TRIANGLE -187ページ目
顰めたのは怖くて
隣り合わせの温度と
背中合わせの鏡に隠れる
傷付かなければいいなって
少しだけ思っちゃって
気付かなければいい
この言葉は渡せないから
眉を小さく寄せて
優しい言葉に含めた
本音は悲しいけど
柔らかな温度は本当で
もうなにも言えないよ
言う言葉もない
「本当」は穏やかに
終わりを告げて手放す
頭の中から消してくれたら
翳した掌に透ける
分かっているつもりで
零した本音を拾った
届いてないのに
行けないことを正当化した
怒ってよ
叱って
悪いのは僕って
そう言ってよ
優しいだけの温度は
僕を赦さないから
歩き出した足を
止める事はもう出来ない
だから今を殺して
明日を生きるね。
君も一緒に
僕の手を放して
擦り抜ける
湿った風は
涙腺を刺激した
覚えのない声と
少しの罪悪感
僕が知らない事に
疑いすらしないんだ
ぼやける
見えない、
白泡は淡く
飽和した熱
嗚呼、空を飛ぶの
きっと気付かない
羽のない僕は
落ちていく
白日の嘘。
蓮華の花園に。
告げた口元は
言葉になれず
崩れていく
君の城。
吸い込んだ呼吸も
もう戻れない
撥ねる
回る
見開いた瞳は
隠せないよ、
紫苑は笑う。
音を立てたのは
誰の心か
呆れ果てた声で
緩やかに笑う温度で
僕が愛した全てを
この世界に鏤めようか
纏う空気も汚れないうちに
脇に避けて僕が護るんだ
そのうちに笑い始める
一歩進むたびに
君を失っていくけど
触れた掌は温度を奪う
伸ばした足は飽和する
光を吸い込んでは
歪める、
僕は君を知らない
掻き毟る喉の奥で
君は笑っている
歩き出したその隣で
僕は何も言わず
静かに笑っていた
笑っていたんだ。
悲しいことだけを
見ない様に生きて
君に触れて、
寂しくなったんだ
放り投げた腕は
弛緩した身体を掻き抱いて
何かに恐れた声を
引き攣る前に抑え込んだ
遠くに見えた君も
気付かないうちに見失って
笑っていたいんだ
泣きたくはないから
笑うんだ
笑おうか。
堰き止める。
嘯く。
囁いた。
溶けていく視界は
白を望んだ夢、
言葉は、もう要らない
吐き出す。
転がす。
反転、
墜落。
焼け落ちたのは
誰の心でしたか
静電気みたく
走り去る
走馬灯、
夢を締め出す。
声は、届かないの。
切り落とした枝は
朽ちて枯れた
視界半濁して混濁、
君が見えないよ
承諾して嚥下した、
嘘も絶え絶えに
呼吸を止める。
思考停止。
私は愛玩を懇願する、
嘘。
私のことなんか、
捨ててしまってよ。
仰ぎ見る青天の空
熱を持った風は
首を撫ぜて通り過ぎる
汗を腕で拭ってから
曖昧に誤魔化して笑う
少しだけ、ほんの少しだけ
泣きそうになってしまったけど
踏み締めたアスファルトも
熱を反射して足を焼いていく
白くぼやける色彩も
失う前に抱き締めたら良かった
最後まで言えない言葉も
俯いた影に隠してしまって
噤む言葉も、後ろ姿に投げかける
「じゃあね、」
繕いきれない感情を
隣に置いていくね、
もう抱え込まなくていいように
青さだけが歪んで
触れた指先は掠めていく
わき道逸れた若草色も
泣きそうになるから見れなくて
止まってしまえ、と呟く
力を込めた掌も
君にばれない様に覆って
痛みで隠してしまって
「、じゃあね。」
言えないから
熱が奪った声も
忘れない様に仕舞い込んで
内緒の話をしてあげる。
また逢えたら
二人だけの、秘密にしようか。

