三つ子のキャットシットワンの超高金利書評録-03156713.JPG

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ミツゴ的評価 ☆☆☆☆+☆×0.5コ(☆4.5コ)

[書評]フレイザード的人格

マンガ「ダイの大冒険」にはフレイザードという敵役が出て来る
コイツは魔王に作られて1年足らずなんだけど 手柄に固執するんだ
人格に経験値がないから、手柄以外に自分の存在意義を見いだせないからだ

まさしく、創業家の跡取りとはコレである。
あまりに偉大な親、その親の財産(会社)を維持 発展させる事のみが 存在意義であるかのような存在である

だから時には無理をする、偉大な先代を乗り越える為に冒険をしたりする。
成功をすれば「中興の祖」
失敗すれば「唐風と売家の三代目」
なんて呼ばれる。
無茶をしやすいから、番頭格が廻りを固めて暴走しないようにもする
が、次は番頭格と後取社長が対立しやすくなる

親の方も大変である
子供と価値観が違うのは当たり前、当然対立する。
松下幸之助みたいに子宝に恵まれないから余所から養子を貰うと コイツがハズレであり、創業社一族VS経営陣 なんて構図を作ってしまったケースすらある。

そんな創業家ファミリーについていくつか気になった事を書いてみる

ケース1
武田家(武田薬品工業)
1980年の事だ、6代目社長は長男の武田彰郎に時期社長を譲ろうとした
が、彰郎氏はジョギング中急死、6代目社長もショックで倒れてしまう
彼を三男の国男氏が見舞うんだが、1言「なんでくだらんお前が生きとんのや。彰郎の代わりに、このアホが死んどってくれたらよかったんや」と
そう 7代目社長になる 国男氏はバカにされていたんだ。
が この人はバカではなかった
親の代からの役員を排除、会社全体の意識改革をする(当時の武田は、和の精神=馴れ合い、となっていた)
儲かっている事業(武田食品工業)ですら売却し、医薬品の研究開発費に廻す
そして蓄えた資金で とにかく会社を買収、買収 規模の拡大を計る
なぜ、ここまで急いだかといえば 日本の製薬業は利益や技術に比して 規模が小さい→欧米からみていいカモだからだ。
つまり体力を付け企業を大きくしないと「喰われる」恐怖が背景にある訳やね。
コチラは跡取りが有能だったケースだ。

ケース2
松本家(パイオニア)の場合
パイオニアという会社は元々松本望氏が立ち上げた会社で、60年代にカーオーディオで成功した会社だ。
だがレーザーディスクの規格統一戦で苦戦を強いられていた
ソレを救ったのが石塚庸三だった
まぁ彼はメキメキ成果を上げだ訳だが松本望と対立する
よくある話で、番頭が有能なら 創業者一族が霞んでしまう という話だ
会社が順調ならそれでもいい
だが 問題が発生する、テレビ事業だ
テレビこそ家電の王様と考える向きは多い
だがテレビは価格競争戦の最中にあり、莫大な設備投資を要求する
石塚はテレビからの撤退を進言
だが創業者はテレビにこだわった
結果は惨敗、会社存続すら怪しくなった。

人間の能力は割と人との関係で現れる
創業者一族では一族間 番頭格との間等複雑な人間関係による事が多い
パナソニックのように創業者と番頭の対立が経営リスクになった会社も少なくはない。

世襲企業は不況に強い、としばしば言われる
だが本書を読んだ感想はさに非ず
同じ血筋でも能力が受け継がれるとは限らないし、長期的スパンで考えられるとも限らない。
企業評価の1要素として人間関係が重要だと解らせてくれる1冊
先ずはボンドコンバージョンとは何ぞや

通常、量的緩和政策を行う時、中央銀行は大量の資産、特に国債を買う

国債には当然金利リスクがある
リスクをなるべく負いたくない人は 国債を買いたくないから量的緩和を行いたくない と考える

ソレに対する解答として、バーナンキ氏が考えたのがコレ
つまり 日銀が(国債の売人である)財務省と協定(アコード)を結んで 国債の利払いを一定に抑える(つまり高値安定で買ってもらう)
高値安定なら日銀は安定して利益を上げ、その分財務省は損する訳だが、日銀はその利益を国庫に還元するので トータルでは損をしない
要するに、一種のオプション取引やね、そんなに難しい事ではない

ではこの政策に問題点はあるだろうか?
1つには、金融政策のフリーハンドの阻害だろう。
仮に何等かの事情で金融を引き締めたい、と考える。
すると、普通は日銀は保有資産を"市場で"売却する訳だが、売却時に差益、差損が発生する。
つまり、財務省とのアコードが役に立たない。
結局金利リスクを引き受ける事になる

じゃあ 何故ボンドコンバージョンが語られるのか(ボンドコンバージョンの活躍する局面は?)

1つには、最初から市場での売却を前提としていないケース
つまり日銀による国債引受を考えている場合だ(日銀引受には事実上の降伏宣言みたいなモノだ)。

他方では、一種の意志表示、それも"背水の陣"といわれる類のものと私は考えている
コレはコインの裏表でもあるんだが、ボンドコンバージョンを政策として採用した場合、"金融政策によるインフレ抑制が出来ない"事は皆が知る事になる
つまり、誰もが途中でのインフレ抑制がない、とかんがえ 期待インフレ率が高まる点にある(インフレ期待が投資を活性化させるとも)。

コレを"ブレーキの壊れた列車"とみるか"急ブレーキのかからない乗り物"と見るかは人次第
乗り物の理想は"なるべく安定した運行でありながら、天候等に配慮した設計"であるからだ。

因みにコチラのブログをアテにしましたhttp://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/33237678.html

余談
"背水の陣"といえば兵理(軍事)的に 禁断の術といわれている。
退却路を立つ事は、軍の退却→再編制(立て直し)→リベンジ のチャンスも断ち切る意味もあるし、最悪"死ぬくらいなら"と反乱や投降を促す結果にもなるからだ。
一方 背後との連絡を断ち切る事で"バックから攻撃を受けるリスク"=前後から挟み撃ちを受けるリスクを抑え込む1面もある。
軍事的には極めて"非常識"な選択だからこそ歴史に残った訳やね
参考http://mltr.ganriki.net/faq12c04t.html#15693
三つ子のキャットシットワンの超高金利書評録-110701_2143~01.JPG

映像の20世紀のパロディ

元ネタはコチラ
http://www.glooth.com/eizo/
    ー
   キ
  ス
 タ


BGMには加古隆「パリは燃えているか」推奨
最近話題の円高ネタ

個人的に注意したいのが「円高で中小企業が大変だ」なんて書き方。
何故なら「何故円高で大変なのか」とは触れていないからだ。
例えば
輸出企業なら「円高で北米市場で韓国勢に苦戦を強いられて大変」
サービス業なら「お客の輸出企業従業員の消費が減って大変」
内需系なら「安い中韓製品が流入して大変」
といくつかシナリオがあるからだ。
シナリオが違えば傾向と対策も違ってくる。

分析とは 物事を「分」けて解「析」する事に他ならない訳やね。

では本題
実は実効為替レートでみればまだ 円安水準だったりする。
BISによれば現在ですら01年7月の為替より9%安い
また輸出品の購買力平価でみれば、1ドル=65円 程度だったりする。http://www.iima.or.jp/research_gaibu.html

どーいう事かと言えば米国でインフレが起きた結果 ドルが安くなったからだ
注意がいるのは日本がインフレになっても輸出は別に増えない点だ
何故なら その分生産コストが高くなるからだ。

若干ズレた
では問題は何処にあるか?
実は米国はインフレ気味だ。
だが全ての製品がインフレかと言えばさにあらず
10年前と比較すれば。。。。。

全体の物価上昇 +21%
サービス業 +23%
非耐久財 +26%
耐久財 ▲10%

つまり「日本の輸出品分野だけデフレしています」となる
最たるモノはテレビ(▲83%!)

だから企業が海外行きます、なんていってもよく見ると食品やサービス分野が大きいと思うよ

そしてこのデフレってる世界で韓国が台頭しつつある
少し乱暴だけど マーケットが小さくなりつつある分野で新興国が伸びつつあるのが現状なんだ

結論:「中小企業が大変」「町工場が大変」というなら、まず「何故大変か」を考えてみるべき

内需系メーカーが大変だ 米国でデフレのせいで、なんて訳わかんない文書書くハメになりまっせ

なお この文章はダイアモンド誌の加藤出氏の記事をまんまパクりました