力を込めて

片足を踏み出す

水色した空が

見下ろすその先で


君は穏やかに笑って

鼻摘んで転げた

「また戻るよ」

そう言って見上げる

木漏れ日の中で

呼吸を止めて

同じ場所で生きた


「これの先は」

何も言わなくても

きっと分かってたんだ

踏み出した片足に

若葉をひっつけて

縺れて投げ出した身体は

きっと、誰よりも知ってる

鈴の音みたいに


終わるよ。


分かってる


明日も同じだよ


そっか、


柔らかな温度を拾って

口先で転がす一言に

思わず込み上げてくる

感情は誰よりも幸せ。


そう、幸せなんだ。


残さないで

思い出を

灰にして

忘れたかった、


二人の影と

一人分の涙

天秤にかけて

不思議と片寄る

感情の起伏と

咄嗟の隠し事

嗚呼きっと、

僕はまた笑えてない


浮かんだ言葉と

罅の入った気持ちと

どっちが嘘吐きで

どっちが大事で。

そんな事聞けなくて

でも何を知ればいいか

全く分からなくて

揺れるシャンデリアと

震える携帯だけが

嫌にリアルなんだよ


素直に出せない

声は奥で膝を抱えて

言えない羅列を

反芻しては涙する


ただ覚えていてほしくて

でも独りよがりは嫌だから

忘れていいよって

そう言ったのは僕で

だけど君の事を忘れる事は

僕にはどうやら出来ない様で

一言一言に深く溺れて

落ちてくるそれを捕まえて

僕は忘れようと落ちていく


そこに君はいない。

ここに僕はいない。

擦れ違いざまに吐き出す

ざまぁみろ。


僕は君が好きなんだよ。


膝を伸ばして

重い腰を下ろす

移り変わる色彩は

僕を見送っては

視線を逸らす

ガタリと肩に触れる

冷たい金属の感触

泥の様に下降気味の心

吐き出す呼吸が諌めた


狭い世の中と

嘘吐きな僕の世界は

いつも見送る夜中

単純に触れては笑う

それすらも辛いのに

鈍く痛む頭を抱えて

一口含む水分は

簡単に喉を通らず半濁する

独りきりの閑静を

打ち消すノイズは遠い

額に当てた両手も

白く滲んでは唆す


僕は恥ずかしくはないよ

でも疲れてしまったのかな


俯いた横顔は影に隠れる

もう色はついていない

彩色を失うキャンパス

一人ぼっちの背中合わせは

あまりに悲しくて

思わず零れた言葉に

誰も足を止めなかった

向こうの明日を

僕が迎えてしまおうか

いつか死んでしまうなら

僕からいってしまいたい


震えている指先は

揺れている此処では

誰も気付かないから

こんな恐怖も振り切って


飛びだそうか、


焼け付く目蓋

赤色に染まる思考回路に

俯く様に頭を垂れる

意味を求める玩具

問い詰める音を拾う

必要ない物だけを

幾重にも積み重ねる

僕の心の入れ物は

此処には存在せずに


終わりを塞いで

戻れない足元を哂う

向こうへと投げ掛ける

言葉の一つも理解せずに

ただ甘受するだけの

上っ面を剥がして

仮面が思い描く

それだけの嘘を知らない


いっそ痛みを感じて

憎んで口元を歪めればいい

そうすれば受け入れようか

悲劇も喜劇も同じだと

背負う重さを感じずに

許されないならどうせ

何を含んでも同じだから


張り付く粘膜の奥で

灼熱を感じ続ける

輪郭を描いて刺した

白日の光なんて

なんの糧にもなりやしない

そうだとしても僕は


きっと君を赦すだろう


忘れた記憶

乗り過ごした

一線向こうの色彩

静かに置いていく

言葉も淡く溶ける


望んだのは

悲しみじゃない

痛いと

寂しいと

口に出せない

弱いから

気付いて


他人任せの心は

簡単に崩れた

脆いだけの感情を

見守るだけの強さが

欲しかっただけ


降り積もるのは

憎しみじゃない

ただ欲しい言葉は

仄暗く悲しみに満ちる


単純でいい

シンプルに混ぜる

この手を差しだして

笑っていて

悲しくない様に

痛くても

寂しくても

まだ此処にいれるって

そう、思わせて

捨て去る感情に

僕を残して