今月のフライト | フクロウのひとりごと

フクロウのひとりごと

愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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月例になっていますフライトシミュレーターですが、また今月も昨日飛んできたのでした。今回は少し実りあるフライトになったのではないかとちょっと自画自賛するとともに、奥深さを知ったフライトとなったのでした。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 

セントレアにある787の初号機(こいつを飛ばしたわけではないです…)
 

 

  ミニマムサークル

 

セントレアのフライトシミュレーター施設、ラグジュアリーフライトさんで飛んできました。

今回まずおこなったのは、先月ちっともうまくいかなかった美保のミニマムサークル。
というか、先月やったのはちっともミニマムサークルではなかったのでした。
あれからプロのパイロットさんにいろいろと教えていただけたのですが…
ミニマムサークルには『周回区域』というものがあり、機体のカテゴリーごとに決まっている…
787の場合は、2nm(マイル)。
つまり、滑走路から2nmの範囲内で周回しなければならないのです。
ということで、計算作図し直したのが、下の画像。

 


ダウンウインド幅1.5nm。アビームから15秒でベースターン。
するとファイナルは約0.6nmになりますね。超高難度!
計算は140ktで行ったのですが、787のVref+5はもう少し速くて、146ktくらい。
(重量によっても変わると思います)
そしてベースターン手前まではオートパイロットで飛びます。
 

 

  飛んでみた

 

アプローチモードで進入するとヘディングモードに切り替わらなかったので…
ローカライザーのみをキャプチャーして、VSモードで進入。
アルトウインドに600ftをセット、アルトホールド。

ただちに207度ヘディングセルでレフトブレイク。
ロールアウトしたらヘディングホールドとし、レフトブレイクから53秒でライトターン。
計算上は余裕で1.5nmのダウンウインドに入れるハズだったのですが、アビーム直前でしたね。
なぜか…、レベルオフに思ったよりも距離が要るのかもしれません。
レベルオフを待たずに少しリードを取ってレフトブレイク。
そして…
 

 

  ファイナル

 

ダウンウインド、オートパイロットを切ってアビームから15秒でベースターン。25度バンク。
滑走路、どんなふうに見えると思いますか。
なにしろ海面上600ft(180mくらい)を25度もバンクを取って旋回しているのです。
0.6nmしかないファイナルへ向けて…
もうね、右窓の右上の端っこの方に見えてくるのですよ!
身を乗り出して見る感じです。あそこに降りるの!?
素早く正確にアライン出来なければ降りられません。
NDではなくビジュアルでアラインするのだ、と。
1回目はアラインしきれずゴーアラウンド。2回目と3回目は降りることが出来ました。
アシストはしていただいたのですけどね…
 

 

  計算

 

あらかじめ計算作図していったデータは概ね正確でした。
レフトブレイクから53秒でターンすると、正しく1.5nmのダウンウインドに乗れたし、
ベースのバンクも25度でほぼOK(わすかにアンダーシュート)でした。
ただ、今回はレフトブレイクする前に減速し終えてアプローチしたのですが、

実際にはギアを降ろすのは滑走路が見えてからなので、減速はもう少し後ですね。
そして、ベースの1/3くらいから降下開始すればオンパスだと計算していたのですが…
「降下のパスを早く作らなきゃ」「バンクを早く整えなきゃ」…
そんな心理があるのか、早く降下を始めたくなってしまうのです。
600ftしかない高度から滑走路も見えないうちに降下を始めるのは危険ですよね…
見えてからでも十分間に合うのでした。

そして降下のパスが確立した時点でオートスロットルをディスコネクト。
これ、ほんとのパイロットさんのチェックでは視程2nmでやるのだそうで…(怖)

あっ、どんなスピードとバンク角で旋回すると旋回半径が何nmになるのか、
それを計算してくれるサイトがあるのです(自分では難しくて計算できません)。
そして、その値は飛行機の機種や種類によらず同じなのです。ちょっと不思議ですよね…
 

 

  トラフィックパターン

 

 

続いていつものようにセントレアのトラフィックパターン(タッチ&ゴー)をやりました。
これも、計算作図して行きました(上画像)。
185ktで22度バンクを入れれば、ちょうど2.5nmのダウンウインドに入れるはずです。
アビームから35秒でファイナルが1.55nmと計算したのですが…(平均速度160ktで計算)
ここのフェイズって減速するじゃないですか。
フラップ5スピード(185ktくらい)からVref+5(145ktくらい)まで。
飛んでみると、35秒でちょうど減速完了する感じなのです。
なので、実際にはファイナルは1.6nmくらいかもしれません。
ベースターンは20度バンク。ベースレグを0.42nm、10秒ほど取れるはずです。
ベースターン開始から0.4nm飛んだあたりで降下を開始すればオンパスのはず。
やっぱり計算の裏付けがあると安心して飛べますね。
 

ところで余談ですが、セントレアのRwy36のヘディングは、357度。

真北から3度しか傾いていないのに、地図を見るとずいぶん傾いていますよね。なんで?

 

 

  飛んでみて…

 

テイクオフスラスト、22度ピッチ185ktで上昇、
1500の500ft手前でレベルオフを開始すると、やっぱりけっこう急激な操作になりますね。

これは、これでいいのか…?
そして、やっぱり旋回で高度が下がることが…
前回の反省を踏まえて、ピッチを第一に守るようにすると安定してきました。
そして、飛びながら思ったこと…
2つ以上の操作を同時にしないこと。

  1. ベースターン、ピッチを維持したまま20度バンクを確立する。
  2. 降下を開始する。わずかにスラストを絞りながら4度ピッチに(ウエイトで変わる)。
  3. そのあと、スラストを合わせて速度を整える。

順番にやればいいんですよね。そうすれば難しくない。
ファイナルでは、ビジュアル、エイミング。視線を遠くに。

今回はファイナルでほとんどNDを見ていません。

接地も慣れてきました。ゆっくりやればいいのですね。
「あんまり言うことがないですね」と言っていただけたのでした。
やっとここまで出来るようになりましたよ。風がなければ、ね…
 

 

  風を入れてみた

 

「風、入れてみますか」
(シムって操作ひとつで出来るんですね…)
ダウンウインドはどう飛んだらいいのか…
787はトラックアングルをちゃんと計算してくれるのです!
それに合わせていけば、ちゃんと正しい方向に飛べるのですね。
ファイナルのアラインも、ビジュアルで。外をよく見て。
このあたり、シムよりも実機の方がやりやすいのだそうです(そうなのね…)。
ところで、風って、横風成分が問題だと思うでしょ。
ファイナルから見て左ななめ前からの風だったのですが…
ダウンウインドでは文字通り追い風成分もあるわけで…
なのでグランドスピードも変わってくる。
アビームから何秒飛ぶのかも変わってくるし、旋回中、風に合わせてバンク角も変える…
奥が深いのでした(そんな計算出来ないぞ…)。
パイロットは計算が命、と…
たしかに、計算の裏付けがあれば自信を持って飛べますよね。

次回への課題は、風に対処できるようになること、ですかね。

さて、次はなにを飛んだらいいと思います?