今月のフライト | フクロウのひとりごと

フクロウのひとりごと

愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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ほんとうに月例になってきましたが…、今月もまた先日、セントレアのラグジュアリーフライトさんでフライトしてきたので、どんなふうだったのか書いていきますね。結論からいうと、今回はボロボロだったのですが…。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  ミニマムサークル

 

今回まず最初にやったのは…
こちらの記事に書いた、先月ANAの定期便が米子空港で起こしたインシデント…

 


これと同じアプローチを、無謀にもやってみようと…(冒頭画像)
ミニマムサークル、米子の場合は高度600ft(約180m)。
そんな低高度で、反対側の滑走路まで回り込んで降りるのです!
どんな時に、こんなアプローチが必要になるのかというと…
東風が強くてRwy25には降りられない、雲底高度が低くて高度を上げられない、そんな時…
(飛行機は基本的に向かい風で離着陸します)

 

 

  飛行計画

 

そんな低高度で正確に回り込んで降りるためには、あらかじめの計算と計画が大切。
冒頭画像のように考えていきました。
Rwy25のILSに乗って進入。600ftでレベルオフし、ただちに45度でレフトブレイク。
幅2nmのダウンウインドに乗って、600ftをキープ。
ファイナルを1nm取りたいのでアビームから23秒飛んでターン(155ktとして計算)。
2/3、60度ほどターンしたところから降下を開始すれば降りられるかな、と。

まず、冒頭の作図には間違いがあって、ランウエイラジアル(滑走路方位)が違いますね。
Rwy25は方位244度ではなく252度です。すべての方位に8を足すと、正しい数値です。
もうひとつ…
アプローチスピード155kt、ターンのバンク角20度で計算したのですが…
バンクを入れてすぐに20度になるわけではないし、ロールアウトも瞬間的には出来ない…
と、レフトブレイクの旋回も変わってきます。
再計算してみると、45度の旋回で0.96nm飛びます。
 

 

  実際飛んでみて…

 

で、実際飛んでみてどうだったのか…
まず、600ftでレベルオフしてただちにレフトブレイクしても、
アビームまでに2nmダウンウインドにたどりつけません!
何回やってもダメでした。
計算が違うのか、飛び方がダメなのか…
ターンがゆっくり過ぎるとは言われましたが(旅客機はお客さんを乗せているからねぇ…)、
それにしても…
サークリングではダウンウインドを正確に飛ぶことがまずは基本なのですが…
それが出来ないのではまともなアプローチなど出来ようはずもなく…
そして、1nmのファイナルなど、ないに等しいですね(ぼくにとっては…)。
ちょっと蛇行しただけで、接地点などあっという間に通り過ぎてしまいます!
2度ゴーアラウンドして、3度目は無理矢理つけました…

 

 

  いずれまた

 

とにかく惨敗でした…
ダウンウインド幅2nmも要らないと言われたのですが…
アプローチ速度155ktとすると、20度バンクを入れて旋回半径が約1nmなのです(多分)。
と、それぐらい広く取らないと安定したアプローチは出来ないのではないか…
計算上は回れるはずだったのですが…
さらにFMSへの入力も、うまく出来なかったのです。
あとで思ったのですが…
オートパイロットで飛んでみればよかったな、と。
計算が合っているのなら飛べるはずです。
尤も、モードコントロールパネルへの入力やタイミングが簡単ではないでしょうが…
なにしろ、腕を磨いて、またいつかやってみたいですね。

ラインパイロットさんの6month check(定期試験)では…
このミニマムサークルと、それからアフターV1エンジンフェイルが『華』なのだと…
アフターV1…は、離陸直前にエンジン1コ壊れて離陸を継続する操作です。
難しいんでしょうね…
 

 

  横風

 

そのあとは、またまたセントレアのトラフィックパターンをやったのですが…
今回は、風を入れてもらいました(これまでは無風でやっていた)。
これまでいかにぬるま湯で飛んでいたのかが、よくわかりましたよ!
ダウンウインドもちゃんと飛べません。
どんなヘディングで飛んだらいいの…
そして、まともにファイナルに乗れたのは、最後の2回だけでした。
NDを見ると、ほぼ真横から25kt(風速12mくらい)の風…
いきなりリミットいっぱいじゃないですか!
まぁ、まだガスト(突風)がないだけマシか…
これでガストが入ったら、もう全然飛べませんよ!
横風がこんなに難しいとは思いませんでした。
NDに表示される旋回のトレンドベクターは風を計算に入れていないのですよね…
なにしろ、今回はボロボロでした…(涙目)
 

 

  反省

 

離陸上昇で何度も失速警報鳴らしました…(汗)
いや、ピッチ21~22度がわかっているのはいいんです。
いきなりそこに持っていきすぎです。速度を見ながら上げようよ!
どうしたら、風の中で正しい方向に飛べるのかは勉強ですね…
そして、高度維持がまだまだダメです。ミニマムサークルでも300ftまで落ちました…
高度の安定は姿勢の安定。慣性と、予測。繊細なコントロール。
特に旋回中なのですよね問題は…

水平飛行中は、速度、高度、ヘディング、いろいろなことをクロスチェックします。

いちばん見るのは、もちろん姿勢。

それも、きっとピッチ(機首上下)8割、バンク(傾き)2割くらいの割合で見ていると思うのです。

でも旋回中となると、バンクに意識が行ってしまうのですよねきっと…

旋回中も、ピッチを優先で見ることが大切な気がします。

 

そして、接地もヘタですね…
前回はフレア(引き起こし)が早かったのです。
50ftくらいで起こしていたのでフローティングしていました。
35ftまでガマンするのはいいのです。今度はそこから焦って急激に起こしすぎなんですよね…
降下率がせいぜい800fpmくらい。そのまま着けても降りられるのだから、落ち着こうよ。
(そのまま着けたらハードランディングにはなるけれどね…)
バンク何度でどんな旋回が出来るのか、ベースレグからファイナルに向けるタイミングとか、
計算、計画しましょう。

飛び終えて展望デッキに出てみると、外もまさにそんな強風でした。
でも、みんなきれいに飛んでいくのですよね…(あたりまえです!)

さて、みなさんも飛んでみませんか。