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ミツゴ的評価 ☆☆☆☆☆

【書評】恐怖の黒字倒産

黒字倒産 という言葉がある
意味は 会社が黒字なのに倒産してしまうケースで たいていの理由は"資金繰りがバーストしたから"になる
では 何故資金繰りが破裂するのか?と言う疑問が出て来る
ソレに対する解答が本書の目的である(と私は思っている)

2つ程例をあげてみる
1)王将の場合
王将は90年代末には実は倒産の危機にあった
利益は出ていた
毎年 320~400億円の売上に対して35~45億円の経常利益、経常利益率の合格点が5%なので 軽く10%をたたき出している王将は(利益だけを見れば)相当な優良企業だとわかる
が、問題はキャッシュフロー(以下CF)のお話
キャッシュフロー計算書には大きく 営業CF(本業の儲け)、投資CF(投資に使うお金)、財務CF(貸し借りに対するお金)がある
00年度決算を見ると 営業CF<投資CFとなっている
つまり 本業で稼ぐ以上のお金を投資に費やしている訳だ
個人レベルで見るとわかりやすい
例えば 年収500万円の人が3500万円の住宅ローンをかりるようなモノだ
ならば次は何が起きるか?
ローン返済に四苦八苦するのが目に見えている
王将もまさしくコレだった。
つまり 莫大な投資→有利子負債の増大→返済額の増大→資金繰りの悪化→経営危機 という訳だ
ポイントは何故、莫大な投資をしていたかという事だ
実は、王将 不動産関連に多額の融資をしていたらしい。
飲食店は水商売であり、収入は不安定だったりする
ならば安定した賃料収入に惹かれるのもムベなるかな という話になる
だが 王将の場合は体力以上の投資をした訳やね
ソレが結果的に王将の資金繰りを悪化させる形となってしまった訳だ

2)Q社の場合
中堅空調メーカーのQ社、この会社も王将と同じく キャッシュフローは赤字なのに損益計算書(PL)は黒字のケースだ。
ただ王将とは違うのは投資にお金を余り使っていなかった事
王将は 営業CFの黒字を投資CFが食いつぶしていた点にある
が、Q社の場合は差に非ず
「PL上で黒字なのに営業CFが赤字」という意味不明な現象を起こしていた。
答えは 売上債権の急増
平成15年度の売上債権は約23億円、前年が6億円なので 約4倍に膨らんでいる
つまり利益を上げても利益をお金ではなく"掛"でもらっていた訳やね。
ここで1つの可能性が立ち上がる。
何故 売掛金が急増したのだろうか?
1つに考えられるのは循環取引の存在だ。
つまり協力会社に架空の発注をさせて利益を多く見せる手口である。
架空の発注なのでやり取りはお金ではなく 売掛金や手形等の売上債権となる
つまり粉飾決算で本来以上に利益を大きく見せていた可能性が極めて高い、といえる
キャッシュフロー計算書を精読すれば簡単に気付きそうな話だが どうも当時はあまり読める人がいなかったらしい
だからQ社には多くの銀行が融資をし 大半を焦げ付かせた訳だ

最後に本書に関して
・読みやすい
・様々な会社のデータがある
点は吉
会計に興味のある人は読んでおいて損はない、と思った
三つ子のキャットシットワンの超高金利書評録-110918_1242~01.JPG

石油高・穀物高になぜ翻弄されるのか?

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ミツゴ的評価 ☆☆☆☆

【書評】貨幣とインフレ

一時期 野口悠紀雄は デフレの原因を「資源価格の下落」と説明していた
日本のような資源輸入国にとっては 資源価格下落は望ましい、デフレは当然だ 財政拡大や量的緩和によるインフレ政策は無意味だ、と

だが 本書を読めばそれは誤りとわかる
仮に景気が安定している環境で、資源価格が下がった、とする
ならば人々の実質所得は上昇するわけだから 消費が増え 資源以外の物価、とくにサービス価格が上昇するはずである
でも 実際はサービス価格、特に賃金は低下している、これ如何に?

日本はかつて3度の石油危機に襲われた
73年(第4次中東戦争) 79年(イラン革命) 08年(投機マネーによる)だ
では 何故73年と08年ではインフレ具合が違ってくるのか
著者は日銀の金融制作に由来する、とある
わかりやすく言えば73年当時は マネーストックの増加率が高かった(25%超)からだ

さて本書では 物価の決定要因を金融政策においている
本書は 金融政策とインフレに焦点を当てた訳だが、「何故」マネーストックが増えたか?についての考察が足りない
一応73年石油危機について触れれば ドルショックによる円高に対する 為替介入によりマネータリーベース増となる
その辺の明記無しでは 不親切では?と思う

また 一貫して貨幣回転の低下とあるがその辺の解説も欲しい所
本では、「デフレにより、貨幣需要が増大した為」としているが、では何故デフレなの?な解説がない(トートロジーになりつつある)

あと 個人的に気になるのはフィリップス曲線の回帰分析の下り
著者は90年代以降のフィリップス曲線の係数が(-0.8519)、つまり失業率が1%下落時にCPIが0.85%上昇する、逆に言えば ある程度のインフレはある程度の失業緩和効果があると書いている。
が、問題は統計の信頼性だ
写真にR^2、とあるけど コレが統計の信頼性を表す
一応の合格点が0.7なんだが このフィリップス曲線の値は0.6886と微妙な数値
正直いえばその辺のツッコミも欲しい所。
何故なら これから「インフレ誘導による失業率下落には議論の余地がでてくる」と言えそうだからだ。

まぁ統計には100人いれば100通りの解釈が成り立つ難しさ(と面白さ)が存在するんだけど ね
三つ子のキャットシットワンの超高金利書評録-110831_1919~01.JPG

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ミツゴ評価 ☆☆☆☆+☆×0.5(☆4.5コ)

<書評>貨幣の物語

まずこの本は貨幣の歴史について、過去 現在 未来について書いてある 分量は 気持ち60:35:5 だ

さて筆者の主張は、ズバリ「マイナス金利の導入」である
通常金利がマイナスにならないのは、「銀行に預ければお金が減っていく」ならば、たんす預金が増えるだけだからである
筆者はやがて電子マネー化が進めばマイナス金利導入が容易になると主張する

では何故デフレが経済に悪いのか?
答えは"実質金利が高くなる"からだ(実質金利が高いと投資が減り、雇用とGDPが増えない)
リフレ派(インフレ推進派)の言い分は「緩やかなインフレにより実質金利を押し下げるべき」となる
問題は「インフレは緩やかな水準に制御可能か」「実質金利が本当に低下するのか(フィッシャー効果)」という事

筆者はリフレ政策(特に非伝統的政策)には否定的だ。
実は、量的緩和をしても理論的には紙幣の価値は落ちない
紙幣の価値=日銀の信用、とすれば、負債の増加=資産の増加=日銀の収益性、となるからだ(MM理論)
注)ただし国債は変額商品の為、金利リスクはあるにはある、またソブリン危機がダイレクトに金融危機とリンクする事も有り得る。

では、ヘリコプタードロップ、つまりお金をタダでバラまいたらどーだろうか?
人々がどのように考えるのか?に依ってくる。
タダでバラまくという事は、当然日銀の資本を削る事になる(資産が増えないから)
つまり、その分を増税で埋める必要が出る、と"皆が考える"
すると、人々は消費を控えるだろうし、景気はよくはならない。

では、通貨の信認が落ちる事を覚悟して、自己資本比率を低くしたらどうだろう?
円の信認が落ちると円建の長期債権は嫌われる(受取が信用のない日本円だからだ)
結果 外貨建国債を発行せざる得なくなり、毎年莫大な外貨での利払いに苦しむハメになる、と筆者は語る

なんか生臭くなってきたな

歴史の話をしよう

金融の始まりは古代メソポタミアにまで遡る、何しろ3800年程前のハンムラビ法典にすら法定金利の記載がある
日本でも古墳時代には出挙(すいこ)というシステムがあった、要は農民に春、籾種を貸付け 秋に返済を迫る訳だ
こうして見れば金融の始まりが農耕の始まりとリンクしているのがわかる

やがて 金貨や銀貨が出て来る、これは金や銀が 穀物に比べより持ち運びや蓄積に有利な事からだろう
そして「紙幣」なる紙切れが出て来る
例えば 国が大規模工事や戦争でお金が必要だとする、当然 民間から借りる訳だが、その手形として紙幣が生まれた
「この紙切れは何時でも金貨や銀貨と交換出来ます」となれば 「紙切れ=金貨や銀貨」という構図が成り立つ、紙幣なる紙切れが金貨や銀貨と同じ様に買い物に使われる訳だ
少なくとも政府がちゃんと紙切れを金貨や銀貨と交換してくれると「信用されている」かぎりは
だが 時に政府は信用されない、何故なら紙幣は金貨や銀貨と違い、いくらでも作ることが可能だからだ
そこで、紙幣を発行するセクションを政府から独立させては?となる、これが中央銀行の始まりだ
例えば 世界初の中央銀行であるイングランド銀行を見てみる
17世紀当時イギリス政府は海洋覇権をオランダやフランスと争っていた(3回戦争している)、戦争になれば当然戦費が必要だ
イギリス政府はイングランド銀行からお金を借りる、後の世の中なら戦時国債の購入というスタイルやね。
イングランド銀行は必要な資金を民間から調達する、これは「捺印手形」という証券の発行による
この「捺印手形」が信用が高く 後にポンド紙幣になる訳だ
三つ子のキャットシットワンの超高金利書評録-02365858.JPG

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三つ子的評価 ☆☆☆☆☆

【書評】漢(オトコ)臭いマンガ

面白い、是非に!
やはり 初期から大分絵が変わっている
ミュラなんてモロ北斗の拳 あたりに出てきそう。
とにかく面白い、歴史の勉強にもなります

獅子の時代が全15巻、覇道進撃が今やっているが、獅子の時代の前半はフランス革命モノ 後半はナポレオンのイタリア~エジプト遠征までを描いている。

ランヌかっこえぇ
マッセナ極悪人
ベルティエ可哀相

因みに私はこのマンガで始めてラザールカルノーなる人物を知りました
アマルガム法(新兵とベテランを適度に交ぜ、部隊の教育をする)なんてモロ ブラックベルトやんか!スゲェェェ

とにかく読め