TRIANGLE -46ページ目
担ぎあげたライフルと
立ち上る硝煙を纏って
誰かの屍の上を駆ける偽物に
サイレンサの悲しみを嘯いた
ほら、誰だって自分の為と
見失った退路に立ち竦んでさ
右に俯く左の能面に
まだいいだろう?なんて
冗談でも口に出来なくて
何を望む?
救いか、願いか、はたまた祈りか?
届かない言葉に
掠めた銃創は痛みを伴って
開いたままの瞳孔に
焼き付いたのは何時かの情景で
いっそ知らないままで居たくて
振り払った両手は真っ赤なまま
恨んで唇を噛んだって
全部全部無駄なんだって
呼吸を殺す様に心を殺して
焼き付く様な喉の痛みに
乾いた双眸は優しくないな、って
助けて、なんて
掠れた喉に嘲笑を浮かべ
結局その銃口を向けたのは
一番最初は自分じゃないかって
何処にも見当たらない
逃げ道なんてなくて
退路は自分で絶った
それでいい、それでいい。
担ぎあげたライフルは
最後の砦という名の地獄だ
手になじむナイフだって
静脈を掻っ切るには最適だ。
そんな温度でさ、
震えた景色で
涙さえ流れやしないよ
それでいいんだ。
それがいいんだ。
喉を震わせて
雑音は雑踏へ紛れる
変われる筈ないよ
誰だってさ、
君の為じゃないんだ
僕の声を殺して
悲しみを削っても
言えなくなった言葉も
君へ届かない言葉も
聴きたくない言葉も
全部全部届かなくて
真ん中で千切れてしまっても
きっとそれは愛おしいって
消えてしまっても
何の後悔もないんだ
この涙はどうしたって
哀しい事も寂しい事も
表すことが出来ないんだ
黒く滲んだ想いも
散らばってしまって
きっと願う事も
祈る事も
息をする様に
手を組み笑う君に
僕は心を明け渡して
願う事は
何時だって一つだ
だから僕は。
優しい歌声を
懐かしい物語を
君へ届けましょう。
忘れてしまった
本当の事を
一筋の流星が
微笑みを拾い上げて
カーテンの奥
煌めく世界は
思い出を握り締めて
もう、大丈夫だよ。
遠くになっても
並木道の涙さえ
きっと此処に在るんだよ
ネリネに溺れる
幸せな唄を
真直ぐに落ちていく
最終地点へ
言葉は繋げない
意思は殺して
記憶を塗り潰した
さようなら、と。
言葉の先で
全てを飲み込んで
痛いんだよ。
知らないんだよ。
気付いていないのに
その世界は
僕の何を選んだ?
知らない事に
飲み込まれて
何も見えない癖に
何も聞こえない癖に
僕はいない
君は知らない
傷は開かれた
血に呑まれて
君は許せないよ
僕だって、
何時だって。
本当は笑えなくて
次に会えなくとも
掌から滑り落ちる
言葉は君の××を、
ねぇ。
知ってるって
そう言ったってさ、
嗚呼、馬鹿みたいに
色付いた世界は
残酷なまでに鮮明で
嘘で出来た僕を
許せないんだろうね。
ねぇ××。
世界は色を覚えたんだ。
小さく折り畳んで
続かない言葉の先を
並べながら君を笑う。
君の様な人には
僕はなれないんだよ。
分かってるよ、
知っているんだ。
僕が僕なら
君は僕を殺してくれよ
それで救われるなら
僕はそれでいいんだ
生きている様に呼吸をして
望まない世界を恨んだ
僕がなんの意味になる?
僕が僕の理由は?
それだけの救いを
それだけの言葉を
それだけで、それだけで。
明日の事を忘れて
ぐちゃぐちゃに丸めた
言葉一つ取り出した
知らないならそれでいいよ
知らないならそれがいい
続かない言葉の先は
僕が隠してしまったから
君は僕の首に手を添えて
淡く笑いながら泣いている
君がそんな顔しちゃダメだよ。
誰も救われない
君も救われない
僕も救われない
世界はあまりに無情で、
残酷に優しい。

