二律背反?二者択一? | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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世の中には、二律背反、二者択一ってありますよね。たとえば、早さと丁寧さ…。

では、音楽の世界にはあるのでしょうか、二律背反…。

 

こんばんは。

トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 

二律背反

二律背反 … 二つの相反する命題や推論が、同じだけの合理性・妥当性をもっていること。また、自己矛盾に陥ること。▽ドイツ語の「アンチノミー」の訳。「aが真だったらbは偽にせ」といった同時には存在し得ない二つの事柄について、aが真である可能性とbのそれとが同じであること。(goo辞書より)

 

二者択一 … 二つの事柄の、どちらか一方を選ぶこと。二つの選択肢のうちの一方を選ぶこと。▽「択一」は用意されているいくつかの事項の、どれか一つを選ぶこと。 (goo辞書より)

 

 

練習していて…

たとえば楽器を練習していて感じる、二律背反…

息は太く、アパチュアは小さくって、どういうことやねん!

息は流したまま、でもグリッサンドではなくって、難しいねん!

要するに、修行が足りんってことなんですけどね(汗)

でも、そんな二律背反たちをよく考えたり観察したりしていく中で見えてくるもの、

新たな気づきや境地?って、ある気がするのです。

 

基礎か曲か

高校の頃の吹奏楽部、ミーティングで*喧々囂々になったことがあります。

『基礎をしっかり固めて、それから曲にかかった方がいい演奏が出来る!!』

『いや、とにかく曲に取り組んで、煮詰める時間をたくさん取るべきだ!!』

こんな喧々囂々、よくありましたね…。ちなみに当時のぼくは前者でした…

さて、どう思われますか。

 

基礎をやることと、曲を煮詰めることは、はたして別々のことなの?

なんのために基礎をやるの? どうなったら、『基礎が固まった』なの?

曲を煮詰めるってどういうこと? 技術なの? それともなにか別のもの?

そのそれぞれが関係ないものになっている、結びついていないのなのだとしたら、

そのことが、そもそもの問題なのかもしれません…。

 

*喧々囂々 … 多くの人が口やかましく騒ぐさま。また、やかましく騒ぎ立てて収拾がつかないさま。▽「喧喧」「囂囂」はともに、やかましいさま。騒がしいさま。 (goo辞書より)

 

 

追求するのか楽しむのか

『音楽はまず楽しくないとダメだから、もっと楽しんでやろうよ!!』

『いやいや、上手くなかったら楽しくないじゃん。まずは追求しなきゃ!!』

これも、よく聞くお話ですよね。ありませんか。

 

楽しむ、楽しくって、どういう状態なのでしょうか。

そしてそれは、どうしたらできるの?

上手くなかったら、楽しくないのでしょうか。上手く、って、何基準なの?

上手くなるって、どういうことなのでしょう。どうすれば上手くなると思いますか?

そもそも、『音楽を追求する』ことって楽しいことではないのでしょうか?

もし音楽の追求が楽しくないつらいことなのだとしたら、

そのことが、そもそもの問題なのかもしれません…。

 

賞か音楽か

コンクール前になると、時に聞かれませんか、こんな話…

『コンクールに出るからには、とにかくいい賞を目指さなければ意味ないよ!!』

『いやいや、まずはぼくたちの音楽を追求するべきだよ!!』

さて、どうですか。

 

いい賞を目指すって、何? 具体的にはどうすれば出来るの?

音楽を追求するって、何? それはどうすることなの?

『自分たちの音楽』って、何? それは普通の音楽と一体なにが違うの?

そもそも、音楽を追求することと賞を目指すことって、相反することなの?

もしそうなのだとしたら、そのことが、そもそもの問題なのかもしれません…。

 

さて、二律背反(のように一見見えること)、ほかにはどんなものがあるでしょう。