ダメ出し方式? | フクロウのひとりごと

フクロウのひとりごと

愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
おもに吹奏楽の活動に役立つ情報を発信中!
バンド指導をご希望の方はお気軽にご連絡ください。

コンクールが近づいてきましたね。さて、いい演奏をつくるためにはどうしたらいいと思いますか。ダメなところをなくせばいい演奏になるのでしょうか。どこかでそう思っている人、少なくないように思います。でもね…

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  ダメ出し

 

みなさん、どんな練習をされていますか。

  • 合わないところを合わせる
  • 出来ないところを出来るようにする
  • ダメなところをなくす

まさか、そんなことばかりではないでしょうね!
いい演奏って、それだけで出来るようになるものなのでしょうか。
あそこがダメ、ここがダメ、そんな聞き方ばかりしていませんか。
音程が合うこと、縦の線が合うこと、全部出来ればいい演奏になるのでしょうか。
なにかとても大切なことが『欠落』しているのではありませんか。
 

 

  悪循環

 

世の中には、こんな悪循環がたくさんあるように思いますが、どうでしょう。
コンクールの、悪循環。

  1. 音楽を忘れてダメ出しばかりをする
  2. 音楽がないから楽しくないし苦しい
  3. でも勝つためにはこれが必要なんだ
  4. 音楽がないから結局いい賞取れない
  5. 苦しい努力が足りなかったんだろう
  6. 楽しんでいたら勝てないと思い込む
  7. そして1に戻り悪循環の出来上がり

「楽しんでいたら勝てないと思います」なんていう言葉は、
こんな悪循環にはまってしまった人が言うのだと思うのですよ。
そしてさらに悪いことには…
 

 

  ダメなところがわかることが…

 

そんなふうにして育ってきてしまうと、ありがちなのは…
『ダメなところ』をわかることが、音楽がわかることだと思い込んでしまうのです。
「ここが合ってない」、「ここの音程が悪い」、「音が響いてない」、「縦の線がずれた」…
そんなふうにたくさん指摘できることが、音楽をわかることだと勘違いしてしまうのです。
これ、とっても不幸な勘違いですよね…
そして、他人の演奏を批判し始めてしまったりするのです。でも…
これではまったく音楽をわかっていないと言わざるを得ません。
 

 

  良循環

 

こんな循環がいいと思うのです。
どんなのかというと…

  1. 音楽するのはしんどいけれど楽しい
  2. 音楽したからコンクールで結果出る
  3. 次はもっともっと音楽しようと思う

そう、ダメ出しに欠落しているのは、『音楽』なのです。
どんなにどんなに悪いところを直したところで、いいものが出来るわけではないのです。
音楽がなければ、ただ整っただけの冷たい音が並ぶだけなのです。
音楽があるから、コンクールでも結果に結びつくのですよ。
 

 

  理想形を持とう

 

では、どうすればいいのでしょうか。
理想形を持つことだと思います。
理想なきダメ出しに、未来はありません。
ただ悪いところを直す、ではなく、理想形を持って、そこに近づくようにする。
さて、どうしたら理想形を持てるようになるのでしょうか。

  • 楽譜から読み取る
  • いろいろな演奏や音楽を聴く
  • 音楽の理論を勉強する

結局は、そういう方法しかないと思うのです。
楽譜から読み取ることは簡単ではないですが、そこから得られるものはとてもたくさん。
とても全部なんて読みきれませんよ。音符の向こう側に、たくさんのことがあるのです。
どれくらい深くそれを読み取って生かしたのかは、演奏に表れます。
それが、審査員にも届くのではないでしょうか。
音楽する、理想形を持つのって、はっきり言って、とても大変なことです。
それよりか、ただのダメ出しをしていた方がよっぽどラクだと思います。
でもね、その両者の違いって、ものすごく大きいのですよ。

さて、あなたのバンドはダメ出し方式ですか、それとも…