吹奏楽コンクールの課題曲には、大編成と小編成があるのをご存じでしょうか。それはどんな編成なのでしょうか。そして、再来年から小編成の楽器編成が少し変わるらしいということ、その理由について考えてみました。
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。
課題曲の楽器編成
全日本吹奏楽コンクールの課題曲には、大編成の曲と小編成の曲があります。
ご存じでしたか。
大編成とはどんな編成なのかというと…
ピッコロ、フルート2、オーボエ、ファゴット、
エスクラ、ベークラ3、アルトクラ、バスクラ、
アルトサックス2、テナーサックス、バリトンサックス、
トランペット3、ホルン4、トロンボーン3、ユーフォ、テューバ、コントラバス、
そして、打楽器5人。
声部としては、木管15、金管12、コントラバス、そして打楽器です。
では、小編成は…
大編成から、オーボエ、ファゴット、エスクラ、アルトクラ、コントラバスがオプションに、
ホルンが4本から3本になった編成です。
木管11声部、金管11声部、そして打楽器。
小編成の変化
これまでの課題曲は、去年までの課題曲5を除いて上に書いたどちらかの編成だったのですが、
どうやら、再来年から少し変わるらしいのです。
大編成については変化はないのですが、小編成が…
これまでの小編成からさらに、ピッコロもオプションになるようです。そして…
フルートが2→1、ベークラ、トランペット、ホルン、トロンボーンが、各3→2へ。
打楽器が、5人→4人へ。
声部としては、木管8、金管8、そして打楽器。
かなりコンパクトですね。
これ、情報源はなにかというと…、課題曲募集要項(朝日作曲賞要項)なんです。
さらに、こんな条件もあります…
『各楽器1stのみでも演奏が成立する声部が整った作品であること』
さて、これだけ小さい編成にシフトする理由って、何でしょうか。
学校バンドの小人数化
課題曲が発表になると、毎年あちこちからこんな声を聞きます…
「出来る課題曲がない」…
なぜ、出来る曲がないのか、理由はいろいろなのでしょう。
- 難易度が高い
- 不出来なパートが目立つ(隠れられない)
- 編成が足りない
こんなところなのではないかな、と思います。
1と2は仕方がないとして(もっともっと難易度の高い曲が過去にはありましたよ)、
問題は、3ですよね。
これ、近年深刻になってきているのかもしれません。
つまり、学校バンドの少人数化がますます進んでいるのではないか、ということ。
アンケート
ツイッター(X)でアンケートしてみました。
分母は決して多くはないですが、この結果だけから見ると、4割くらいが大編成。
(尤も、部員の中から人数をしぼって小編成に出るというバンドもあるかもしれませんが…)
でも一方で、部員数15人以下という団体も約12パーセントあります。
もうひとつ聞いてみました。
やはり分母は多くはないですが、
これを見る限り、思ったほど少人数化とはなっていないように見えます。
とはいえ、『減っている』が、『増えている』の倍以上あるのも事実。
さらに、『存続が難しい』が5パーセント。40票中2票あります。
仲間と一緒に
やはり、学校バンドの小編成化は進んでいると言えるのかもしれません。
少子化ということもあるでしょう。感染症の影響もあるでしょう。
いろいろな事情があるのだとは思います。
いろいろな学校を見てきて、吹奏楽部員数って全校生徒の1割くらいが平均だと思います。
でも中には、全校生徒の半分が吹奏楽部、なんていう学校もありましたよ!
がんばって仲間を増やしましょう。
そして…
1年生はコンクールに出ない、2,3年生だけで…、というバンドもあるでしょう。
でも、それで小編成に出るのだったら、全員で大編成に出ませんか。
1年生が夏のコンクールに出ることは、十分に可能だと思うのです。
ぼくも中学高校とも、1年生のときからコンクールに出ていましたよ。
さて、課題曲の小編成化、みなさんはどう思われますか。