先日、『音に余韻をつけましょう?』という記事を書きました。不自然な余韻をつけるのはおかしい、世の中には音の終わりをはっきり止めた方がいい音楽もある、と。でも、そのことを知らなかったら出来ないですよね。
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。
音の終わりは…
先日の記事はこちら。
音の終わりにいつも不自然な余韻をつけるのは変だよ…
音の終わりをはっきりと止めた方がいい音楽もあるよ…
でも、「音に余韻をつけましょう」と言われて育ったら、
そうするものだとしか思っていなかったら、
出来ないですよね…
お寿司
突然ですが、みなさん、お寿司は好きですか。
たとえばマグロのトロ、なにをつけて食べますか。
きっと、お醤油、ですよね。
そうやって食べると美味しいということがわかっているから、そうするのですよね。
でももし、お醤油を知らない人が、マグロの大トロに出会ったら…
どうでしょう、もしかしたら、お塩かなにかをかけて食べるかもしれません
えっ、マヨネーズ?
それも美味しいかもしれませんが、この際それは置いておいて…
知らないのだから
『音に余韻をつけましょう』も、これと同じです。
知らないんです。お醤油を。
だから、お塩をつけて食べる。Birdlandに余韻をつけて吹いちゃうんです。
でもそれは、知らないのだから仕方がないですよね。
お醤油を知れば、それをつけて食べた方が美味しいということを知れば、
お醤油をつけて食べるようになる。
余韻なんかつけないで演奏するようになるんです。
その音を知ったら、そうなるんです。でも、まだ知らない…
知らないということは
つまりなにが言いたいのかというと…
知らない、ということは、残念なことでもはずかしいことでもないということ。
「お醤油を知らなかった、残念なことだ」ではないんですね。
「お醤油を知ったら、美味しいものがもっと増えるぞ」なんです。
食が(音楽が)、ますます豊かになる、そのきっかけに出会う、ということ。
それは、素晴らしいことなのです。
残念なのは、お醤油を知っているのに「お塩で食べなさい」と、他人に強要する人です。
お塩で食べるのが流儀だと信じて疑わず、食を追求する姿勢のない人が、残念な人です。
わかりますよね、言いたいこと…
開拓精神
いろいろなものに出会うと、いろいろなことを知れると、そこから先がますます豊かになる。
それまでは、なんでもかんでも余韻をつけて演奏していたのが、
そうではないやり方を知って、やってみたら、もっと素敵だった…
表現の幅が広がって、それまでよりも豊かになるのです。
これ、素晴らしいことですよね。
そういうことを大切にしていって欲しいと思います。
そうしたら、未来は今より豊かになるのですから。
では、そのためには具体的にどうしたらいいのでしょうか…
たくさんの、本物の、素晴らしい音楽を聴いてください。ぜひ。好奇心を持って。
そういうものに出会うこと、そのやり方を知ること、これが大切なのですね。
そのためには、心が開いていること。
新しい可能性を受け入れる準備が出来ていること。
狭い世界に閉じこもらないで、開拓精神を持っていること。
さて、開拓精神、あなたは持っていますか。