不自由な時は不自由を感じない…呼吸の話 | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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管楽器のみなさん、呼吸、自由に出来ていますか。呼吸が自由になることって、管楽器を演奏する上で大切なことですよね。でも、じつは不自由な人、少なくないようにも思うのです。きょうは自戒も込めて書いてみます。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  子どもたちを見ていると…

 

管楽器を吹いている子どもたちを見ていると、とくに感じること…
みんな、なんだか反っているんですよ背中が。
そう思いませんか。
もう、ほとんど9割以上の子がそうだと思うのです。
学校によっても違うのでしょうけど…
かくいうぼくも多分、高校生の頃は反っていましたね。腰、痛かったです。
じつは数年前のあるレッスンでも、これ、指摘されたのでした。
でも、どうしてそうなるのでしょうね…
呼吸、不自由でしょ。
 

 

  空気はどこに…

 

さて、呼吸をすると、空気はどこに入るのでしょうか。胸?
おなか、ではありませんよ。おなかに空気は入りません。
無理矢理おなかに入れたらきっと、ゲップが出ることでしょう…
胸に入る…、なら、胸って、どこ?
当たり前のことを訊くなと言われますか? でもね…
胸は、身体の前の方だ、そこに、空気が入るんだ…
そんな無意識の思い込みももしかしたら、背中が反る原因のひとつなのかもしれません。
(もちろん原因はこれだけではありませんけども…)
胸を広げようとしているのかもしれませんよね。
でも、これはじつは違っていて…
 

 

  肺はどこ?

 

実際に空気が入る身体の器官、それは肺ですよね。
これ、身体の中のどこにあるのでしょうか。
胸ですよね。当たり前です。でも、
その位置や形、正確に知っていますか。
肺は、身体の前側だけにあるのではありません。それは背中側にまであります。
脊椎、背骨と言いますけど、その前に肺がある、のではなくて、
左右の肺はむしろ、脊椎を取り囲むようにある。
下はみぞおちのあたりまで、上は鎖骨よりも上まである!
実際のレントゲンやCT写真を見せて、
「ほら、空気ってここに入るんだよ」って説明してあげるだけで、呼吸が自然になった…
そんな子もいましたよ。
空気は決して、身体の前の方だけに入るのではないのです。
 

 

  土台の上に

 

立っているときも座っているときも、身体は重力の影響を受けている…
地面や座面の上に積み上がっている感じ。
積み木を重力に抗わずまっすぐに積んでいけば、それを支える力は最小限ですむ。
ただバランスを取っていればいいだけです。
でも、もし積み木を斜めに積んだら崩れてしまいますよね。
人間の身体でいったら、支える力や保つ力が必要になってくる。
動きも、自由にならなくなる。
これ、呼吸にとっても不自由です。
これを改善(でも決して「まっすぐにしなさい」と言ったわけではなく)しただけで、
「息が倍以上吸える!」と言った子がいましたよ。
 

 

  不自由に気づく

 

管楽器ってみんな、身体の前にかまえますよね。ほぼ正面に。
そうあるべきだとは思うのですが、でもそうすると…
それを支えるために身体が反るという動きが出てくることもある。
でも、じつはこれ、要らない動きなのです。
上手な人を観察してみましょう。ほら、反ってないでしょ。
不自然な身体の使い方で呼吸が不自由になっている時って、
いかに自分が不自由なのかなんて気づかないものですよね。

では…
なんにも持たずに深呼吸をしたときと、楽器をかまえて深呼吸をしたとき、
どちらが、自由に呼吸出来ましたか。同じでしたか?
同じだという人は、不自由のない人かもしれません。
不自由に気づくことが、まずスタートなのかもしれませんね。
自戒も込めて…
にしても、文章だけではあんまり伝わりませんね…

さて、自由な呼吸、出来ていますか。