初見の能力ってなんだろう | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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みなさんは初見って得意ですか。初見合奏ってされたことありますか。さて、初見の能力って、一体どんな能力なのでしょうか。それはいろいろあるのでしょうけど、初見をすると、どんなことが鍛えられるのでしょうか。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  運指が出てくる

 

初見の能力とはどういう能力か…
まずひとつ目は…、運指が無意識的に出てくること。
当たり前ですよね。そうでなければ初見演奏なんて出来ません。
パソコンのキーボードをいちいち考えないと打てないようではスラスラ打てないでしょ。
それと同じですね。
では、運指が無意識にすらすら出てくるようになるためにはどうすればいいのでしょうか。
これはね、全調の音階をマスターすることが、大きなプラスになると思うのです。
 

 

  ソルフェージュ

 

楽譜を読めるとはどういうことなのでしょうか。
上に書いたように、運指が出てくること?
もちろん運指が出てこなかったら演奏は出来ませんが…
楽譜が読めるとは、むしろそれよりも…
その書いてある音が、自分の中に出来ること。音が鳴ること。
つまり、ソルフェージュ出来ること。声でも歌えること。
運指が出てくるだけでは、演奏は楽器任せ、出てくる音は楽器に丸投げですよね。
それでは、演奏したことにはなりません。演奏させられただけです。
ソルフェージュ、それには音感が必要ですよね。
あっ、絶対音感は要りませんよ。
 

 

  リズムを読める

 

楽譜を読めるためには、音がわかるだけではダメですよね。
そう、リズムがパッと読めなければいけません。
とはいえ、これ、音楽の種類によっていろいろで、慣れも必要ですよね。
音符をひとつひとつ読むのではなくて、『かたまり』で読むのです。
って書くのは簡単なのですが…
ところで、リズムって、なんでしょうか。
いろいろな長さの音符が連なって出来るもの、ではありません。
テンポの流れの中でそれぞれの音がそれぞれの場所に位置して出来るものです。
まずテンポの流れがあるのですね。
 

 

  楽譜を把握する

 

初見演奏をするためには、音符、音やリズムを読める前に、まずは必要な要素があります。
調性、拍子、テンポ、行き方。
この4つをまず、把握することが必要ですよね。
何調なのか(調号は?)、何拍子なのか、どんなテンポなのか(変化は?)、繰り返しは?
それをまずは把握すること。
最初に大切な4つですね。これは演奏前に必要なこと。
テンポや調性や拍子は途中で変わることもありますよね。
それから、強弱や楽語やアーティキュレーション、そんなものも把握できるといいです。
そして、合奏であれば、全体、ほかの音にも意識を向けられるといいです。
自分のことで精一杯、ではなく、ある程度ほどほどでいいので、まわりも意識に入れる。
 

 

  ハーモニー意識

 

ここからは、かなり高度な話になってくると思うのですが…
演奏しながら、また、自分の楽譜から、ハーモニーを、その響きを予測できるといいです。
これ、知っている曲ならある程度は出来ますよね。
知らない曲、初めての曲でも、それを予測しようとしてみることって有益だと思うのです。
それは難しいことかもしれないし、その予測は必ずしも当たらないかもしれないのですが、
なにしろハーモニーにも意識を向けてみることは、演奏、初見にも有益だと思いますよ。
 

 

  語法が出てくる

 

その音楽の『語法』が出てくること。
これも、経験がないと出来ないことですよね。
これ、たとえば英文を読むことに例えるなら…
典型的な日本人英語で棒読みするか、みごとなネイティブ発音でスラスラ読むか、
そんな違いに似ているかもしれません。
そしてこれが出来るようになるためには、
いろいろな音楽に触れて引き出しを増やすことが不可欠ですよね。

スケールをマスターしたりソルフェージュ出来るようになったり、あとは経験…
初見の能力って、そんなふうにして出来るものなのではないかと思うのです。
そしてそれは、初見ばかりではなく普段の演奏にも大きく役立つ大切なものですよね。

さて、初見、あなたは得意ですか。