掻き毟った

壁の先で

覗いた楽園は

燃え尽きた灰の燻り

吸い込んだ嘘に

グレイストールを纏う

呼吸を止める様に

息の音を止める様に

僕が生きてなくて良い様に


苦しいから

夢の底に突き落とす

愛を囁くくらいなら

この喉を潰して

醜い声を掻き消して

壁が遮る光の束も

僕の瞳に映すなら

それを呑み込んで

爛れた声を焼いて


作られた楽園の外で

僕は呼吸が出来ないなら

出れない様に足を切って

其処だけの幸せを

甘いだけの箱庭で

この言葉を殺して

便りは誰にも届かない

鳥を撃ち殺したのは

他でもない僕なのだから


kira


綴られた言葉を

君が殺める前に


(kir, a =造語で「貴方を殺す」)