地域移行か切り捨てか | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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部活動の地域移行が言わてずいぶん経ちますが、移行、スムーズに進んでいるのでしょうか。移行ではなく単に解体なのではないかという声も聞こえてきます。いったい何を目的に移行なのでしょうか。問題は何でしょう。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  地域移行

 

学校部活動の地域移行、ここでは吹奏楽部について見ていきます。
うまく行っていないという声をいろいろ聞きます。どういうことかというと…

  • 受け皿となる団体がない
  • 活動場所がない
  • 学校が協力してくれない
  • やりたい人から活動を奪っている
  • 子どもたちの行き場がない

たとえばそんな声が聞こえてくるのです。
みなさんのところではどうですか。
 

 

  部活動の目的って…

 

文化部活動の在り方に関する総合的なガイドラインには、次のように書かれています。
ほんの数年前に出されたものです。

生涯にわたって学び、芸術文化等の活動に親しみ、多様な表現や鑑賞の活動を通して、豊かな心や創造性の涵養を目指した教育の充実に努める。

学校部活動って、遠い昔からありました。
学校に行けばやりたい部活動があって、誰でも参加することが出来た。
昔は、どれかの部活動に参加することを学校が推奨していたようにも思います。
吹奏楽部でいったら、誰でも音楽に触れる機会、場が用意されていた。
楽器もあった(楽器を買わなければならないなどということはなかった)。
教科以外の活動を通して、仲間との協調や交流、人間形成にも大きな役割があった。
あのときあそこに部活動があったから今の自分があるという人、多いのではないでしょうか。
 

 

  問題点

 

地域移行の話が出てきたのには、いくつかの要因があったのではないかと思います。

  • 教員の働き方改革(負担の低減)
  • 過度な活動へのブレーキ(ガイドライン)

おもにこの2つがあったように思います。さらに…

  • 感染症
  • 予算不足

これも、影響を与えている要因のように思われます。
教員の業務を圧迫しているのはほんとうに部活動なのか、

他にもっと大きなことがあるのでは?
過度な活動を抑えるというけれど、はたして週11時間が適切なのか、

抑えすぎではないのか…
この2点については、過去に書いたとおりです。そして、いちばん問題だと思うのは…
これらの問題を一緒くたにして片付けてしまおうとしているように思えるところです。
個々の問題の本質を見ず、この際どさくさ紛れに始末してしまおうというふうに見える。
 

 

  なんのための地域移行か

 

そもそも、なんのために地域へ移行するのでしょうか。
教員がラクをするため?
文科相が予算をケチるため?
面倒な問題を始末してしまうため?
では、子どもたちにとってはどういういいことがあるのでしょうか。
なにかありますか。
なんだか、いちばん大切なことを誰も見ようとしていないように感じられてしまうのです。
そんなことないでしょうか。
 

 

  やりたい人に活動の場を

 

部活動をやりたい子どもたち、部活動をやりたい先生、たくさんおられます。
十把一絡げに規制し、場を奪い、切り捨てることが改革ではないと思います。
週11時間というのだって、ちょっと行きすぎなように思えます。
そして、もう決まったことだからとそれを強制する…
少し前に流行った『○○警察』的な者まで現れたり…
もはや、本来の目的なんか忘れていますよね。
少なくとも…
学校部活動をなくしておいて、地域でやってくれというのでは順番が違うように思います。
まず地域に十分でしっかりとした受け皿をつくっておいてから、移行する。
そうでなければそれは、地域移行という名の切り捨てでしかないですよね。
活動をしたい子どもたち、先生方…
そういう人たちから活動の場を奪うことは、あってはならないと思います。

部活動の地域移行、みなさんはどう思われますか。


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