音楽大学に入るためにはどの程度のソルフェージュ力が必要なのでしょう…
平均的かどうかはわかりませんが、ぼくが入学前にやってきたことを思い出して書いてみますね。
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。
Twitterで
昨日Twitterでこんなことを書いたら、たくさんの反応をいただいたのでした。
福見吉朗@fukurou293
今、私立の音楽大学って入試科目にソルフェージュはほぼないです。でも、ソルフェージュをやらずに音楽大学に入ると、間違いなく泣きを見ます。楽器の演奏、作編曲、指揮、そのどれにもソルフェージュは絶対に必要で、避けては通れません。音大を目指すみなさん、ソルフェージュは必ずやってください。
2019年05月29日 15:44
予想外に多くの反応をいただいて驚いていますが、でも、ほんとうに書いたとおりなのです。
どんな楽器をやるのにも、楽譜を書くのにも、指揮や指導をするのにも、ソルフェージュは必須です。
音楽大学関係者の方は、入試の間口を広げるために言いにくいでしょうから、
僭越ですが、代わりに言っておきます。
ソルフェージュをやらずに音楽大学に行ってはいけません。それでは決してやっていけません。
少なくとも、演奏、作編曲、指揮、指導の各コースを志すのであれば。
入試にソルフェージュがない音楽大学
「私立の音大はほぼ入試にソルフェージュはない」…、これは、ある音大の先生の言葉なのですが、
実際に入試にソルフェージュを課さない音楽大学、どれくらいあるのか、ざっと調べてみました。
大阪芸術大学
昭和音楽大学
洗足学園音楽大学
徳島文理大学
名古屋芸術大学
フェリス女学院大学
平成音楽大学
活水女子大学は聴音かコールユーブンゲンか一択、
尚美学園大学はコールユーブンゲンのみ、
名古屋音楽大学はソルフェージュか面接か一択、
一般入試に限って調べました。落ちや間違いもあるかもしれません。もしあれば指摘してください。
また、国立音楽大学は、専攻によって聴音と新曲視唱のどちらか片方を課していますね。
とはいえ、なにしろコースが多く複雑で、入試の種類も多い。わけがわかりません。
しかも、ホームページがわかりにくい。デザインに凝って、よくわからない横文字を並べて、
で、肝心の入試要項はどこにあんねん!? という大学が多いです。ほんとわかりにくい!(-_-メ)
自分の場合…
ぼくがやってきたソルフェージュが平均的なのか、それ以上なのか以下なのかはわかりませんが、
大学に入る前にやってきたことを思い出して書いてみますね。
ぼくは高校2年で音大行きを決意、その夏からソルフェージュも習い始めました。
週に1回、レッスンに通っていました。
その先生は、『絶対音感じゃない人は移動ド』という考え方の方で、
考え方はいろいろあるのでしょうが、今にして思えば、あのとき移動ドを仕込まれたことで、
いろいろな面で今でもとても救われていて、だから先生にはとても感謝しています。
(だったら帰省した時にあいさつくらい行けって話ですが…(>_<))
コールユーブンゲン
レッスンでやっていたことは…
まず、コールユーブンゲン。全部やりました。
これって、伴奏あるんですか? 知りませんでした。
伴奏付きで歌ったことないです。最後までちゃんと音程取れて歌えるまで、次へは進みません。
1人で歌ってちゃんと歌えるように、毎回練習して行きました。
うしろの方は、ちょっと難しかったですね。でも、全部制覇しました。
トロンボーンのモノも含めて、全制覇した数少ないエチュード?のひとつです。
2~3人のレッスンだったのですが、みんなで一緒に歌うということはありませんでした。
必ず、1人で歌います。
聴音と新曲視唱
聴音は、単旋律から複旋律、伴奏付き、和声聴音、いろいろやりました。
もちろん、おぼえて書く記憶の問題も。
無調のモノはありませんでしたが、ひととおりやった感じですね。
移動ドには抵抗なかったですし、それに慣れ親しんだおかげで、音はみな階名で聞こえてくるのです。
だから、そう苦手意識はなかったですね。
それから新曲視唱。
これも1人ずつその場で課題を与えられて、歌っていきます。
どんなものがあったのかよくおぼえていないのですが、
だいたいの音楽大学入試で当時課される課題のレベルは網羅していたように思います。
コンコーネ
そのほかに、コンコーネをやっていました。
これは声楽、というか、歌の練習として。
伴奏付きで1人ずつレッスンしていただいていました。
あるとき、「この曲の物語を考えてきなさい」なんていう課題が出されたこともありましたね。
あれはどの曲だったのだろう…
なにしろ、これだけの内容を、毎週レッスンしていただいていました。
先生は、「日本中どこに出してもはずかしくない内容をやっています」とおっしゃっていました。
が、音楽大学に来る人はみな、このくらいのことはやった上で来るのだろう、と思っていました。
大学に入ってから
大学でももちろんソルフェージュの授業があります。
あの頃と今と同じような内容なのかどうかはわかりませんが、あの頃の大学では…
歌うのは、ほぼみんなで一緒に歌っていました。
入学前のレッスンと違って、1人で歌うということはなかったように思います。
なにしろ何十人もいる授業でしたから。
そして疑問だったこと…
みんな、固定ドなのです。移動ドをしているのは、ぼくのほかは1人だけでした。
なぜ、絶対音感じゃないのに固定で歌うのか、理解できませんでした。
まわりがみんな固定ドで歌っているそんな中で、4年間、移動ドで押し通しました。
もちろん考え方はいろいろで、どちらが優れているとかの問題ではないのかもしれません。
しかし、移動ドの可能性を否定するような先生がもしいたとしたら、
その先生にソルフェージュを習うのは考え直した方がいいかもしれませんね。
自分の経験から
思い返して考えてみると…
大学入学前のソルフェージュと入ってからのソルフェージュ、8:2か9:1くらいなのです。
正直、何十人もの集団授業で、そんなにソルフェージュ力がつくとは思えないのですよね…。
大学に入ってからは、それまでにやってきたことの確認、という感じでした。
今、楽譜が書けるのも、あのときレッスンで仕込んでいただいた先生のおかげです。
もちろん楽器が吹けるのもそうです。自分の中に明確に音を持つことができる。
その思った音が、楽器から出てこないのはフラストレーションですが…
音楽大学に求められるもの
でも、そうして自分の体験を思い起こして考えてみると、
ソルフェージュをしないで音楽大学に入ってしまった子たちは、いったいどうするというのでしょうか…
大学に入ってからソルフェージュ力をつけさせる?
はっきり言って、何十人もの集団授業でソルフェージュ力を身につけるのは不可能です。
やるのなら、個人レッスンか、せいぜい数人のゼミ形式でやることですね。
入試でソルフェを課さないのなら、大学は最低限それくらいのことはする必要があります。
ソルフェージュもできないで大学を出るのでは、音楽大学に行く意味はありません。
ソルフェージュは必須です
間口を広げて門戸を開いて入りやすくする、それもわかります。
でも、そうなのであれば、入学後のカリキュラムはよほど考える必要がある。
各音楽大学には一考をお願いしたいと思います。
また、音楽大学をめざす学生さん、大学に入る前にソルフェージュは『必ず』やってください。
でなければ、入ってからやっていけません。
音楽を志す人にとって、ソルフェージュは絶対に必須のものなのですから。


