労働と創造性 | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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公立学校の教員に残業代が出ないのっておかしくないですか、という記事を、先月書きました。自発性や創造性が必要な仕事だからお金はつけないのだって…。創造性が必要な仕事といえば、音楽家だってそうなのですよ。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  残業代が…

 

先月に書いた記事は、こちら。

 


もういちど書きますと…
公立学校の教員は、給特法という法律によって基本的には残業代が出ないことになっている。
それは、教員の仕事は、自身の自発性や創造性が必要とされるものであるからなのだと…
自発性や創造性が必要だから、お金はつけないよ、と…
それってものすごく違和感があるのですけど。
変じゃないですか、という話。
どうして『創造性』が、無給の理由になるのでしょうか。
創造性が要求される仕事といえば、ほかにも…

 

 

  音楽家や演奏家

 

音楽家や演奏家だって、創造性が大いに要求される職業ですよね。
『楽団員は労働者か否か』ということは、昔から争点になりがちな問題ですが、
『創造性が要求されるからお金をつけない』などという理屈、みなさんどう思われますか。
そんな理屈がもしもまかり通るのであれば…
創造性にはお金はそぐわないなんて言うのであれば…
音楽家や演奏家、芸術家はみんな餓死してしまいますよ!
そんなのおかしいとは思われませんか!
 

 

  オーケストラは時間にうるさい

 

日本のオーケストラは時間にうるさいといわれます。
海外のオーケストラもそうでしょうか…?
リハーサル時間が5分、いや、3分でも過ぎようものなら、物言いがつくことでしょう。
時間延長など、まずありえません。よほどのことがない限りはね。
このあたり、たとえば演劇の人たちとはずいぶん違うらしいですね。
演劇人は、「○月○日リハーサル」と言うと、朝から晩まで一日空けておくのが当たり前で、
リハーサルは演出の納得いくまで何時間でもやるもの…、そんなふうだとも聞きました。
つまり、教員と同じで、いわば残業代ゼロ。
そういう意味では、音楽畑と演劇畑、考え方がずいぶん違うみたいですね…
 

 

  いつが仕事中?

 

音楽家もそうですが、いわゆる『就業時間』以外にもいろいろやらなければ仕事にならない…
そんな職業も、世の中にはありますよね。
たとえばエアラインパイロットがそうだと思うのです。
月に80時間も飛べばきっと多い方だと思うのですが、でも彼らの仕事はそれだけではない。
地上でも、家でも、フライトに向けてたくさんの準備や勉強をしなければならない…
だからこそ、ときには3ケタ万円行くくらいの月給を、彼らはもらうわけなのです。
医者という職業もそうですよね。
いつ電話がかかってくるか、いつ呼び出されるかわからない…
そういう意味では、24時間仕事中(待機中)みたいなものなのかもしれません。
だから、給料も高い。それに対する対価が確保されているわけです。
 

 

  労働と創造性

 

自主性や創造性を要求される業務もまた、『仕事』だと思うのです。
れっきとした『労働』なのです。
自主性や創造性は労働ではない?
なら、いったい何だというのでしょうか。ボランティアでしょうか。
自主性=ボランティア? 冗談じゃない!
そこがおかしいところなのですよ、この国の!
教師だって、音楽家だって、れっきとした『労働者』なのです。
『労働』には、それに対する正当な『対価』が伴うのは当然のことだと思うのです。
違いますかね?

さて、労働と創造性、みなさんはどう思われますか。