超高金利書評子、三つ子のキャットシットワンの間-220px-西藏七年.JPG

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ミツゴ評価 ☆☆☆

【書評】奥さん、知ってました? ブラット・ピットは中国に入国できないんですって!

はい、ホント
本作が"反中的"という理由で 主演のブラピと監督は中国に入国出来なかったりする

話の筋は 第二次世界大戦前後
オーストリア人のハリンリヒ・ハラーはエベレスト頂上を目指して (当時イギリスの植民地の)インドにいた。
が、ドイツのオーストリア併合と第二次世界大戦により、ハラー一味はイギリス官憲に捕まってしまう。
なんとか収容所から脱出したハラーはドイツの同盟国日本の勢力エリアの中国へ逃げようと"神秘の国"チベットへ密入国をはたす
そこで 7年に渡りチベット人と交流し、やがては幼年のダライラマ14世の家庭教師を勤める
が、やがて戦争が終わり 中国では中華人民共和国が成立
そして中国が本格的にチベットへ侵攻して来た!
ダライラマ政権は崩壊し、ハラーもまたチベットを離れる、、、、、
というお話

本書を読んでいくつか

1)チベットは鎖国をしていない

いや鎖国の定義にもよるが。。。。
少なくとも"チベットが他国と一切交流を持たない閉ざされた国"というのが誤りである。
まず 当時のインドがイギリス領という事もあり、インド経由で英語文化がドシドシ流れて来た
富裕層はインドへ留学したりするから英語が話せるし、日が遅れるならインドの新聞や「Life」すら読めた。
また 当時はちょうどラジオが普及しだした頃なんで 短波放送で世界の放送を聞いていたりもした。
ついでにいえば チベット名物のバター茶も 茶葉は中国からの輸入品だったりする。

2)チベットは普通に軍隊を持っていた
が、はっきりいえば貧弱だったらしいが
もともとのチベット人の栄養事情が芳しくない事と、チベット自体が前近代的な小国であった為 大規模な軍隊を持てなかったりする。
が 軍隊は一応あった。

後は映画だとハラーがダライラマの家庭教師をしていたシーンがあるけど 実は家庭教師のくだりは本編ではあまりなく、ハラーの仕事といえば電気製品の修理や土木工事の監督だったりする。

なんか書くか。
何故中国がチベットにこだわるのか
1つには水資源の問題
確かアジアの大河の殆どがチベット高原の雪解け水を源流に持つ
つまりチベットを抑えれば アジアの水資源を抑え 農業や工業に対して強い立場を得られる訳だ。
2つ目は地政学的な理由
チベットはある意味19世紀李朝に似ていて、戦略的に重要な土地でありながら国力的に自立出来ない
ならば 中国がチベットを手放す≒インドやロシアが押さえに入る となる訳だ
中国としては非常にまずい 背中ががら空きになる訳だから。
3つ目は本作にも関連するが 中国共産党のある種の神話性だ
つまり "中国共産党は何故 中国を支配できるか?"の答えが"共産党が欧米日の帝国主義者を中国から追い出したから"という一種の神話的な権威に基づく
逆にいえばチベットを手放す=チベット支配が不当と認める=共産党も所詮帝国主義者と認める となる訳だ。

まぁ他にも資源や人口の問題もあるんだけどね

では?と思う。
中国がチベットを武力侵攻したのば事実だ
だがアメリカの西漸運動やハワイ併合、日本の琉球処分等も武力を背景にしているではないか?と主に左派と中国関係者から出て来る
ぶっちゃけこの時点で "中国は他国の帝国主義と同じ穴のムジナです"と認めているわけなんだが、、、、

だが 少なくとも現在の先進国は先住民への選挙権や言論の自由を認めている
かりゆしクラブみたいに独立を訴える政党の存在を認めている

が中国がチベットへのソレを認めているだろうか
「高度な自治」を唱えるダライラマですら排除しているのが実情だ

よくチベット問題は人権問題と言われるのがまさしくコレ、人権の中でも参政権や自由権を認めていないことが問題なんだな