部活動の地域移行で解決しなければならない問題 | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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部活動の地域移行、いろいろな形での試みがあると思います。さて、それは実際にはどんな形がありえるのか、そのなかで、ではどんなことがネックになってくるのか、きょうは少しそんなことを書いてみたいと思います。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  受け皿

 

ほとんどの地域がそうだと思うのですが…
学校の部活動を肩代わりしてくれる団体を地域に作って、そこへ移行する、
これ、やはり現実問題としてほとんど難しいように思いますね。
まず場所の問題があります。
そして費用的な問題があります。
子どもたちの移動手段の問題もあります。
国や文科省がそのための費用や方策を考えているわけではないようですしね。
全部の学校の部活動を引き受けてくれるだけの団体を新たに地域に作るというのは、
やはり現実的ではないように思われます。
 

 

  活動の場は

 

活動の場は学校としたまま、教員が関わらなくても運営できる形態を模索する、
これが、やはり現実的な意味での地域移行であるように思うのです。
また、実際にそういう形を模索している学校もありますね。少なくないと思います。
そのときに、地域に元々存在する一般団体とタイアップするのもひとつの方法ですよね。
たとえば吹奏楽であれば、市民バンドなどがそうです。
そのメンバーが、活動の運営を手助けする。
さらに、子どもたちはそこのバンドにも入って、もっと活動の場を広げる選択肢もある。
学校で活動できる時間は限られていますからね…
さて、ではそういう形態を取ろうとしたときに、ネックになる問題は何なのでしょうか。
 

 

  運営

 

活動に必要なのは、実際に指導する指導者ばかりではありません。
むしろ指導する人よりも、誰が運営していくのかということの方が問題だと思うのです。
たとえば大会や行事に参加するためには、それに申し込んだり手続きをしたり、
ときには打ち合わせをしたり下見をしたりしなければなりませんよね。
吹奏楽部なら楽器運搬のトラックを手配したり移動のためのバスを手配したり、
ホール練習するならその申し込みや打ち合わせ、そんな仕事もけっこう大変です。
そして指導陣や講師陣を手配したり楽器屋さんと連絡を取ったり保護者に連絡したり…
さらに、そんな諸々を統括する連絡指揮命令系統も必要になってきそうです。
日々の活動の見守りだけでも人が必要です。
もちろん実際に指導する人も必要でしょうけど、そういう問題よりも、
むしろこうした運営上の実務の方がネックになってくるのではないでしょうか。
そして…
 

 

  責任

 

大会や遠征に出るのには、もちろん引率が必要になってきますよね。
これだって、けっこう大変です。
もちろん、引率するだけであればぼくらがすることも出来るでしょう。
実際、何度もやりましたよ。
でも、さて、もしそこで、万一なにかあったとき、責任の所在はどこになるのでしょうか。
学校の教員が引率をするならば、責任は学校ということになりますよね。
でも、そうではない場合、どうなのか…
日々の見守りにしてもそうですよね。
そういうことの仕組み作りも、大きなネックになってくるように思うのです。
学校だけではなく自治体や教育委員会も含めて取り組まなければならない問題に思えます。
 

 

  必要なもの

 

部活動、課外活動は必要なものです。
学級だけではない、それを超えて人と関わりを持ち、スポーツや文化活動に親しみ…
もちろん、教員の負担軽減は必要だとは思います。
でもなら、子どもたちの活動の場がなくなってもいいのか…
それでいいという子は、きっとひとりもいないと思うのです。
なくてもいいという保護者も、ほとんどいないでしょう。
なら、どうしたら持続可能なのか、現実的な可能性を模索していくことが必要ですよね。
そのためには、上に書いたような問題をどう解決していくのか、
それを考え、仕組みを作っていくことが、ほんとうの意味での地域移行なのではないか…
そんなふうに思うのです。

さて、地域移行、みなさんのところではどんなふうにおこなおうとしていますか。