我々の生きる世界には様々な制約がある
最たるものは道路の速度規制だろう、速度規制には合理的な理由は(おそらく)ある

では、例えば金融の世界でもしばしば規制はある
コレは 他人のお金を預かる事+暴走時のインパクトの大きさに由来すると思うけど 例えば アウトライヤー規制(金利リスク÷自己資本比率)は20%、BIS規制なら7%(リスクアセット÷狭義の自己資本)以下が望ましい、なんて言われている。
規制が必要なのがわかりやすい
だが、20%や7%にどんな意味があるだろうか?
それを合理的に説明できる人間が何人いるだろう?私には無理だ。

結局は駆け引きの結果、となってしまうんだな

さて本題。
人民のと、、、もといみんなの党が復興財源として復興債の日銀引受を主張している。
戦後間もなく 引受をした時と違い 需給ギャップの範囲で行う為 極度のインフレはない らしい
はっきりいえば誰でも思い付く、魅力的なプランだ なにしろ日本経済の問題であるデフレと復興費用を一気に片付ける事が出来るのだから。

ではソレへの反対意見はどうだろうか
最大の問題は"規律"の問題だろう
http://jp.reuters.com/article/marketEyeNews/idJPnTK056766020110401
閣僚が日銀引受を仄めかしただけで国債金利が上昇した。

つまり市場は少なくとも日銀の国債引受には否定的な見解であるといえる
もっと言えば 便利過ぎる「国債引受」というカードの乱用はインフレと金融の混乱という結果を招きかねないからだ
一部では「デフレ期にインフレを気にするのは子供が自分の葬式を考えるようなモノ」とも聞かれる(子供が死を意識するのがそんなに珍しいか?)
だが インフレ下、ソレも通貨の信認を失うソレは 少なくとも誰にも予想できない事態だ
ならば債券発行にリスクプレミアムが発生し、高金利が景気を冷やす事にもなりかねない

結局の所、日銀の国債引受を主張したければ、何等かの形で無限の引受を抑止する協定(アコード)が必要になってくるとは思う。
例えば日銀の自己資本の問題とか
或いは(誰が支持しているか解らないが)日銀券ルールとか

だが一方で制約の存在は"一定以上の金融緩和は出来ないだろう"的な発想を生み インフレ期待を妨げる一面も有している。

結局は その微妙なラインは駆け引きで決まるんだろうなぁ、と思う 今日この頃
三つ子のキャットシットワンの超高金利書評録-03333449.JPG

http://www.bk1.jp/product/03333449

内容説明

国内、国外を問わずに、あらゆる角度から収集された社会データを相関図に表し、そこから見えてくる事実とその裏に潜む現実を明らかにする。相関図として表す際のグラフの見せ方についても解説する。

ミツゴ的評価 ☆☆☆☆

【書評】大切なのは決定関数(R^2)

統計ネタ、正直いって1つのネタを掘り下げるタイプの書評なのでテーマが幅広いとやや書きにくい
でも書いてみる。

1)たばこ価格と喫煙率
各国のタバコ価格と喫煙率を比較すると 実はたいした相関関係にない(R^2=0.0778)とある
例えばしばしば日本のタバコは欧米に比べ割安(税金が安い)といわれる
だが欧米の喫煙率は日本に比べ決して低くはない。
ただし注意がいるのが コレから「タバコ代を引き上げても喫煙率は下がらない」とは言えない点
何故なら比較はあくまで国事だから 日本国内の比較ではないからだ

2)小子化対策
小子化予算(GDP比)と出生率の相関関数の決定係数は 0.2794と決して高くはない
例えば米国みたいに殆ど小子化対策をしていないのに出生率の高い国、オーストリアみたいに逆のケースもあるからだ
ところがコレに高齢者向け予算を入れてみる
小子化対策予算/高齢者対策予算 と出生率の比較をすればR^2は0.6131にまで高まる。
高齢者の福祉はある1面では「子供を生まなくても生活できる」というインセンティブを与えているからだ
注意がいるのはコレは「子供に養ってもらう」というより「福祉をになう子供がいなくても福祉を味わえる」というフリーライダーの問題でもある
結論としては高齢者福祉ばかりに力をいれず 子育て支援も大切ですよ、という訳やね
そういう意味ではバラマキ4Kのうち高校無償化と子供手当は考え自体は正しかった訳だ(問題は予算的な裏付けとフリーライダーの問題、要するに政策実行を担う民主党が無能だった事)

三つ子のキャットシットワンの超高金利書評録-02987838.JPG

http://www.bk1.jp/product/02987838

ミツゴ的評価 ☆☆☆+☆×0.5(☆3.5コ)

【書評】異色の企業

日本電産は異色の企業だ。
通常の会社と異なり成長モデルがターンアラウンド(技術があるが経営不振な企業を買収、建て直しをする)を採用しているからだ。
つまり 積極的なM&Aが成長の基盤になっている。
本書の構成は前半が買収の事例(三協精機のケース)、後半は経営者永守重信の人となり等をまとめている。

故に前半を読むには会計に多少の理解はあった方が楽しく読める、と思う
なかなか企業買収の現場には立ち会えないモノだから、ドキュメント形式のソレはなかなかスリリングなモノ
やっぱり企業買収のバックには銀行がいるんやねぇ
ついでにいえばたいてい簿外債務、というか隠れ負債ってあるもんやね

問題は後半部分だ
この会社「人を切らない変わりにハードワーク(重労働)、サービス残業は当たり前」というスタイルをとっている。
読むほどブラック企業臭が立ち込める会社でもある。

本書ではその辺の指摘が弱い、と思った。
大経営者ジャック・ウェルチは優良な企業の条件に「潤沢なキャッシュフロー」「優れた製品やサービス(による顧客満足度)」「高い従業員満足度(ES)」と挙げている(日本風にいえば"三方よし")
日本電産が優れた企業であり 永守重信が優れた経営者である事を表わすには三方がいい事を証明しなければならない
キャッシュフローへのこだわりは十分に書いてある
だが従業員満足度、特に離職率への考察はスッポリ書いていない。

実は経営とは「人をどう扱うのか」というテーマが大きな課題である
より言えば「どうやって従業員にやる気を出させるか」ともいう。
例えば給料に工夫をするのも1つ
成果給1つとっても様々な考え方が出来る。

本書ではソレが抜けている。
より言えば「日本電産さんは厳しい社風ですが、いかにして従業員のモラル(士気)を維持していますか?」という疑問に答えてはくれない、と言える
一応は「業界No.1の賃金水準」というのが答えになるかもしれないが その辺の追求が弱い(追記:少し調べたが案外賃金は高くはない、http://yoikaisha.com/contents/company/6594.html)

なんか青臭い書き方になったかも知れないけど、企業は人、という以上は人との付き合い方についてもう少し詰める必要はあったのでは?と思う。

正直 日本電産がブラックだろうがピンクだろうが構わないケド、なら「本当にブラックなのか」「ブラックなら離職率が高いのではないか」「離職率が高いなら何故高成長が可能なのか」「海外ではソレで通用するのか」・・・・・そうした疑問には本書はあまり答えてはくれない。
三つ子のキャットシットワンの超高金利書評録-03312137.JPG

http://www.bk1.jp/product/03312137

三つ子的評価 ☆☆☆☆

【書評】若干わかりにくい

正直いえば私には若干わかりにくかった
何故なら、特に最後の平和相互銀のケースがそうだけど、登場人物が多過ぎて把握しきれない
まぁソレだけカネに絡む利権が複雑であると言えそうなんだけど 出来れば図表にコンパクトにまとめてくれたらよかった、と思う。

個人的に少し気になったのはNOVAの話
NOVAといえば英会話で有名なんだが実は裏の顔があったりする
自己資本比率の低い銀行に対して、融資と引き換えに新株を購入する、、、、つまりカラ増資を行う会社でもあった。
ソレにかかったのが本書で取り上げられた新潟中央銀行であった。
「銀行家は事業家であれ」「人の反対の事をやれ」という大森龍太郎頭取の信念の元、バブル崩壊後に大規模プロジェクトに首を突っ込みまくった訳だ。
当然 ズッこける、不良債権がたまる、自己資本比率が低下する
で NOVAに頼った訳だ。
NOVA側も 受講料を1年分、など集めていた関係で 受講生に融資をしてくれる金融機関を探していた背景があった。
最終的には、大森頭取は逮捕される訳だが。

簡単にまとめると銀行って矛盾のある商売だとおもた
銀行のカネはみんなのお金である、これは間違いない
ならばなるべく公正明大に運用されるべきである
が、カネの性質上、どうしても色んな人間がやってくる
最終的には、頭取一族や色んな連中の食い物にされる事が多い
そうおもた