挙権や言論の自由を認めている
かりゆしクラブみたいに独立を訴える政党の存在を認めている

が中国がチベットへのソレを認めているだろうか
「高度な自治」を唱えるダライラマですら排除しているのが実情だ

よくチベット問題は人権問題と言われるのがまさしくコレ、人権の中でも参政権や自由権を認めていないことが問題なんだな