TRIANGLE -88ページ目
見失うたび
答えを殺して
苦しむのは
強く掴んだ右腕に
ねぇ、分かってる
だから言わないで
そんな雑音
聞きたくない
そうだろう?
いつだって
僕の価値観は
指標にはならない
君の目には
汚く映るものも
僕には大事なものなのに
触らないで
関わらないで
僕は知りたくない
分かったなんて言って
良い子でいたくない
どうして僕から奪うの?
嫌だという言葉も
全部押し殺して
どうしたら伝わるの?
いつだって
聞く耳を持たないのは
君のほうじゃないか
僕の言葉は
何度君に殺されただろう
積み重なる言葉の屍は
悲しげに僕の胸に残るのに
掠りもしない
君の言葉で
僕は死んでいく
泣きたくなって
また見失って
答えを殺していく
苦しくて
辛くて
悲しくて
それなら
僕は、
何処にでもありそうな
ありふれた話
僕は今でも知らない
たくさんの言葉は
たくさんの感情に撃ち落とされた
遠くにいってしまったなら
それだけの話なのに
君が隣で手離した
届かない思いは
静かに宙に揺らめいている
どうしてだろうか
曖昧に触れた其れは、
初めから分かっていた
どれだけ近くにあっても
君に手向ける花の名を
僕は今でも知らない
小さく折り曲げた
心の端を伸ばして
逢えないと嘘吐いた
君の手を握って
どうしてもう一度走り出す?
追いかけても
届かないなら
知らないふりを繰り返せよ
どうしても言えないなら
伝えなくてもいいよ
君に渡したあの花束を
僕はもう二度と作れないけど
あの日の花の名を
二度と 呼べぬけど
灰色の街で
少年は泣いた
街灯は群れて立つ屍の歌
伝えたい事は
もう見付からない
知っているよ。
ギターの代わりに銃を片手に
生きる事を望んで、
その癖強く死にたくて
そらが、ちかくにあったから
飛び降りたら
静かな場所にいけそうで
鉄の塊の様な街は
何時だって冷たい
少年が握りしめた銃も
生を奪う道具で
静寂を切り裂く
劈く様な音の波が
甲高く空を裂いて
やり過ごす様に目を逸らして
嫌に頭に残る
少年の最初の嘘を。
そらが、そらが。
どれだけ近くにあっても
一つも手に届きやしない
知っているよ、本当は
弦の切れたギターと
強く打ちつけた
頭の奥深くのほう
みつけた。
少年は灰色 の街を駆ける
群れ立つ街灯の隙間
背向けた蒼穹に
息を詰めながら
絶望を掻き集めて
また積み重ねて
何を望めばいい
揺れ動いては
崩れていく
立ち位置も居場所も
何処にもないのに
約束だよ、
そんな言葉も
もう返ってこなくて
何度呼びかけても
日に日に減っていく声
取り残されていく
僕は何時だって
同じ場所にいる
まどろみの中で
思い出したように手紙を書いて
でも渡す人は居なくて
誰に渡すでもない手紙は
日に日に増えていって
何度も書き過ぎて
汚れてしまった言葉が
また積み重なっていった
届かない
誰かを探して
でも誰も分からなくて
僕は独り此処に居て
通り過ぎる様に
居なくなる人の群れ
一つ、二つ、一つ。
点滅する世界が
僕を迎えるんだ
何度だって叫んで
手紙を破り捨てて
言葉を幾つも吐いて
だけど結局届かなくて
意味はなくて
さよならだけが積み重なる
もう何も残らないよ
思い出す事もない
手紙の内容は
何時だって同じなのに
もしもの話。
その腕を振り払って
泣き出しそうなその瞳を
裏切ることがなかったら
何一つ言わなかった
本当の気持ちとか、
本当の言葉とか、
そんな事言えたかな
分からないけどさ
伝えられなかった
一つ一つが宙に浮かんで、
それで、それでさ。
僕が言いたかった事も
丁寧に並べちゃって
君の顔を理由もなく眺めちゃって
馬鹿みたいに笑うんだ
幸せなんて言わないよ
当たり前とも思いたくない
そんな高望みさえ
笑い飛ばしてしまいたくて
隅っこに芽吹いた
ささやかな感情も
塞いでしまって
特に意味もないけど
理由もなくて
理屈だらけの僕が
曖昧に笑った
ごちゃまぜになった感情が
きっと何処か愛おしい
今はまだ笑える程
綺麗なもんじゃないけど
もしもの話。
言いたかった事が言えたら
馬鹿みたいに泣くんだろう
君は笑ってくれるだろう
そんで僕と一緒に泣くだろうね
それまでは、またね。

