引き摺った夏の影

眩みそうな太陽の下

君を迎えた

特に何もない

単純で単調な世界

回り出した時計の針も

いつも同じだ


白線とアスファルトの間で

君が飛びまわる

指の隙間から覗いた

伸ばした腕に触れる

温度の生温かい空気と

飲み込めない唾の味が

鉄に塗れてる気がした


はためいたのは

誰の裾だったのか

君の嘘だったのか

眩んだのは、僕なのか


走り出した足音と

影の隙間から見つけた

数センチの距離

君の運命の時間まで

カウントダウン開始

短絡的な思考回路

危機感のない日常に

少し加えられた爆弾一つ

抱え込んだ腕の中で

笑っている、

蝉の声に瞳を細めた


未だ引き摺る音の中

帰れない今日が叫んでる

いつもとずれていく

昨日が軋んで音を立てた

鉄塔の上で笑ってる

それは何年前の今日だ?


伸ばした掌が押し出した

今日の君に僕は笑いかける


「もうお終いだ、」


真新しい今日を創りだして

壊れた昨日を捨てた

それが正しいのか

間違ってるのかも

もう誰にも分からないよ


アスファルトに反射した

世界の裏で陽炎が眩む

此処で終わらせた

世界の声は劈く様に切り裂く

白線の向こう側で笑ってる

明日を、迎えた気がした


ピースが嵌らない


君を失う


どれもこれも


取捨選択を望む


足跡。


残らない


砂の上


描いたのは空想


伝えない


言葉は鋭利な刃物


傷付ける


殺める


謝る。


繰り返して


羅列に意味を与える


理由はない


理不尽に不愉快な


不明瞭な視界で


もがいている


君の腕を取る


足掻く様に


掻き切る


その喉に


付け加えた


理想像の強要


それを望んだのは


誰だった?



君が立つ


その背中を突き飛ばして


嘘を吐く

君に気付く

背を向ける

逃げた、


辛いのは

吐き出せないから

逃げたいのは

僕が弱いから

拙い感情は

折り曲げられた心


僕の声は

君に届きますか?


寄りかかれない

大人になれない僕が

抑え込んだ

全ての事が全部

土に還ればいい

崩れ去る城壁も

護れないなら意味がなくて


嘘を吐いた

君は気付いた

俯く、

それが答えで


戻れないのは

苦しいから

踏みだせない思いが

バランスを崩して

天秤から落ちていった

伸ばした指先は

望んだままに触れて

離れていく、

僕はきっと気付いた


その鍵が

砕ける前に


掻き毟った

壁の先で

覗いた楽園は

燃え尽きた灰の燻り

吸い込んだ嘘に

グレイストールを纏う

呼吸を止める様に

息の音を止める様に

僕が生きてなくて良い様に


苦しいから

夢の底に突き落とす

愛を囁くくらいなら

この喉を潰して

醜い声を掻き消して

壁が遮る光の束も

僕の瞳に映すなら

それを呑み込んで

爛れた声を焼いて


作られた楽園の外で

僕は呼吸が出来ないなら

出れない様に足を切って

其処だけの幸せを

甘いだけの箱庭で

この言葉を殺して

便りは誰にも届かない

鳥を撃ち殺したのは

他でもない僕なのだから


kira


綴られた言葉を

君が殺める前に


(kir, a =造語で「貴方を殺す」)


口を閉ざした

明日までは

まだ長い、

暗い。

夜の底

僕らは

呼吸の仕方を忘れた魚

曖昧な境界線

隠した心は

何処か遠い。


伝う

綻ぶ

縺れた

足並みは

揃わない

早く、

言えない

遠ざかったのは

僕じゃない、

見えない

転ばない

口の中で

何かが弾けた、


人生観の欠如

欠落した心

堕落する感情

仄かに燻る

誰かの劣情

未完成は

明日を殺す

今日は

此処でおしまい。

昨日は

引き金を引いた、

さようならの合図は

人差し指の嘘。