同じことを何度も言われてはいけないのか? | フクロウのひとりごと

フクロウのひとりごと

愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
おもに吹奏楽の活動に役立つ情報を発信中!
バンド指導をご希望の方はお気軽にご連絡ください。

「同じことを何度も言わせないで」「これ、前にも言ったよね」…、そんなことを言われたこと、みなさんはないですか。さて、でも、同じことを何度も言われることって、はたしてそんなにいけないことなのでしょうか。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  一回で出来る人はいない

 

たとえば合奏やレッスンで、「こんなふうに演奏してね」と指示を受けたとします。
それ、言われてすぐに出来ますか。
もちろん、その内容によって変わってくるのでしょうけど、
言われただけで出来たら苦労しないやい!
って思うことも、少なくないのではないでしょうか。
言われたことが出来ないのには、もちろん不注意の場合もあるでしょう。
でも、むしろそうではないことのほうが多いように思うのです。
 

 

  それはどうすれば出来るのか

 

たとえば、「もっと力強く」と指示を受けたとします。
それは具体的にどういうイメージなのか、どんな音なのか、そして、どうしたら出来るのか…
そういう情報や指示がないとわかりませんよね。
また、楽器の奏法などにしてもそうですが…
「わかっているけど出来ないんです!」ってこと、ないですか。
そんなことを何度指摘されたところで、指摘されるだけでは出来ないのです。
それを、「同じことを何度も…」なんて言われても、どうにもなりなせんよね。
そういうときの道筋を見いだしてあげることが、指導だと思うのです。
以前にこんな記事を書きましたね…

 

 

 

  一度に覚えられる人って…

 

どんなことでもそうだと思うのですが…
なんでも一度に覚えられる人っていないと思うのです。
ほんとうの知識って、繰り返し忘れることで定着していくものだと思うのです。
そうではなく無理矢理に促成栽培でおぼえることを、丸暗記といいます。
それ、おそらく役に立ちません。
繰り返すことで身についていくのだから、「同じことを何度も…」なんて言わないで、
「わからなければ何度でも訊いてね」っていうのが、教える側のあるべき態度だと思うのです。
それに、いい加減な知識で間違ったことをされるほうが困りますよねきっと。
 

 

  おぼえることではなく

 

おぼえる、記憶するのと、身につく、定着するのとは違います。違いますよね。
極端な話、意味もわからず丸暗記したって何の役にも立たない…
おぼえなくっていいから、意味や意図をよく理解してくれたほうが、ずっといい。
どんなことでもそうだと思うのです。
それをやるのはなぜか、どういう意味があるのか、狙いはなにか…
そういうことを、ちゃんと理解してくれる方がいい。
おぼえなくっていいから。
あらゆることに当てはまると思います。練習でもそうですよね。
 

 

  同じことを…

 

さて、同じことを何度も言われることって、いけないことなのでしょうか。
いけないどころか、むしろ場合によっては歓迎すべきことなのではないでしょうか。むしろ、
「同じことを何度も言わせるな」とプレッシャーをかけることこそマイナスだと思うのです。
もちろん、単なる不注意は戒められるべきなのかもしれませんが…
要らぬストレスやプレッシャー、精神論はマイナスです。
もっと本質を見た、人を捉えた指導が増えるといいな、と思うのです。

みなさんは言われていませんか、また、言っていませんか、「同じことを何度も…」って。