まず 二重ローンとは何ぞや?
例えば震災前にローンを組んで家を建てたとする
そして震災で流された
新築しなくちゃならない、当然お金を借りる

結果 前からのローンと新築分ローンの2重返済しなくちゃならない訳やね。

怖いのがここから
東北の金融機関は当然この震災で疲弊した
なら被災者達へのローンを組めるだろうか?

さぁどうする。
目下有力な説が 国(政府系金融機関)主導で復興ファンドを立ち上げ、銀行から今までの債権を買い上げる
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110808/mca1108082053011-n1.htm
銀行の手元にはキャッシュが手に入る、それを被災者達に貸し出すプランだ

では 国の手元の債権をどうするか?
おそらく 減免、凍結、放棄(棒引き)、繰延等になるだろう
つまり 待ってあげる、負けてあげる 払わなくていい という形だろう。

ポイントは"政府系ファンド"
つまり政府が直接介入するのではない為 無意味に政府のバランスシート拡大をする必要が薄いと言えよう。

今回の件では2つの事が考えられる

1つは東北地方の金融再編
おそらく東北の金融機関に政府のゼニが様々な形で入るだろう。
極論 優先株購入という形での公的資金投入もあるだろうね
公的資金は返済が必要なモノである
ついでにいえば利子も欲しい
東北の銀行群の体質を改善し 収益を稼げるようにしたい
ならどうする?
過当競争気味の東北金融機関の統廃合を進めるかもしれない。
多くのバンカーの空想だが 日本の銀行は明らかに過当競争のきらいがある
日本に"銀行"といわれるモノは122行ある つまり1県に3行だ(人口100万人辺りに1行)
明らかに多すぎる(らしい)
これを気に銀行のリストラを進めたい というのが某銀行員の発言(アルコール有)

もう1つは政府系金融機関の民営化の停滞
政府資産で断トツに多いのが 政府系企業に対する貸付金や出資金の類だ
たしか政策投資銀だけで12兆円 住宅金融公庫が57兆円、、、、、らしい
これを売っぱらって財政のタシにしたい計画があった

だが益々頑張ってもらわなならんようになった
そして意外 というか当然だが 政策投資銀は東電に莫大な貸付けがある
不良債権候補だねw
とにかく難しい

何故、こんな話をしたか
みんな『お金をどうする』という話ばかりしている
確かにそれも重要だ
だけど『お金をどう使う』『お金が動くとどーなる』なんて分析が あまり為されてないように感じた
そもそも 多くの人は『復興債』って何かもわかってない 希ガス
だから書いてみたム
三つ子のキャットシットワンの超高金利書評録-02427599.JPG

http://www.bk1.jp/product/02427599

ミツゴ評価 ☆☆☆☆

[書評]伝統と革新の間で

ナカテルである。
"貧乏人が増えればコンドームが変えなくなるから小子化がおさまる"なんて公言する人である。
そんな人の本である。

だけど本書はホンモノである、専門分野では確かな実力のある人でもある

19世紀 世界の4分の1を支配したイギリス、その道程はけっして1本道ではなかった。
欧州大陸の果てにある島国が"イギリス"となるのは16世紀頃の話だ。
ソレまではフランスに領土があったり、スコットランドがあったりするため ブリテン島=イギリス とは言えなかった。
そんなイギリスにピンチが訪れる
ネーデルランドが独立戦争を開始した。
経済的な要因は勿論、宗教的、地政学的な理由も絡み イギリスはネーデルランド独立戦争に介入する。
この辺をやや詳しく
ネーデルランド独立戦争は "ネーデルランドのプロテスタントVSスペイン=カトリック"という一面があった
カトリックを介した世界帝国建設を目指すスペインが イギリス国内のカトリック勢力と結び、ネーデルランドを基地にイギリスに攻めてくる なんて背景があった。
結果的にイギリスはスペインに勝利し海洋国家への道を歩き出す

海洋国家とは何か?通商国家であり金融国家である
通商が平和的でない事はアヘン戦争をみても明らかである、アヘン戦争の目的は"中国市場を力付くで開かせる"事に外ならない。
だが自由貿易はいくつかの問題をはらんでいた

まずは 例えば敵国のイギリス国内での戦時国債発行を認めるか、という問題
実はクリミア戦争でイギリスはロシアのソレを認めていた
何故なら貿易は"いかなるときも公平たるべき"が理想であり 公平さには敵も含まれたからだ

そして"もし他国との貿易で自国産業が衰退したら"という問題だ。
特に19世紀後半頃からドイツと米国の台頭でイギリス産業は不利な立場に追い込まれる
また産業革命は流通革命でもあり 安い穀物のイギリスへの流入を齎した

これらを取り締まる事は正しいのか?
エリート層にとりコレは正しい
彼等の生活基盤が農村の地代にあるからだ
だが労働者階級にとり 安い穀物を失う事は反対であった
20世紀初頭のイギリスは早くも老大国化の症状を見せ始めていた

ソレを如実に表したのが第一次世界大戦だ
食料自給率の下がったイギリスはドイツによる海上封鎖に極めて弱くなっていた
そして イギリスの御家芸とも言える海軍力
一大艦隊戦であるユトランド海戦でドイツに"勝てなかった"事実がある
冶金や光学の進んだドイツ海軍は ネルソン時代を引きずるイギリス海軍を圧倒、イギリス海軍がナンバー1の時代の終わりを表した

そして1番の問題点が イギリスが多くのエリートを失った事だ
ノーブレスオブリージュの下 イギリス貴族の子弟達は下級将校として戦場に出征し、帰ってこなかった。
コレはイギリスとり深刻な人材難をもたらした上、帝国を支えた 精神的な"何か"を失う事にもなってしまった
やがて享楽に満ちた時代をむかえ、そしてチャーチルと第二次世界大戦を迎える

バトル オブ ブリデンの下 イギリスは勇敢に戦い 勝利した。
だが、そのための戦費や物資はアメリカから借りたモノだった訳やね
借りたからには返さなければいけないし 担保や利子もいる
イギリスが持っていた植民地利権を失う理由にもなったし 戦後も貧しい生活を強いられる背景にもなった。

本書のポイントは、「何故欧州の果てのイギリスが世界の覇権を握れたか」という事にあると思う。
イギリスは何度も"もうだめぽ"という時期があった、例えばフランスの台頭や植民地アメリカの喪失等やね
では、何故イギリスが粘り強かったのか?

答えは 人材、有能な貴族階級とソレを支持した国民、彼等が情報を重視した点にあるといえる

今回のお題は:"海外子会社からの配当非課税"の是非

たとえばトヨタの子会社がA国にて100億円の利益をあげたとする。
A国の法人税実効税率が25%とする
つまりトヨタA国子会社は75億円の利益の蓄積がある訳やね。
さて、この75億円
トヨタ本社に送金するのは適切か?

トヨタ的には不適切なんだ
なぜなら日本の法人税実効税率が40%、つまり(40-25=15%)分を日本政府に納めなくちゃならん。

日本の本社に利益を送ると15%分損をする
→なら送金しない
→日本企業は海外で荒稼ぎしている(利益の3割とも)
→でも日本に金を送らない
→結論 企業は海外に富を蓄積するけど 日本にはお金が来ない

特にコレは深刻な話
何故なら近年は 日本企業は 輸出→現地生産にシフトしつつあるから
輸出は日本経済にプラスだが現地生産はさに非ず。

さぁどないしよう。

という訳で 海外からの送金には税をとらない との運びになった
具体的には 先の例題でいうと 15%分はとらない訳やね

ちょい専門的にかけば"海外子会社からの配当の益金不参入"という訳

コレには2つの考え方がある。

1つは肯定論
まず、日本国内にお金が戻りやすくなるから、そのお金で投資が増えたり 配当が増えるんじゃないの?という期待
さらに言えば、この"海外子会社の内部留保"は一時的な蓄積→繰延税負債 という認識でもあった。
http://cpa-yama.seesaa.net/article/116659183.html
つまり「いつか国内に送金する予定の利益」として"いつかの課税対象"になっていた訳やね。
もっというと 負債の一種
ソレがなくなる訳だから 負債の減少→純資産の増加→包括利益の増加 となる訳だ。

次に反対意見
コチラはシンプルだ。
簡単にいえば
"海外の投資が回収しやすいから、海外に投資しまくろう"
"結果的に国内が空洞化する"
といったモノ
まぁ多言は要さないだろう。

この2つの意見対立は こう言う見方が出来るだろう。

それは国の未来
まず 肯定論は国の将来のメシの種については"海外からの利子収入"と認識している。
つまり小子高齢社会に合わせて、生産が減り輸出が不利になるだろうから、海外からの利子をメシの種にしようとの発想だ。
否定的意見については、現実に雇用を作るのは財の生産、とくに製造業との認識だ。
中国の床屋が安いからといって中国まで髪を切りに行く人はいないが 中国のパソコンを輸入する人は確実に存在するからだ。
つまり"海外からの利子と製品を受け入れるか"と"利子も製品も受け入れない"との対立である。

目下のところ"国際収支発展論"的には肯定論が力を得ている
しかし 日本人の企業に対する不信感増大が"ヤツら海外にばかり投資する、国内に還元しない"という認識を広める可能性も存在する
(注:ジョゼフ・ナイによれば公的権威に対する不信感増大は先進国共通の傾向らしい)

つまりだ、海外からの利子収入獲得の容易化は 海外投資の増大に繋がる
ソレが国としては正しいか否かの対立論 とのお話



眠い

まぁ計算
まず 日本のマネタリーベースは約110兆円http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mb/base1105.htm/

原田泰によればマネタリーベース1%の増加が0.76円の円安に動くらしい

現在 1ドル=77円
かりに 1ドル=85円 まで持って行きたいとする
つまり8円分円安にしたい訳だ
8÷0.76×110≒12兆円

大体のマネタリーベース拡大幅は12兆円だ

じゃあコレで円安になって輸出企業が救われんの といえば些か早計である。
何故なら マネタリーベース拡大はインフレに繋がる
つまり輸出品の生産コストに跳ね返るわけだ。

ただコチラhttp://d.hatena.ne.jp/abz2010/20101020/1287609913をみると マネタリーベースと物価には弱い相関関係しかないとある。

が、注意が必要なのがある
1000年生きた木が来年も生きる確率は低いように、日銀の自己資本比率や資産のGDP比をみると 結構カツカツであったりする

《余談》
よく"流動性の罠"という言葉を使う
コレは、資産が高すぎる/利益が低すぎる 場合 金融緩和が資金需要拡大に与える影響が限定的というモノ
ぶっちゃけた話をすれば 日本が流動性の罠に陥った原因は まだまだ資産価格が高い事がある
例えば 国富
バブル期 日本の国富はGDPの8倍、現在は5倍である

だがアメリカ、サブプラバブルの絶頂期でやっと5倍なんだ
つまりだ アメリカのバブルの資産価値=日本の今の資産価値 となる
資産価値が高ければ投資利回りは低い
利回りが低いと投資が増えない 資金需要が増えない 貨幣回転が増えない 物価が上がらない となる

別に日本人のオツムが貨幣愛が強いからじゃないんだな

《余談、その2》
実は震災を受けて 現時点でマネタリーベースは10兆円程増えている
そもそも4月時点で120兆円程あったのだが 5月には110兆円まで減少