著作者人格権は放棄できません! | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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漫画家やイラストレーターがひどい内容で仕事の契約をさせられている実態が報道されました。音楽の世界にも現状、これと同じようなことがあると思うのです。なんだか認識が間違っている状況があるように思うのです。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 

 

 

  トラブル

 

その報道はこちら。

 


これ、『セクシー田中さん』という漫画をドラマ化した際のトラブルを受けて行われた調査、
そこで明らかになったことなのだそう。
原作者の芦原妃名子さんは、ドラマ化に際して『原作に忠実に』との条件を提示。
ところがドラマ化した日本テレビは、『そんな条件は認識していない』、と…
弱いものを見下した、よくある話と言ってしまえばそれまでなのかもしれません。
でも、こういうの、当たり前にまかり通してしまってはダメだと思うのです。
そしてこれは、漫画やイラスト、小説などばかりではなく、音楽の世界にもあることです。

 

 

  調査結果

 

報道によれば、漫画家やイラストレーター570人を対象に行われたその調査、
そこで、4人に1人が『厳しい条件』で契約させられていた…

  • 著作者人格権を行使しない
  • 口約束しかない

これ、『厳しい条件』ではなく、もはや『不当な条件』でしょ。
そもそも、著作者人格権って『譲渡できない権利』なのですよ。
以前にこちらのブログに書きましたね。

 

 

 

  ありえない

 

著作者人格権を行使しないとは、どういうことなのでしょうか…

  • 好きに出版発表させてもらいますよ
  • 誰が作ったかなんて公表しませんよ
  • 勝手に改変させてもらいますからね

つまりはこういうことですよね。
これ、ありえませんよ。
著作権譲渡というのはあります。
楽曲だったら、出版や演奏されるごとに入ってくる、いわゆる『印税』、
これを請求しませんよ、という契約なら、ありえます。が、その場合には、
それ相応の『高額な』謝礼が伴うものです。また、そうあるべきです。
(朝日作曲賞の賞金は100万円ですが、そう考えると安いともいえるのかもしれません…)
でも、出版発表氏名公表改編などの著作者人格権は『譲渡』や『放棄』は出来ないのです。
そんな契約を決して許してはいけませんよ。
 

 

  口約束

 

そして、口約束だけというのも問題ですよね。
言った、言ってない…
もめたりトラブルになること、そうならないまでも、行き違いってあるものです。
何度か経験ありますよ。
もちろん書面を交わすのがいちばんいいのでしょうし、そうあるべきなのでしょうが、
それが難しいのであれば、せめて、メールで依頼する。
メールは残りますからね。証拠になります。
ワードやエクセル、ことによってはPDFだって、いくらでも改変できてしまいます。
でも、いちど届いたメールは、もう改変できない。
そういう書式の見本みたいなものがあるといいかもしれませんね。
簡素で、でも、抜けのないもの。
執筆業ばかりではなく、演奏の仕事にだってもちろん必要なものです。
やっぱり口約束ではダメですよ。
もちろん、紙の契約書がいちばんいいのでしょう。燃やさなければ永遠に残りますから…
 

 

  弱者

 

そもそもこんなひどい条件がまかり通っている、ほんとうの原因は…
見下しているのでしょうねクリエイターを。
弱いやつらはちょっと圧力をかけておけば文句言わず言うことを聞くだろう…
こっちの都合のいいように使い倒してやれ(使い捨ててやれ)…
そういう意識が、根っこにあるのでしょうね。
『敬意』がないのですよ。
そういう業界の腐った体質を治していくことが、いちばん必要な対策なのかもしれません。

さて、みなさんは強いられてないですか、ひどい契約を…