編成実態調査 | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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全日本吹奏楽連盟のホームページに、コンクールの人数と編成についての集計(実態調査)資料が掲載されていることを、みなさんご存じでしょうか。調査が行われた2017年からの推移なども見られて興味深いのです。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  小編成化

 

先日、こんな記事を書きました…

 


課題曲の小編成、この編成が、再来年から小さくなるというお話。
その理由や、Twitter(X)でのアンケート結果なども交えて書いた記事です。
知らなかったのですが、吹奏楽連盟もちゃんと調査集計していて資料も公開しているのですね。

 

 

  2022年度実態調査

 

吹奏楽連盟が行った調査の結果は、吹奏楽連盟のこちらのページに掲載されています。
中学、高校、大学と、過去5回の調査の推移も含めてグラフと概論で示されていますね。

 


課題曲の編成が再来年から小さくなるのも、こういう調査結果を受けてのことだと思われます。
読んでみてください。
所感を書いていってみたいと思います。

 

 

  見えてきたこと

 

調査は2017年から毎年行われていますね(2020年はコンクールがなかったためにデータなし)。
2019年までは著変ないように見えます(2018年に一時的に大編成が増えていますが…)。
ところが、当たり前といえば当たり前ですが、感染症禍を受けた2021年に中学の大編成は激減。
編成は少人数化の傾向になり、その流れは2022年にはさらに進んでいます。
この傾向は、高校や大学よりずっと顕著ですね。
高等学校は、中学ほどには変化は激しくないですが、小編成バンドの少人数化が見られますね。
概説にも書いてありますが、二極化の傾向にあるようにも見えます。
 

 

  思うこと

 

なぜ、小編成化の傾向なのか…
とくに中学校で顕著ですよね。
いろいろな要因があるのでしょうが、いちばん大きいのは感染症であるように思えます。
活動が自由に出来なかった、部員獲得も難しかった…
でも、そうであるのなら、これから先、戻ってくることも考えられるように思うのです。
来年以降どうなっていくのか…
そして、中学生バンドの人数が減っている影響は、この先高校にもあらわれてくる、
そんなふうにも思います。
 

 

  いちど途切れてしまったら…

 

感染症、地域移行、ガイドライン、そして、小子化、
いろいろな要因はあるのでしょうけど、ひとつ言えることは…
いちど途切れてしまったら、それを取り戻すことは極めて困難だということ。

以前、指導していた小学校バンドがありました。
ぼくはほとんど合奏指導をするだけだったのですが、ほんとうにいいバンドだったのです。
あるとき、顧問の先生に訊いてみました。ぼくのほかはどなたが来られてるんですか、って。
ぼくが教えているだけだと言われました。ほんと!?
このバンド、先輩から脈々と受け継がれているものがデカいのです。
その影響って絶大なのです。
 

 

  活動休止を経て

 

ところがある年そのバンド、顧問の先生が移動される関係で活動が休止になったのです。
1年ほどして再開したのですが、正直もう、見る影もありませんでした…
いちど途切れて失われてしまったものは二度と戻らないということを肌で感じたのでした。
学校部活動において引き継がれていくものって、ほんとうに大きいのです。
これはでも、どんなことにも言えるのでしょうけどね…
だから、みなさんにはがんばって過去から未来へ受け継いでいっていただきたいと思うのです。

どんなバンドにもきっとある、目には見えないけれどずっと受け継がれているもの、
それは音であったり響きであったりそれが出来上がる過程だったりするのでしょう…
そういうかけがえのないものたち、みなさんのバンドでは引き継げていますか。