著作権ってご存じですよね。著作物を発表したり出版したり音楽なら演奏したり編曲や改編したりする権利は著作者が持っていて、それらをするためには使用料や許諾が必要です。でも著作権ってそれだけではないのです。
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。
著作権
最初に書いた、いろいろな権利、
これはじつは、著作権の中の『著作財産権』というものなのです。
著作物、楽曲や執筆、絵画や写真などは、
著作者、つまりそれを作った人の財産ですよ、ということ。
著作権には、この著作財産権のほかに、『著作者人格権』というものがあるのです。
著作財産権が著作者のサイフを守る権利なら、著作者人格権は著作者の心を守る権利です。
著作財産権は他人や企業などに譲渡したりすることが出来ますが、
著作者人格権は譲渡できません。
いわゆる著作権譲渡をされたからといって、
著作者人格権まで自由にできるわけではないのです。
こんなツイートがありました…
出版ネッツでは、世田谷区史編さんにおける「著作者人格権の不行使」問題についての声明を発表しました。https://t.co/txVfqxxcnc pic.twitter.com/5CCJWhSGNJ
— 出版ネッツ (@union_nets) March 20, 2023
これ、もはや区長はクビに相当するくらいの出来事だと思います。
ではこの著作者人格権、いったいどういう権利なのでしょうか。
公表権
著作者人格権の中の、いろいろな権利、まずは『公表権』です。
これは、一言で言うと、勝手に公表されない権利。
たとえば、あなたが自分だけの日記をつけていたとしましょう。
これ、その内容を勝手に公表されたらどうでしょう。
ネットやSNSに書き込まれたりしたら…、いやですよね。
また、いずれは発表しようと思って書いている文章や楽曲、書きかけの状態で発表されたら…
これもいやですよね。まだ書きかけなのに…
他人に勝手にそういうことをされない権利が、公表権。
では、歴史上の偉人の日記や手記、手紙や未完の作品が発見されて発表される、
これはどうなのか…
これはきっと、もうすでに権利が消滅していると判断されたということなのでしょうね。
氏名表示権
その作品、著作物を発表、公表するときに、
誰の作品であるのかを表示させる、または表示させない権利。
これが、氏名表示権。
- 作者は自分の作品として発表してほしいのに、違う名前で発表されたり名前を入れずに発表されたりしたら…
- 作者はペンネームでの発表を希望しているのに実名で発表されたら…
- 作者は自分の名前を出さずに匿名での発表を希望しているのに、名前を入れて発表されたら…
これらはみんな、氏名表示権の侵害にあたります。
だから盗作は、著作財産権の侵害であるのみならず、
著作者人格権を侵害したことにもなるのです。
ちなみにぼくは、著作権譲渡した作品も含め全ての作品に、実名を表示することを希望します。
(この機会にちゃんと宣言しておきますからね)
ところで、世の中には贋作ってありますよね。
作者が、他人の作品として発表してしまった作品…
これってどうなるのだろう…
同一性保持権
同一性保持権というのはつまり、改編されない権利です。
でも、ならどこからが『改編』なのでしょうか。たとえば編曲は?
これは、原著作者の主観的な意志を尊重しなければならないということなのだそうです。
つまり、その著作をばかにしたり侮辱したりするような改編は許されないということですね。
やむをえない改編(ふりがなとか)、
作者を精神的に傷つける恐れがない場合は許容されるのです。
編曲などの場合はもちろん、許諾が必要になります。
では、パロディはどうなのでしょうか。
フランスでは、パロディは著作者人格権侵害にあたらないと明記されているのだそうですよ。
とはいえこれは、国によって判断が分かれるところのようです。
名誉声望保持権
これは、作品と作者の名誉を守る権利です。
たとえば、名画が風俗店の看板に使われたら…
その作品の社会的な評判を傷つけてはならないということですね。
一般的な名誉毀損ともかぶってくる権利です。
出版権廃絶請求権と修正増減請求権
作品をつくって(たとえば出版社などから)発表、公表してもらった。
でも、そのあとで、やっぱりあの作品は気に入らない、発表しないで欲しいと思った。
そのときに、出版社に対して出版をやめさせられる権利が、出版権廃絶請求権です。
ただし、すでに世に出ているものを回収するとなると、それなりの費用がかかる。
それを負担しなければならないという条件付きですが…(大変そう…)。
また、やっぱり気に入らないから改訂したいと思ったとします。
出版社に対して、その改訂版に差し替えさせる権利が、修正増減請求権です。
これらすべての権利が、著作者人格権。
これは、著作財産権と違って、譲渡できません。
著作者が(著作権が生きているうちは)決して失うことがない権利です。
さて、みなさんこれ、ご存じでしたか。
