休符を演奏しましょう | フクロウのひとりごと

フクロウのひとりごと

愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
おもに吹奏楽の活動に役立つ情報を発信中!
バンド指導をご希望の方はお気軽にご連絡ください。

練習を聞いていると、こんなことを感じることがあります。「もっと休符をちゃんと演奏したらいいのに…」。さて、これって一体どういうことなのでしょうか。なかなか出来ていない人、少なくないように思うのですよ。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  楽譜には…

 

演奏に、音楽をするのに不可欠な、楽譜(即興は別にして、ね)、
その五線の上には2種類のものが書かれていますよね。それは…
音符と、休符。
みなさん音符は一生懸命に、ときには必死になって演奏されますが、休符のことは…
ただの『おやすみ』だとしか思っていない、そんな演奏が、少なくない、
そんなことないですか。
もちろん、人の心を動かす演奏をするような人にそんな人はいませんが…
さて、休符って、一体何でしょうか。
 

 

  音のない音符

 

これ、時々言うのですが…
休符って、『音のない音符』なのですよ。おやすみ、ではないです。
そこには『音符』があるのです。ただ、音がないだけです。
4分休符や8分休符などの短いお休みは特にそうです。



ブラームスの交響曲第4番です。
この4分休符を、ただの『おやすみ』としか捉えていなかったら、メロディになりませんよね。
音符と同様に、いや、音符以上にちゃんと演奏しなければならないものが、休符なのです。
 

 

  どう練習すれば…

 

さて、どうしても、休符がただのおやすみにしかならない、ちゃんと演奏できない…
そんな人には、こんな練習をおすすめしたい。
休符を、なにかの音符と置き換えるのです。
たとえば…

今年の吹奏楽コンクール課題曲4『フロンティア・スピリット』です。



これを、



こうする。こう練習してみる。
この加えた音符が、音のない音符に置き換わるだけなんです。
 

 

  長いお休みも

 

楽譜には、短い休符ばかりではなく、長いおやすみ、いわゆる『長休符』もあります。
これも、ただぼーっとしていたり、ましてや眠っていたりなどしてはいけません(爆)。
あなたが長休符のあいだにも、音楽は流れていっています。
その流れの中にいましょう。
流れを共有しましょう。
音楽のテンションを感じていましょう。
おやすみのあとの音符で、それはあらわれるものだと思いますよ。
ぼーっとしていていきなり快速運転は出来ないでしょ。
音を出す以前から、その流れの中にいる、これ、大切なことだと思うのです。
 

 

  休符を大切に

 

休符がいい加減になることには、つまることもあれば逆に、伸びることもあります。
どちらも、ただの『おやすみ』としていい加減に演奏してしまっていることが原因ですよね。
音のない音符、休符をいい加減にやり過ごしてしまっていること、これが、
テンポやリズムが決まらない原因の大きなひとつです。
そんな場面で…
「走らないで」とか「落ちついて」とか「遅れないで」なんて言っても、おそらく無意味です。
また、休符をちゃんと演奏するということは…
その直前の音符の終わりをきちんと演奏するということにもつながります。
休符は、音のない音符です。ときに音符以上に、ちゃんと演奏したい。
それによってリズムも生きてくるし、音楽が生き生きとしてくると思うのです。

さて、休符、あなたはちゃんと演奏していますか。